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アダルトチルドレン⑤
父親を親父(オヤジ)とは呼ばない。
親しみを感じる呼び方はしない。文字で書くときも同じ。戸籍上は父親なので、父親と書く。
ある晩、母が横になっていた。数日前から体調が悪いようだった。
父親は飲みに出ていた。
私は部屋に居たのだが、母が何かガサゴソ慌てて支度を始めていて、病院に行くから、とだけ私に言って出ていった。
父親が誰か分からない男を連れて帰ってきた。もちろん、酔っているし目が座っている。
生まれた時からこの父親を見てきて、同じく酔っていても暴れるのか暴れないのか、すぐ寝るのか、すぐ寝なくても特段怒鳴りもせず暴れもしない(数年に一度だが)私は顔を見ただけで分かるようになっていた。
実は顔を見なくても、学校から帰ってくる途中、家から数百メートル地点辺りから、分かるようになっていたが、それは何故なのか、何かの影響なのか、全く見当も着かないのだが百発百中で分かるのだ。
その晩は暴れる顔をしていた。
父親が連れて来たオッサンは間もなく帰っていった。
そして父親は私を呼び、私は二階の部屋から一階に降りていった。
何処に行ったんだ❗
具合悪くて病院に行った。
そこからはどんな会話をしたか覚えていないが、その日母は帰って来なかった。
父親が心配している事は、明日から誰が仕事をするのか、という事。
自分が働く、と言う発想には間違ってもならない。
何が原因で何故病院に行ったのかは、もちろん分からないのだろうが、身体の心配などは一切していないのは見ていて分かった。
私は大体の予想はついていた。
父親は母に暴力を振るう時は大概服を脱がすのだ。脱がすというより、ビリビリに破くのだ。
そして、殴る蹴る、刃物で脅す。
そして、私や姉が居ないときは強制性交、もちろん避妊などしない。
母は流産だったのた。数日前からこの晩のような事になるのはわかっていたに違いない。
私も薄々そうだろうと思っていた、と言うより、それしか考えられない。
何も分からない大馬鹿野郎はこの世に一人だけだ。
この様なことは、私が知る限り2度あった。
私が何も分からない子供の頃には、この様な事があったのかどうかは分からない。
私が小学生になる前、父親が知人から犬をもらってきた。
ダルメシアンである。
みんな寝静まった夜中、ヤツは犬を犯そうとしていた。
私の身体に、この男の血が流れていると思うと、死にたくなった。
話を戻すが、その性癖が信じられないのだ。
母にたいして、殴る蹴る、刃物で脅し強制性交。
もう、変質者やサイコパスでは言い表せない人間、いや人間ではない。
暴れている時の顔つき、飲んでいない時の顔と明らかに違う。
信じられないと思うかも知れないが、鼻の形は極端な鷲鼻になり、口はだらしなく口角が下がり、目が凹んで白目しか見えない。
目は、大人になってから知ったのだが、三白眼と言うのだそうだが、その時は白目に見えたから、私は悪魔が実在していて、それが目の前にいる、と言う認識であった。
それから数日が過ぎ、父親は母を無理矢理に退院させた。
仕事をさせる為に。
しかし身体は既にボロボロである。
仕事をしては横になり、横になっては仕事をしていたが、もう限界はとうに過ぎていたに違いない。
数年経ってから母に聞いた話では、横になっている時に、小さい手が足元からペタペタと這ってくるのだそうだ。
水子なのだと思う。
私は墓を建てる事も、成仏させる手立てもないが、出来る範囲での供養はさせて頂こうと、その頃から思っていて、気持ちだけではあるが、もう二十年ほどさせて頂いている。
それで浮かばれているのかは分からない、と言うより、浮かばれてないだろうと思う。
母は、今はそのような事が無くなったと言っている。
今は母を80を過ぎて、特養に入っているが、3年ほど前に、とある霊能者に依頼して、母の霊視をして頂き、物凄い数の物の怪、人霊、人ではない物が憑いているとの事で浄霊を頼んだのだが、その中に水子の霊は無かった。
この霊能者が本物であったかエセ霊能者であったかは分からない。
ただ、12000円。それでおわり。
この内容はまた別のタイトルで詳しく書く予定なので、ここではこれまで。
そう言えば、この話より10年ほど遡るが、母方の祖母、つまり母の母(笑)あたり前田のクラッカー。
が、もう数日の命で、地方から母の兄弟姉妹8名がやって来た。
そんな中でも母が病院に行く事を許さず、母の兄弟姉妹は薄情だとか、仕事を優先するのか、と思ったに違いない。
数人の姉、兄、弟は、父親に行かせてもらえずにいるんだ、と分かっていたようだ。
ただ、当の祖母は、一番近くに住んで居ながら、1回も見舞いに来ない、と恨んでいたに違いない。
一度だけ行った時には、何しに来た❗と言われたらしい。
そして、祖母は亡くなったのだが、亡くなってからは随分と母を苦しめたようだ。
母の話だと、足元から布団に入ってきて、重くて重くて動けないと言う。
この時に住んでいた借家は②③でも書いた、大家さんが霊能者を呼んだ家であり、祖母の霊が布団に入ってくる話とは別に、私の布団の上にもよく上がって来る輩がいて、私がソイツをずり落とそうとすると、ズルズルっと布団からずり落ち、そうすると私の両手を、ちょうど手錠をかけるような形でガシッと掴むのである。
ちょっとだけ薄目を開けて見ると、毛むくじゃらの手で、目も見えたが、あとは暗くて見えなかった。
何か話が飛んでしまったから、今日はここまで(笑)
つづく