「にれこスケッチ」読んでクスクス笑って気分転換しませんか?
私には大好きな漫画家さんがたくさんいるのですが、そのうちのひとりに鴨居まさね先生がいます。最新作だと「にれこスケッチ」ですが、鴨居先生の作品の面白さって…どうやって伝えたらいいんでしょう。言語化するのが難しいんですけど、頑張って文章にしてみたいと思います!
「にれこスケッチ」は、ブラシ屋の娘松岡楡(にれこ)と、傘職人のかっこいい清田くん(本当はそんなにかっこよくないみたい)と、にれこの家族と元カレの松谷くんのお話です。
なんていったらいいのかなあ。女性だったらあるあるだと思うんですけど、クラスとか職場とかそんなに目立つ訳じゃないんだけど、話をするとついつい笑っちゃう面白い人っていません?本人そんなに面白い事言ってるつもりもないんだけどって。普通なんだけど、ちょっとだけ独特の感性の持ち主でそれがとっても実は魅力的でついつい話を聞きたくなっちゃう友達。
にれこがそういう人なんですよねえ。お母さんもおばあちゃんも清田くんもそうなんですけど、やっぱりにれこ。ちょっとズレてる(でも良い人)のにれこが、そのズレ加減が絶妙でおもしろいんですよねえ。
例えば、清田くんはもう20年越しの憧れの人です。
あ、ここからちょっとネタバレ入りますので、ネタバレ嫌いな方は注意してくださいね。
ある日の夜、にれこは懸賞の応募を出すのに日付がギリギリだから、寝間着のまま上着をひっかけて出しに行きます。その時バッタリ清田くんに会うんです。ここで、お茶して~って頼みます(これもすごいというか面白くないですか?)清田くんもしぶしぶお茶に付き合うんですけど、にれこがお店の暖房が暑いのに上着を脱がない。清田くんが上脱げば?と言うと、「のーん ぶらーじゃ…」って言うんです。面白くないですか?にれこ。
この後の清田くんのリアクションも面白いんでそれは漫画を読んでほしいなあ…と思います。
それから、にれこは清田くんの傘工房でバイトをしながら家のブラシ屋を継ぐようになります。鴨居先生の漫画ってお仕事を丁寧に描くのも面白いところで、今回は傘とブラシの作る工程とか、そのお仕事でしか使わない道具とかモノの名前とか出てきます。こういうのも私楽しいんですよねえ。
傘のタコとか(傘の先端のとこにおしゃれに付いてるシュシュみたいなの)、ブラシを作る時に穴を開ける工程とか(ちょっと注意しないと怖い)モノが出来る工程を見せてもらうの好きなのでワクワクします。なかなか見られないですもんねえ。そんな名前ついてるんだ!って驚きもありますし。
にれこはおばあちゃんとお母さんにブラシの作り方をイチから教わっているわけですが、まだまだぜんぜんひよっこです。
そんな時、にれこがおばあちゃんとトンカツを買いに行くんですね。お皿にトンカツ載ってるのをにれこが持ってるんですが、おばあちゃんからちょっとショックな事を言われてトンカツを落としそうになるんです。それを慌てておばあちゃんが途中でキャッチしようとしてぎっくり腰になっちゃいます。その時に言うお母さんの言葉が「バカ!補欠が主力選手にケガさせてどうすんのよ」です。
…伝わるでしょうか?現実の生活の中であるあるだけど、鴨居先生が描くと途端にクスクス笑っちゃうんですよね。すごく人を感じるんです。
本人真面目で真剣に生きてるんだけど、鴨居先生の絵がほんわかしてて可愛いのと、あと会話のテンポがすごく良いんだと思うんです。飄々としててクスクスゲラゲラって笑っちゃうんです。ホントお勧め。にれこは割とぷんすか怒っちゃうんですけど、ちゃんと人の気持ちも思いやれる優しい人で、あの時は事情がわからなくてごめん…っていうような素直さがありますし。読んでいてホント楽しいです。私のお気に入りはお母さんです!あとネコのブラ子も存在感あります!
あこがれのかっこいい清田くん(既婚)とお母さん、元カレとブラ子(ネコ)の関係性もいかに?っていうのもちょっと面白いんですよ。あ、にれこの恋路もどうなりますやら…??
鴨居先生の作品、ドラマや映画、お芝居にしたら、この会話のテンポのおもしろさが引き立つと思うんですよねえ…ドラマ化になってほしいなあ…と毎回思うんです。
あんまり上手に説明出来なくて歯がゆいですが、ぜひ、あーなんかちょっと疲れちゃったなあなんて思った夜に、「にれこスケッチ」読んでクスクス笑ってほしいなーと思って今日はお勧めしました!