
これから皆さんは、どこへでも行けます。
こんにちは。大島武宙(おおしま・たけおき)です。
『万葉集』などの上代文学、近現代短歌が専門です。寺井龍哉(てらい・たつや)というペンネームで、短歌を作ったり評論を書いたりもしています。
このたびは、武蔵野大学へようこそ!
本当に、よく来てくれました。日本文学文化学科は、日本の文化と文学を学ぶには絶好の場所です。はじめての大学生活に、とても大きな不安も感じていると思いますが、大丈夫です。先生方や友人たちと一緒に考えてゆけば、たいていの問題は解決できます。
大学は、自由な場所です。何を読むか、何を書くか、どこへ行くか、何を見るか、そして、何を考えるか。すべて自由です。授業で教わる知識は、皆さんが自由に踏み出すための、ひとつのきっかけに過ぎません。大切なのは、自分の行動と思考です。これから皆さんは、どこへでも行けます。
大学の授業は4月から。今のうちに、ぜひ大いに遊んでください。でも、1日に20分でも10分でもいいので、毎日かならず、本を読んだり文章を書いたり、自分のためだけに読み書きをする時間を作ってください。中学や高校で、受験勉強で学んだことを、少しずつふりかえっておいてください。
そしてぜひ、図書館や書店で、「ちょっと自分には難しそうだな」と思う本に手をのばし、じっくり読んでみてください。はじめのうちは難しく感じられても、何度もくり返して読むうちに、ぱっと視界が開ける瞬間が、きっとやって来ます。その喜びを感じてほしい、大学の四年間で、何度もそれを味わってほしい、と思っています。
授業が始まるまでに読んでおいてほしい本として、茨木のり子『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書)、大谷雅夫『万葉集に出会う』(岩波新書)、丸山圭三郎『言葉とは何か』(ちくま学芸文庫)をおすすめします。ぜひ一緒に、言葉を読んだり書いたりして楽しみましょう。