「西の魔女が死んだ」梨木香歩 著(新潮文庫)
出会いは小泉今日子さんの『書評集』。
失礼ながら、それまで梨木香歩さんのお名前も存じ上げなかった。
当時、エッセイというよりは随筆と呼ばれるものを書けるようになりたいな。朧げにそんなことを思っていた矢先だった。
その『書評集』のなかで小泉今日子さんが梨木香歩さんの随筆について書かれていた。
それがキッカケで梨木香歩さんの代表作を読もうと近所のTSUTAYAへ車を走らせたのだ。
「どうしても学校に行けなくなった女子中学生“まい”が“西の魔女”こと田舎のおばあちゃんのもとで過ごしたひと月の物語」
こんな風に言うと、ほっこり感満載なのだが、アタシは何ゆえこんなに号泣しているのか?
号泣しすぎて途中何度も休憩を余儀なくされスムーズに読み進めなくなった。
以前もこんなことがあったな。
そうだ、『ハリーポッター』シリーズを読んだときだ。
はからずも魔法つながり?
いえいえこちらはいわゆるハリーポッターのような魔法つかいの話ではないのだが。
西の魔女が語った、いちばん深く胸に刻まれた言葉がある。
以前「白か黒か」と「グレー」について考える機会があった。
「白か黒か」で断定することは思い込みで「グレーゾーン」答えを断定しないこと、断定できない状態こそが真実であるという目から鱗が落ちる考え方を提案されたのだ。
西の魔女と同じ考え方だ。
なんだかやっぱり“ほっこり”した。
※注:表題の『西の魔女が死んだ』は随筆ではなく小説である。