初恋の調べ、誇り高きアレキサンダーが紡ぐ純粋な感動
ブランデーは少しハードルが高い。
ストレートで楽しまれるお客様の印象はあまり持っていない。
仲睦まじい若いカップルが、メニューを見ながら迷ってる。
ちょっと挑戦してみたい。そんな期待と緊張を感じた時は、
私なりの精一杯の笑顔で近づき、
「何かお探しですか？」と尋ねてみる。
「はい！何か新しいカクテルを試してみたいんです。オススメはありますか？」
そんなご相談を頂いたとき、せっかくだから、
居酒屋では、注文できないお酒を、楽しんでいただきたいと、
ご存知の方も多いと思うが、
「アレキサンダー」カクテルを、おすすめしたことがある。
高貴な名前と、カクテルらしい堂々とした姿。
ブランデーベース。カカオと生クリーム。
チョコレートのような味（多分・・・もう随分、ごぶさたしている）。
強いお酒の割には、飲みやすい。
おすすめするときは、
「甘いカクテルでして、生クリームが入りますが大丈夫ですか？？」って、
必ず確認している。
柑橘系の甘さを求める方は「ちょっと・・・」となる。
私は、甘党で、甘さの意味をしっかりとお伺いしないで、
うっかりすすめてしまし、失敗してしまったことがある。
ブランデーベースのカクテルは、
どちらかというと値段が多少高いことが多いので、
そうなってしまうと、とても心が痛い。
だから、私なりにではあるが、注意してきたつもりである。
たまに御代わりをされる方がいらっしゃったが、
アレキサンダーは、ちょっと心配になる。
一杯が適量のように思う。
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さて、、、
最初の一口を含んだ瞬間、二人は、少し驚かれたような表情をされた印象がある。
ブランデーベースでありながら、クリーミー。アレキサンダーの豊かな風味と、口当たりの良さに、感動してくださったのではないかと、ホッとした記憶がある。
お酒は、思いやりと飲み方で、距離を近づける。
「美味しいです」って、笑顔で言っていただいたり、
さらに会話が弾む姿をみると「おすすめして良かった」って思う。
アレキサンダーは「初恋の思い出」というカクテル言葉を持っている。
もし二人が、それからも、特別な日や特別な瞬間に、アレキサンダーを思い出してくれたら嬉しい。