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【読書感想】アウシュビッツ強制収容所を精神医学でみる。『夜と霧』
どうも。むぎちゃです。
アウシュビッツ強制収容所から生還した精神科医による、収容所の様子を精神医学的に観察された『夜と霧 新版』という本を紹介させていただきたい。
これは傑作だ。
読み終わった後、まず思ったのがこの言葉だ。
面白い本とは噂には聞いてたが
小学生の頃、アンネの日記をはじめとするユダヤ人大量虐殺について情報を集めすぎたが故に受け止めきれず、少しこの類の話は嫌厭してきた。
せっかく読むならば、ちゃんと向き合わねばとCBT前2ヶ月間あたためて、CBTの帰り道に読み始め一気に読み切った。
この本の何が素晴らしいって
単なる収容者が可哀想って話じゃないのだ。
我々は
収容者が善人で、看守たちが悪人であるかのように思ってしまいやすい。
もちろん収容者が受けた苦痛は決して曲げられない事実であることに変わりはないが、
収容者であることと善人であることは別物なのだ。
収容者の中にも悪人はいるし、優しい人ほど生き残ることは難しい。その様子がこの本にはまざまざと記されている。
異常な場所では異常であることが正常である。
筆者は強運の持ち主で、生還することができた。その様子はまるで漫画の主人公のようである。
しかし、ある種、それほどの奇跡を起こし続けなければ、生き残れないというのが現実だったのかもしれない。