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#今週の一曲一枚

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2019年6月から、InstagramとTwitterで始めた週一回の感想文。 シングルリリースの「一曲」やアルバム「一枚」、はたまたミュージックビデオまで。形式にこだわらず好き…
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2023年5月の記事一覧

#今週の一曲一枚 Yaka / Open, Awake, Smiling - EP

全体的には落ち着いたトーンの中に、スパイスのようにハッキリとしたビートが刻まれる。真ん中にテンポの速い曲が来るような構成になっているから、よりそんな印象が強くなる。 最後の Slow Reaction で、雷の音が差し込まれるのが面白い。雷って、不安を煽る要素として、音楽でも映画でもなんでも使われることが多い。これから何かが起こる、とかいうことを受け手に分かりやすく伝えるディスコースマーカーのようなものだ。でも、この曲の中で鳴っている雷は、心が落ち着く材料になる。雷という現

#今週の一曲一枚 Éclo / Éclo & Hibou

一曲目、"Prélude"で一気に引き込まれる。 全体的に、方々に散らばって掴みどころのない、でもはっきりとした音が素敵。歌い方も空気をいっぱい含む感じ。3曲目の"Après"は最もその感じが出ている。ばしゃーんと少し大袈裟なシンバルは、華やかというよりは印象だけ残してどこかに消えてしまう。 そういう金属的なばしゃーんという音は、ギターとの繋がりが連想しやすいけれど、ピアノとも親和性が高い。ピアノも金属を叩いて音を出しているからだろうか。"Abîme"でそのことについて考

#今週の一曲一枚 パソコン音楽クラブ / "Day After Day feat. Mei Takahashi(LAUSBUB)"

今日はいよいよ発売日が明後日に迫ったアルバムから。 え?明後日? いつもはちゃんと発売日を待って次の週に書いているけれど、まだ感想が新鮮なうちに先行公開の楽曲について書いておきたい。 この曲といい、ミュージックビデオといい、もうなんだか良すぎてぶっ飛んだ。 曲も映像も、気を衒ったという感じはしない。とても素直で、明快だ。この感じがまず好きだ。そういう意味の曲では無いと思うけど、確固とした意志を感じる。なんだか私も背筋が伸びた。 スピード感のあるビートに、軽やかな髙橋

#今週の一曲一枚 Homecomings / " New Neighbors "

全然奇抜じゃない。と言うか、その正反対である。 それなのに、彼らの音楽はなぜここまで輝きを放つのか。 いつも「ここが好き」「これがかっこいい」などと羅列した感想ばかり書いているが、それは思いつかない。 - 正直に言えば、“光の庭と魚の夢”で、それまでの3曲でかかっていたフィルターがとれたような音響や、“Us”のサビでメロディーのヴォーカルが、オクターブ違いでダブルになるところが好きだ。でも、それによって全体の印象が向上しているとはどうしても思えない。- 爽やかで軽やかなエ