白髪を見ると思い出す話
最近、白髪が徐々に目立つようになってきた。遠目にはわからないが、近づけば髪を搔きわけるまでもなく一本はすぐに見つかる。するとよく思い出すのが、ベトナムの統一鉄道に乗って古都フエからヴィンという地方都市に向けて北上しているときのことだ。
二人がけの席の隣に座っていた19歳の若者が私に話しかけてくれて、お互いに下手くそな英語で会話をしたり、車内販売の飯を食ったり、簡単なベトナム語を教わったりした。のちに英語の通じないホテルに難なく泊まれたのは彼のおかげであり、その際にとっておき