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「嘘解き」も「ゼンケツ」も見ていたドラマ全部終わっちゃってさみしいです!
とりあえず2024年見ていた秋ドラマの好きサントラと主題歌挿入歌を集めたプレイリストを作成し、浸っております。
どうしても喋りたい。
熱量のあるうちに!
嘘解きレトリック
ドラマのサントラの中にFairytale of loveという曲があります。
ほっこり暖かい日に、神社お掃除スタイルの鹿乃子ちゃんと左右馬先生が「お腹すいたねえ」と言いながらのんびり歩いている姿が目に浮かぶようでこの曲が好きです。
基本的に悪い人がいなくて、ずっとほっこり可愛い作品でした。
男女のドロドロ愛憎劇や、人間のきたねぇ裏切り、血みどろハードな事件ものなどて疲弊した現代人の心をほっと温めてくれるドラマ。
鈴鹿央士さんの声、はちみつホットミルクみたい。優しく柔らかく、あたたかい。
優しい声の左右馬先生をありがとうございます。
鹿乃子くんと左右馬先生はほんとによく食べていましたね。
食への執着!生きる力を感じます。
そしてギスギスすることもなく、貧乏を軽やかにやり過ごす2人。それにはもちろん、ツケをきかせてくれる大家さんや、ツケで食べさせてくれるお隣さんがいるからということなのかもしれませんが、貧乏暮らしを2人でのらりくらり穏やかに愉快に過ごしている時点で、一生一緒にいてくれ屋さんになってしまいます。
お幸せに…✨
最終回では鹿乃子くんの好きなさといもを「食べなよ」ってくれる左右馬先生が印象的でした。
相手の好きな食べ物を覚えてくれていて、それをさらにくれるの、もう「大切」じゃないですか。
アジア圏はよく食べ物をあげることで大切に思う気持ちを表している気がします。
韓国ドラマとかでもなにかあればすぐごはん食べている気がするし、中国もおはようとかの変わりにごはんたべた?と聞くこともあるらしいし、そういえば「海に眠るダイヤモンド」でも逃亡生活の鉄平におにぎり食べなさい、とおにぎりを渡してくれる母の姿がありましたね……。
食べ物、可視化できる愛の一種なのかも。
鹿乃子ちゃんの能力に向き合って受け入れてくれる左右馬先生がほんとに賢くて男前で…。
嘘が聞こえる能力なのでファンタジックですが、もしあれが病気や精神的なやまいだったらどうだろうとか思ってしまう。
自分じゃどうしようもないことを、つぶさに観察して、どういうものか整理分類して、理解しようとしてくれて、向き合ってくれる人がいるってどれだけ嬉しいだろうと思わずにいられないです。
ずっと可愛いドラマでしたが、唯一幽霊屋敷の回だけガチめヒトコワホラーで異彩を放っていましたね。好きでした。江戸川乱歩みたい。
あれ、原作では犯人の女の動機が描かれていないんですよ。
ドラマで明確な動機を付与された結果、より不気味なお話しになって怖くてよかったです。
特番とかで帰ってきてくれたら嬉しいな。
モンスター
わかりやすくジェシーさん目当てで見始めたのに、気付けば月曜日の癒しドラマ枠となっていました。
つまり月曜日は「嘘解き」→「モンスター」と2時間の癒しコースだったわけです。
きゅるきゅるつやつやねこちゃん神波先生と、振り回され純朴わんこの杉浦先生のコンビのなんて可愛いことでしょうか。
わんこ、いつも鼻先にねこぱんちされてしおしおになってましたね。キャワ〜!
神波先生のキャラが個人的にほんとにかわいくてたまらなかったですね……ミステリアスなねこちゃんレディすぎて。
予測不能、言うことなんて聞きゃしないし、面白そうなものを見つけると目がらんらん光ります。
くるくる動く聡い猫の瞳はなにを見ているのか、凡人のわたしにはわからないし、たぶん杉浦先生にもわかってない……。
中の人ネタも多くて面白かったです。
趣里さんであるということをフル活用した小ネタの数々。
でも、1番衝撃だったのは小ネタじゃなくてあまりにも杉下右京すぎる一喝シーンでしたね……笑
最後まで神波亮子は神波亮子であるということ意外わからなくって魅力的なキャラでした。
そして杉浦。
東大卒という唯一のプライドをけちょんけちょんにされし不憫可愛い杉浦義弘こそ我らがジェシーさん。
わたしは新見大河(新空港占拠)や星野明(追憶の洋館)みたいなキャラしか刺さらんとばかり思っていたのに、なんかもう「おまえジェシーさんならなんでもいいの??」という節操のなさを見せるほどに杉浦にめろめろでした。
育ちが良さそうでおっとりしていて可愛い。
きっと村尾夫妻もそんな気持ちのはず。
カスの嘘を教え込んで混乱させたい。
きっと神波親子もそんな気持ちのはず。
最終回でちょいちょい粒来先生にもいじられていて可愛いかったです。
杉浦…寝て終わるだけの休日もある杉浦……。
杉浦…仕事帰りには町中華に行くこともある杉浦……。
杉浦義弘の余白を楽しんでいます。
まだしがんでる。
全領域異常解決室
今期わたしが見ていたドラマの中では直木賞と言ったところです。
ほんとの意味での「神」ドラマ。
オカルト好きもミステリ好きも楽しめて、エンタメ作品的にとっても面白かったです!
ほんとにグラデーションのように色を変えるドラマでしたね。
誰かが言ってたけど、ほんとTRICK見てたかと思ったらいつの間にかSPEC状態。
オカルト現象に科学的な説明をつけて解決していくスタイルの皮を被った、神様ファンタジーバトル。
5話で芹田さんに本当になにかしら能力のあるような描写が差し込まれてから、え?まさか??と思っていたら予告で突然の「僕も神です」。
な、なんですって!?
藤原竜也、新世界の神にはなり損なったけど、古来の神様になってる…!
しかもこの興玉さんの正体もなかなかにわからないじゃないですか。
興玉神石の神格化、かと思いきや、アメノイワトノワケノカミという神様全員の命運を握るような大変重要な神様だと判明します。
さらに最終回予告の「僕がヒルコです」で翻弄されてしまい、ほんとに最終回までの1週間ずっと「どういうことだってばよ…」となっていました。
中学二年生で見ていたら間違いなく大変なことになっていましたね。
京都支部(これ、京都支部の他に伊勢と出雲にも全領域異常解決室があるというのも厨二心をくすぐります!)日野さんの炎エフェクトかっこよすぎて40手前にして沸きました。
ああいうのはいくつになってもかっこいいです。
今まであんまりなかったじゃないですか?
日本古来の神様が題材って。
また古事記や日本書紀に触れてみようかなと思える作品。
ところで、八尾比丘尼の回では、「嘘解き」のセットをお借りしていたという裏話があります。
無能の鷹
ゆるゆる脱力お仕事ドラマ……言うほどお仕事してないな…いえ、なんにもしていないな……無能だから…………。
実に4年前、これを実写化するなら絶対に菜々緒!と言っていたかんそう様は先見の明がありすぎる。
本当に菜々緒で実現してしまい、わたしはザワついておりました。
ラップ商談回が好きでした。
なんかみんな妙にラップうまくて……笑
朱雀課長老害回では、なぜだかわたしも感動し、泣きそうになりましたが、鶸田くんのナレーションどおり、別に当たり前のことなので一瞬とはいえ泣きそうなほど感動したわたしはあまりにも疲れすぎ。
あと、単純に夜の遅い時間に見ているので涙腺がちょっとゆるくなっている可能性は全然ありますね。
早く寝よう!
なんにもできないのに異常に堂々としていることでシゴデキに見えるなら、わたしが目指すべきところは鷹野さんなのかもしれません。
形から入れ!!
とりあえずハイヒールに慣れなければ……。
海に眠るダイヤモンド
大号泣不可避ドラマ。
「全領域異常解決室」が直木賞ならこちらのドラマは芥川賞です。
ちょっと……言いたいことがありすぎる。
野木さんって、ドラマ的な都合の良い部分と「でも現実ってそううまくいかないよね」部分と「だからこそこうあってほしいよね」という祈り部分がいつもいい塩梅な気がします。
精巧なCGは実写との境目がわからないのと同じで、野木さんの脚本ってどこか現実と地続きの感じ。
もし、野木さん以外があの作品を書いたとして、多分、鉄平のギヤマンはなんらかの流れでいづみさんの手に渡るのだろうし、玲央の出生も明かされるだろうし、もっとドラマ的ご都合展開になったのじゃないかなあ……。
端島の歴史はもちろん、長崎を語る上で避けては通れない原爆、そして戦争まで丁寧に描いてくださって……本当にどうしたらあんな脚本書けるのだろう。
わたしは祖父母が広島の人間なので、ちょっとその手の話題を拾いがちなのですが、例え火傷もなく命が助かったとて、被爆した人に一生付きまとう不安を描いた真摯さに胸打たれましたし、きっと「アンナチュラル」「MIU404」「ラストマイル」が好きな方は見たドラマでしょうから、少しだけ考えたり、覚えておくきっかけになればと思わずにいられないです。
土屋太鳳さんも日本被団協がノーベル平和賞を授与された時に仰ってましたが、「気付くこと」ってたぶん大事なんですよ。小さくても。
やべ、真面目な話をしてしまいました。
鉄平!!
鉄平、幸福の王子様みたいでしたね……自分のことより人のこと。
巻き込まれただけなのに人生が孤独で壮絶すぎます。なのに誰も恨まず腐らず、本当に美しい人間だな……あなたの心根がダイヤモンドだよ。
しかもこの「巻き込み」も誰が悪いとか、じゃあどうすればよかったとか答えないんですよね。
進平さんもリナさんも、きっとその時はそれが最善だと思ってやってきたはずなんですよね……。
この「誰と出会うか出会わないか」の話はMIU404でも描かれていました。
それが正解かどうかなんて、その時が来るまでわからない……毎日選択の連続で、そんな怖いものの矢面に立ち続けることが生きることなのだなあなんて思いました。
あの野母崎の家で、コスモスのお庭、海と、遠くに見える端島(といい感じで流れるKing Gnuの主題歌)の絵面を見て泣かない人間おるんか…!?
わたしは「ウワーーー!!」って言いながら大号泣、隣で見ていた母も大号泣。
その後の、あの夜伝えられるはずだったプロポーズの幻。
無理ですってもう……涙腺のライフがゼロ。
そしてタイトル回収ですよ。
そのままに、海中炭鉱の石炭という意味でもあるだろうし、朽ちてく孤島に取り残された、鉄平が朝子ちゃんのために作ったギヤマンの意味でもあるし、閉山した端島そのものの意味にも取れます。
そして、あの活気あふれる端島、そこで生きた記憶の全て、とも。
あ、そういえば石炭とダイヤモンドって元素?は同じなのですよね。
なんだか玲央と鉄平が神木隆之介さんの一人二役、というのも意味深に思えてきてしまいます。
結果、別に鉄平に似ていないというのはリアルでしたね……記憶って曖昧。
玲央、端島に縁もゆかりもなく、鉄平に似ているわけでもなく出自も明かされず、本当に玲央は玲央でしかなかった……けど、彼の人生にはもう鉄平が強く関わり影響していて、彼の人生を変えてしまったのですよ。
鉄平の日記、わたしがなりたいものの一端を見ましたね。
ずっと眠っていた日記。
それが時を経て、ひとりの無気力で鬱屈とした若者の人生を変えてしまうんですよ。
文字だけで。
わたしあれになりたい……。
いつか誰かの人生に深々食い込む文章を書きたいものです。
70年に及ぶ人間の物語。
そして、これからも続いていく人間の物語。
生きている限り希望はあります。
それはそれとして賢将良い男すぎません?
百合子へのプロポーズといい、「困り事もはんぶんこ。夫婦ってそういうものだろ?」といい、あまりの良い男ぶりにスタンディングオベーション。
製作陣のみなさま、素敵な秋ドラマをありがとうございました。
ここまで読んでくれたあなたもありがとうございます!
無害
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