痛みの種類
痛みは、その機序や性質により、
【神経障害性疼痛】
【侵害受容性疼痛】
【心因性疼痛】
の3種類に分類されます。
【神経障害性疼痛】とは
神経の損傷、あるいはそれに従う機能異常によって起こる痛みであり、様々な知覚異常を伴う痛みを指します。
悪性腫瘍・感染症・骨折など、明らかな外傷
神経の素行にほぼ一致する
皮膚知覚帯(デルマトームdermatome)皮膚文節にほぼ一致する
(例)帯状疱疹
神経因性疼痛は、世界疼痛学会の定義で神経の障害、機能不全、一時的な神経の混乱により発症する疼痛。例えば糖尿病、帯状疱疹、がんの化学療法などがある。
神経障害性疼痛は、国際疼痛学会の定義では、体性感覚系(痛みを伝える神経)の損傷や疾患の直接的な結果として引き起こされる疼痛。
つまり、神経因性疼痛は神経障害性疼痛を含む。
【侵害受容性疼痛】とは
筋骨格系の痛み。
知覚神経の末端の刺激を受ける部分(侵害受容器)が刺激されて起こる痛みです。
血液の悪化から、組織内で酸欠が起こり、発痛物質(ブラジキニン、プロスタグランジン)が産出して、侵害受容器を刺激することで引き起こる痛み。
構造的な神経の圧迫が原因の痛みではなく、筋、筋膜の緊張が原因で、血流の悪化が起こり、発痛物質が産出して侵害受容器が刺激されたことで引き起こる、生理機能の異常によるものなのです。
言葉を変えますと、
循環障害(血流の悪化)が原因
細胞組織は変性(炎症等)を起こしていないので機能性疾患と言える。
一般的に多くの患者さんが悩まされている痛み(私たちの治療院に来る患者の痛みの80%)は
【侵害受容性疼痛】という痛み。
その根拠として次のようなことが挙げられます。
・レントゲンやMRIの画像所見と痛みは一致しない。
・誘因なく痛みが始まることが多い。
・痛みの場所が変わることが多い。
・保存的治療で改善する。
(SCSテクニックで痛みが消失する。)
ほとんどの筋骨格系の痛み(椎間板ヘルニア・脊椎管狭窄症・腰椎すべり症・腰椎分離症など)は
【侵害重要性疼痛】。
(周辺の筋の緊張が原因で、神経圧迫ではない)です。
治療では、その痛みが筋の緊張により血流の異常による痛みなのか、そうであれば細胞組織は傷ついていないので(機能性疾患)、筋の異常収縮が改善して、血流が正常になれば痛みは消失する。
また、炎症が原因の痛みなら(器質性疾患)、変性を起こした組織が回復するまでに時間がかかることを説明すると患者さまも安心します。
筋が意思に反してか、収縮を起こす原因
①錘内筋繊維が興奮したままで、信号を出し続けている
②交感神経の興奮が筋の過収縮を引き起こす
加えて、末梢血管を収縮させ、血液障害を引き起こします。
そうした状況が重なり、肩こりのような症状が発生してくるものと考えられます。
また通常、腰部で炎症などが起こると、その痛みは脳へと伝わり、側坐核はこの痛みを制御する働きがあります。
つまり、側坐核が正常に機能することで人間は必要以上に痛みを感じない仕組みをもっています。
しかし、
脳の血流が減少する事
で、側坐核の機能(脳の働き)が低下すると、本来抑えられるはずの痛みが抑えられなくなります。
正常の人では感じない痛みを、長期間、常時感じてしまうのです。
線維筋痛症の原因の一つ
と考えられます。
↓
【頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)】が有効
です。
【心因性疼痛】とは
WHOによる国際疾病分類では、身体的表現性障害に分類されており、米国精神医学会では疼痛障害と言う項目に抱合されています。
概念的には
①器質的な病変がなく、痛みの原因のすべてを心理的な要因が占める場合。
②痛みを生じる原因として、器質的、身体的病変が存在するものの、痛みの訴えの説明には不十分な場合、と捉えられています。
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