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大切な本77「性暴力の加害者となった君よ、すぐに許されると思うなかれ」
ずっと向き合っていくテーマ
また、すごい本を読んでしまった。
この本を読んだ直後、大阪地検元トップによる性暴力の被害者である現役女性検事の会見を動画をみた。
あまりにもひどすぎる性被害の事実…またその後の加害者の言動や検察という閉鎖的な機関の内情も知りただただ唖然とする。被害者を誹謗中傷した女性副検事も名誉棄損で刑事告発したとのこと。これこそまさに二次被害の何ものでもない。
どれだけの苦しみを味わってきたのだろう、そしてそれは今もなお。
できることなら他人になんて言いたくないであろう被害の詳細を包み隠さず公表され、幾重ものハードルを越え起訴に至り、今もなお毅然と立ち向かっている、それだけでもう敬意に値する。PTSDの症状や心無い人たちからの声に苦しまれることもあるだろうけれど、無理しないでほしいけれど、心でそっと応援しています。
よくいじめは直接的な加害者だけでなく、まわりでみているだけの傍観者も同罪だというけれど、傍観どころかさらに被害者を貶めようとする人たちが本当に許せない。
権威のある人や上司に迎合したり、自分の立場を守るために他人を軽んじたりすることは、私の生き方に一番反すること。とはいえ自分も強い人間じゃないから、それってどうなの!?と思うような発言をする人が上司だったりしたら、反発するのは難しいこともある。反論はできなくても、せめて迎合だけはしたくないし、どんな人に対しても真摯に向き合うこと・傷つけることはしないと改めて心に誓う。
にのみやさをりさんは、誰にでもできることではない、加害者と向き合う活動を長く続けられている。この本を読むと、あまりにも認知が歪みまくった加害者の言い分に絶望してしまう。にのみやさんは丁寧に、ことばを重ねて、対話を続けていく。もうこれ以上、同じ哀しみが生まれないように。
今春、母がずっと預かっていた加害者からの謝罪の手紙をやっと読むことができた。ようやく相手が加害の事実を認めたことが明らかになり、どこかほっとした気持ちもある。いつかお互いが生きているうちに対峙することがあるのかわからないし、そうしたいのか自分の本心もわからないけれど、加害者との対話…今後考えたいテーマでもある。
性暴力被害者、被害者支援/加害者の治療や更生にかかわる専門職、そして加害者、彼らのいる社会。当事者でなくても、人権にかかわるこのテーマに向き合う必要があると思う。
ジャーナリストの浜田敬子さんが、続報がなかなか出てこない中、絶対に目をそむけてはいけないことだから、今後も取材を続けると仰られていた。メディアが社会に対してきちんと発信してくれることを今後も期待しています。
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