さいきん〝いもうと〟ができたぼくよりママへ
ずっとぼくのこと「大好きだよ」「可愛いね」って抱っこして遊んでくれたのに、急に「ごめんね。抱っこできないの」なんて言うんだ。
ママとぎゅーってくっつきたいのに「お腹がつぶれちゃうからね」って膝にもなかなかのれない。
まえはどこでも一緒にいたのにお留守番がふえた。
「ばーばが代わりに抱っこするよー」なんて言うけどぼくはママがいいんだ!
病院に行くっていうならぼくだっていく!
おいていくならベビーカーで追いかけるよ!
ほらっ!ばーば!あの車を追いかけて!
急に現れたアイツ。
ずっと泣くんだ。
泣くとママもばーばも必死であやす。
ぼくが呼んだって「ちょっと待ってね」って。
ママはずっとアイツを抱っこしてる。
ぼくの場所だったのに、アイツがずっといる。
ぼくじゃないのにママは嬉しそうにしてるんだ。
「可愛いね」なんて言っちゃって。
たしかに可愛いと思うよ。
ぼくよりちっちゃい赤ちゃん。
フニャフニャ、ニコニコしてさ、
ぼくも好きだよ。
おともだちとはバイバイしなきゃいけないけど、赤ちゃんとはずっと一緒にいられるし。
ぼくの〝いもうと〟なんだって。
〝いもうと〟ってなんなんだろう?
パパも赤ちゃんにニコニコしてる。
パパの高い高いはぼくだけのものだったのに、気づいたら赤ちゃんにもしてる。
ぼくのオモチャはどんどん〝みんなのオモチャ〟っていわれる。
大事で大好きなのにアイツが勝手にさわるんだ!
一生懸命あそんでるのにこわすんだ!
ぼくだけのときはママはいつもニコニコしてた。
そりゃ怖い顔のときもあったけどすごく少なかったし、怖い顔になってもすぐニコニコに戻ってた。
今は怖い顔のときがふえた。
とくにアイツが泣いたとき。
アイツがぼくのそばで泣くとママが飛んでくるんだ。
そして怖い顔で「だめよ!やめなさい!」っていう。
ぼくなにもしてないのに。
そして「ごめんなさいは?」っていってくる。
なんでごめんなさいしなきゃいけないの?
いつもはドアをしめたらほめてくれるでしよ?
ぼくなにも悪くないでしょ?
ぼくずっと我慢してるでしょ?
ずっと待ってるでしょ?
いやだ!いやだよ!!
ぼくだけのママはいつ帰ってくるの?
いつになったら好きな散歩コースに行けるの?
いつになったらママと思いっきり遊べるの?
ママいっぱい笑ってよ。
怖い顔なんてしないで!
この前すごいねっていってくれた「いえいえこちらこしょ」「ごらんのシュポンシャーのていきょうでおーくりしました!」っていったらまた笑ってくれる?
ママ抱っこしてよ。
ぼく寂しいよ。
ママ、ママと遊びたいよ。
ママ、だいすきだよ。
ママとぎゆーってして笑っていっぱい遊びたいの。
ぼくとのお話しのときに洗い物なんてしないでよ。
ママだって他ごとしながらお話し聞かれたらいやでしょ?
ぼくの話しをしっかりきいて!
ぼく我慢がまだ上手じゃないの。
ちょっとだけでいいの。
ちょっとだけで納得できるときもあるから。
だから少しやらせて!
ぼくにも理由があるの。
赤ちゃんを泣かせたくてやってるんじゃないの。
そんなすぐ怒らないで。
どうしてそうなったのか理由を聞いて!
本当はねわかってるんだ。
ママが大変なのも、
〝いもうと〟を大切にしなきゃいけないのも。
でもねすぐ〝おにいちゃん〟になんてなれないの。
だからね、ぼくの気持ちもわかってほしいの。
前みたいにずっと抱っこしなくてもいいよ。
でもぼくが抱っこしてほしいときは、ちょっとでもいいからぎゅーってして。
ママが忙しいのもしってるよ。
だから、いっぱい遊んでくれなくてもいいよ。
そのかわり一緒にやろ?
ぼくだってやれることはいっぱいふえたんだよ。
ママがぼくのこと大好きだって知ってる。
でもたまに不安になっちゃうときもあるんだ。
だからそういうときは、いっぱいほめて「すごいね!」ってして。
ぼくのことだーいすき!って安心させてね。
ぼくもいつだってママのことが大好きだから。
少しはぼくの気持ち伝わったかな?
これからもよろしくね。
大好きなママ!
さいきん〝いもうと〟ができたぼくより