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#今週の一曲一枚 パソコン音楽クラブ / "Day After Day feat. Mei Takahashi(LAUSBUB)"

今日はいよいよ発売日が明後日に迫ったアルバムから。

え?明後日?

いつもはちゃんと発売日を待って次の週に書いているけれど、まだ感想が新鮮なうちに先行公開の楽曲について書いておきたい。


この曲といい、ミュージックビデオといい、もうなんだか良すぎてぶっ飛んだ。

曲も映像も、気を衒ったという感じはしない。とても素直で、明快だ。この感じがまず好きだ。そういう意味の曲では無いと思うけど、確固とした意志を感じる。なんだか私も背筋が伸びた。

スピード感のあるビートに、軽やかな髙橋さんの歌声。テンポに合った、音合わせされた映像。

この音合わせだが、一箇所ぴったりでは無いところがある。中盤の間奏の、空と物撮りが交互に差し込まれるシーンでは、物撮りの方のテンポがだんだん遅くなっていく。これがなんとも不思議で、曲を聴いているだけでは感じられない奥行きだ。また、最初は無闇に遅くなっているように見えたがどうやらそうではない。一番最後で裏拍にあっている(ように見える)。

そして極めつきはミュージックビデオ、最後のクレジットだ。人を惑星に見立てたこのビデオにしか使えない、見たことがないグラフィックだと思った。一個目の方は、特に無重力感も感じてこのビデオのなかでもハイライトといえる。

ここまで映像についてばかり書いてしまった。ここからは曲の話。

もうこの曲には「ハマった」というのが正直な感想である。本当に飽きもせず繰り返し聴き続けている。DTMらしいスパスパとインテンポなビートに、ちょっとフェードイン気味のシンセサイザーの音、ちょっとだけ後からプッシュしたり、しゃくったりする歌声の組み合わせの妙といったらない。髙橋さんはテクノユニットの方だから、もちろん機械の音の特徴は十分に理解していて、ものすごい知識もあるのだと思う。そういった人が作る「人間の声」の魅力って、特別だと思う。リズムマシーン的な音と出会ったとき、少し溶け合って、でもそれぞれ異質なものであることも強調される。

汚い色は存在しない。これは私が美術予備校に通っていた時に学んだことであり、これは本当である。綺麗な色というのは、色と色との組み合わせのことだ。

かなり乱暴な結びつけ方だが、この二組の組み合わせには、この色合わせのことを想起させられた。この色合わせというのは(もちろん無数にではあるが)目的によって正解が存在する。この曲の、ありとあらゆる組み合わせ方、その配分は美しい。

一刻も早く他の曲が聴きたい。一体どんな仕上がりになっているのだろうか。


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