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在るがままと承認欲求と【グリーフケア編】

怒涛の学びの濃い1日〜2024年8月27日の記録〜


「グリーフケア」セミナーの受講

まごめ先生の発信によりこの概念を認知。

「泣いた」という言葉に興味を引かれ、【かいちほ】さんという主催者の方の投稿を見て「グリーフケアとは」何かをアバウトな概要を掴み、もっと詳しく学びたいと受講を決意。

かいちほさんの取り組みや、グリーフの概念と向き合い方、ケアのプロセス、ケアする側の姿勢を知り、セミナーの最後には受講者みんなで感想をシェア。


かいちほさんの活動

かいちほさんは、東日本大震災の支援、親友の死、自死遺族の会のサポート、外出支援(病気の方の生活に彩りを添えたいとの想い)…etc
生死を身近に感じ、触れて来られた。


グリーフケアとは

グリーフ(悲嘆・深い苦悩)をケア(他者や自分を傷つけず、理解しようと努めること/共感し寄り添い傾聴する)

ラベンダーの開花 北海道

様々なグリーフ

グリーフは、誰もが異なる形であり、表出方法も様々。

グリーフを抱くきっかけとなるもの↓

・人
・所有物(そこに詰まった想い出、家族・安心の象徴)
・役割(昇進、退職=アイデンティティ・目的意識の変化または欠乏)
・キャリア停滞(自尊心の歪み、自己価値への疑い)
…etc  多岐に渡る。


また、社会的に認識されない喪失もある↓
・恋愛、LGBTQ(社会的に公認されない関係)
精神疾患
・自死
…etc


そして印象的だったフレーズがある。

さよならのない別れ
別れのないさよなら

 〈さよならのない別れ〉…人との疎遠、認知症
 〈別れのないさよなら〉…突然の旅立ち、行方不明

資料より

そして、Spiritual Pain… 人生の意味、存在価値、価値観の変化による迷子状態。無価値感、欠乏感。



死のタブー化

昔は 家庭で、天国に旅立つ家族を親戚一同会して看取っていたが、現代は病院で息を引き取る事が当たり前な時代になった。

〝死の医療化〟とかいちほさんは表現してらした。

人の死が、医者や医療に管理される

講座資料より抜粋

それにより、親戚や地域との密な繋がりも薄れ始め、また日常の一部であった〝死〟としっかり向き合い、語らい、そこに付随する感情の表現も十分に出来なくなっている。

死生観の希薄化・空洞化
悲しみの表現の抑圧


講座受講時のわたしのグリーフ

 わたしは、身近な人やペットの死は、辛く暫くは引きずるが、次第に温かな思い出と哀愁の念に変え、乗り越えられてきた。

きっと、交通事故や他殺などではなく、老衰、病気による、準備段階のある死だったからだとは思うが、それに加え わたしが死について考え心の準備もできていたからだと感じる。

病床に頻繁に会いに行き、話したり(ほぼ一方的)、本の読み聞かせをしたり(こちらも、眠っている時が殆ど)、手を繋いだり(握り返す力は相手にない)、千羽鶴ならぬ二千羽鶴鶴を届けたり‥


葬儀の際にもまた千羽鶴をこしらえ、参拝者と一緒に棺に数羽ずつ丁寧に、一掴みごとに心を込めながら添え、天国で読めるようにと

感謝と思い出と、わたしを見守ってくださいとの願いと、安らかな眠りにつき、再び天国で走り回れるようにとの心を綴った長文の手紙を棺に入れた。


葬儀社の方や親戚は、

「これほど温かな葬儀は初めてだ」

と仰っしゃるほど、そこには安らかな空気があった。だからこそ、人の死は乗り越えられたのだろうと思う。

映画「おくりびと」のように、死者を大切に扱うことで、私自身、またそこに居て同じ雰囲気を味わった方々のグリーフケアにも役立ったのだと、そう想う。




しかし、私の身体に起きた喪失・グリーフはまだ100%消化しきれていない。

長年に及ぶわたしの精神疾患により、失った大切な人との関係や、母の心。

そして病気前のような健康な体(現時点では回復しつつあるので完治まで近い)。


精神病棟で受けた心の傷。人間の尊厳を踏みにじるような医療スタッフ側の行為。

そしてある一定期間の記憶。そんなに長くなく、数カ月間の話だが
こちらはまだ戻らない。


私にとってのグリーフケアとは

かいちほさんの講座の中で、割と序盤に

「あなたにとってのケアとは?」

との問いかけがあり、受講者が一人ひとり答えていく場面があった。

わたしはその際、
「自分の心理的欲求を五感を使い、好きなことをして満たしてあげることで自分に対する身体や心を丁寧に扱うこと」
「そして身近な人、大切な人が幸せであること」
「自分や他者を受容したり想う心を捧げること」
とした。

…女性性バリバリやん。



どうやら、京都府警でもグリーフケアを取り入れる動きが出ているとのこと。ここは少し詳しく聞きたかったが講座の時間が延びてしまったので後で自分で調べた。

一般社団法人日本DMORT(ディモート ⋮ 災害死亡者家族支援チーム)と共に、ロールプレイングをし、グリーフケア訓練を積む様子がコロナ禍の時から既に本部のFacebookに流れている。

また、医療現場では  Death Conference というチームで感情の共有をする場が設けられている。

以下、埼玉県の神経難病専門の入居施設MCホームページに記載された「Death Conference」についての記事。目的がしっかりと言語化されており、非常に参考になった。


①最期を振り返り、その人生の歩みを尊重することで、医療従事者としての使命感と感謝の気持ちを持つ。出会いと別れを通じて、医療従事者としてのあり方を見つめ直し、自分自身の成長につなげる


②スタッフ全員が互いの思いを分かち合い、支え合うことで、心の整理がつき、前に進む力となる


③異なる視点から意見を述べ合うことで、より客観的な評価が可能となり、今後のケアの質向上に役立てることができる

記事より抜粋

グリーフワーク 


神戸布引ハーブ園の薔薇女王様

人が悲しみを受け止め新しい生活に適応していくための
【悲嘆プロセス(喪の作業by 心理学者フロイト)】

  1. 喪失を認める ⋯ 語る、葬式

  2. 感じる ⋯痛みや悲嘆の表現、泣き叫ぶも良し

  3. 失った世界に慣れる ⋯今あるものに目を向ける

  4. 失った人との関係の再配置


悲しみや自分の中の情動を抑制することなく、語り、感情を流れるままに味わい尽くし、解放する。


ひとしきり自分の中に溜まった想いを吐き出せたら、次のステップ進む。

🍀ここは、ゆっくりと、自分だけのペースで。

〝今、在るもの〟に目を向ける。

〜そして、対象への執着を徐々に手放していく作業へ〜

物体は無くなった。肉体は消えた。

けれども、絆(魂)は在り続ける。わたしの心のなかに存在している人になる。

そうして、

悲嘆と受容のバランス

かいちほさんの言葉より

を取っていく。


この過程にかかる時間は人により異なることを常に皆が念頭に置き、温かく見守ることが必要。
グリーフが未処理の状態が続くと、心身へ影響を与える(複雑性悲嘆)

新しい生活に慣れていくのは、忘れるのではなく、その人との関係の再構築を図っただけのこと。
それは、この世でまだ生きていく人間の大切な心のケアであることを覚えておきたいし、明るく前を向いて生きていくために、全ての人に知っておいてほしい。


「映画 リメンバー・ミー」の舞台・メキシコ🇲🇽には、【死者の日】という伝統的な日がある。

墓は、死者を思い出し敬意や感謝の気持ちの溢れる〝花咲く〟場所であること。この考え方が素敵。

メキシコのお墓はカラフル。
死者の魂が生きて楽しく遊んでいるようなイメージが湧く
死んでも尚、魂は生き続け、いつも共に在る
何度も思い出し互いを抱きしめている感覚であるに違いない



ケアをする側の姿勢

そしてケアする側は
        〝Just Being〟
 ただ隣りに居る、寄り添い、そこに存在する。


これは児童養護施設の子どもたちに対しても同じ姿勢でわたしはいつも居る。

裏切られたりと傷ついた過去があるから、なかなか人の移り変わりには敏感で、警戒心が人一倍強い子たちにとっての【生涯の併走者】であること。


I'm not above you, I'm not below you, right here with U


無条件の愛の上に成り立つ人間関係というものは、人を上から見下ろすでも無く、
へりくだりU're OK, but I'm Not OKな状態でもなく、
その人の伴走者となること。

常に対等でwin winな関係であることが大切。


蜜蜂の営み

グリーフケアは、人との向き合い方、コミュニケーションに広く活用できる考え方を的確に捉えていてとても共感できる。



グリーフケアを学び⋯今後活かせることなど

グリーフケアの概念は生きていく上でとても役立つので、周囲にシェアしていきたい。

幼少期から、家庭内暴力、精神的苦痛があったりと、愛というものの欠乏感(ある種のグリーフ)を抱いており、複雑性悲嘆のような状態から心身の不調に繋がった過去がある。

そういったことから、やはり、言語化することで感情の概念化を計り、人と対話し、自分の胸に籠もった情動を表出・解放することが如何に重要かということを改めて認識した。


自己ケア方法として、〝自分と向き合う〟時間を作ること。この、情報過多の時代、意識的にそれらから離れる時間を設けたりと、自分に合ったセルフコーピングテクニックを持っていたい。

そして、今のうちに自分は何を大切にしたいのか
ALP(Advance Life Planning)を明確にしておく。


北見道の駅のボンボンショコラ・ピンク


わたしは、人が健全に生きていくのに最も大切なのは【人の温かさに触れる】ことだと考える。

スピリチュアル・ペイン
周りからはなかなか認知されない心の空洞、葛藤、喪失感や、長い間グリーフを抑圧し表出できず未処理の状態が産み出す精神疾患…

人のグリーフは千差万別だからこそ、悲嘆と受容のバランスを取り生きていけるよう、グリーフケアプロセスの中で共感し、寄り添う「just being」 の姿勢で他者にも自分にも在り続けよう。


また、受講生の皆さんのシェアも聞けてよかった🌸


グリーフケアとは、乗り越えるものでも忘れるものでもなく、共に生きること

かいちほさん's Precious WORD


とても上質な学びだった。
こうして素晴らしい講座を、素敵な方の経験談と豊富な知識を、リアルタイムで聴ける機会を頂けていることがすごく得難く貴重だし、すごく幸せ。

ありがとう。

石北峠に咲く


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