
2024年、わたしの出会った京都まとめ【神社仏閣編】
京都が大好きで、学生の頃からお金と日程さえどうにかなれば旅行に出かけ、足が痛くなるまで一日中歩いては色々な神社仏閣を訪れている。
2024年も京都でたくさんの美しい景色に出会うことができた。記憶が遠くなってしまわないうちに簡単にまとめておきたい。
(※記憶違いで写真と異なることを書いていたらごめんなさい!)
2月
高山寺

俗界に疲れ、癒しを得たいと思った時に、わたしと友人が真っ先に思い浮かべるのは栂尾の高山寺の静けさだ。国宝鳥獣人物戯画の伝わることで有名なこの寺へは、バスで山奥まで登っていく。深い緑に囲まれ、自然と一体化した美しさのあるこの寺のお庭を見ながらぼーっとしていると、目の前の物事に追われ文字通り近視眼的になっていた視界が、より大きな外の世界の美しさに触れて焦点がだんだん合っていくような感覚をおぼえた。
仁和寺

仁和寺も京都を訪れるたびについ足を運んでしまうお寺のひとつだ。皇室とのかかわりの深い仁和寺は、広大な敷地の全てが美しく整っていて、「京都へ来た」という喜びをいつでも感じさせてくれる。
北野天満宮

ちょうど梅の時期だったので、北野天満宮の梅苑へ。多くの人で賑わっていた。梅昆布茶とお菓子を頂きながらまったりできた。梅の樹高よりも高い位置に上がれたのだが、そこからの景色がいちめんの梅の絨毯みたいに見えて、けっこう感動したのを覚えている。


松尾大社

ずっと訪れてみたかった松尾大社にお参りすることができた。松尾大社といえば、神像が数多く伝来していることで有名である。神社に行くと分かると思うのだが、神様を祀るからといって神様の像が置いてあるわけではない。日本の神々は姿かたちを持たないのだが、古い時代には神様の像がつくられていた。つまり神像というだけでとても古いものだということになる。
神像館で神像を見ることができた。普段見ている仏像などとはまったく違い、妙に人間味があり、長い年月で朽ちている感じが不気味でぞくぞくした。何の神様なのかの情報が無いのも逆に神秘的でいろいろ想像させられた。とても面白かったのでまた行きたい。
地蔵院(竹寺)

地蔵院は竹寺ともいわれ、松尾大社から少々歩いた場所にある。こちらも初訪問だったが、行ってよかったと心から思える素晴らしいお寺だった。南北朝時代の武将細川頼之の創建で、お墓も中にある。

このお寺の素晴らしかったポイントは、人がほとんどいなかったことだ。おかげでこの木漏れ日あふれる優しいお庭をひとりじめできて、長い時間まったりと過ごした。名前の通り竹がたくさんあって、風に揺れてさらさらという音が響き渡り、癒しの空間だった。
三千院

大原にも足を運んだ。バスで山奥に行くシリーズは時間もかかるが非日常感の感動もひとしおである。三千院は今までに何度か訪れているが、苔むした庭園を歩くのがとても楽しい。可愛らしい「わらべ地蔵」に癒される。

大原の風景にはいつも心惹かれる。今回は三千院から寂光院までの道を歩いたため、たくさん堪能出来て嬉しかったのを覚えている。

寂光院

寂光院は初訪問だった。聖徳太子創建と伝わる古い尼寺で、「平家物語」で有名な建礼門院徳子が晩年を過ごしたことで知られる。この時期ちょうど平家物語にハマっていて、是非訪れたいと思っていたのだ。

建礼門院の足跡をたどることができて満足したのだが、訪れて初めて知ったこの寺の不運に衝撃を受けた。ご本尊の地蔵菩薩が完璧な彩色だったので、近年のものなのかなあと思ったら、平成12年に本堂が放火により全焼した後に摸刻されたものだという。当時の記事や写真等が展示されており、お寺の方やこのお寺を愛していた方はどれほど辛かっただろうと思うと涙が出た。

4月
西本願寺

4月にも京都旅行をした。この時はたしか五条にあるアパートタイプのホテルに滞在し、毎日京都在住の友人と遊んだ。たいていホテルは駅前か五条に取るのだが、五条に泊まると早朝に西本願寺を散歩できるから嬉しい。もう10回以上は行ってる気がするが、親鸞さんが大好きなので毎回幸せな気持ちになっている。建物が巨大で立派で、この空間にいるだけで楽しい。無料で早朝から自由に入れるのがとてもありがたい。
鞍馬寺

源義経が幼年期を過ごした鞍馬寺。現在はインド思想にも通じる独特な信仰を伝えているお寺だと聞いて、いつか絶対に訪問するぞと決めていた。今にも天狗が飛び出してきそうな、映像作品の中の世界みたいだった。


新緑が鮮やかで、朱色がよく映え、人がいなくて静かで、妙に輪郭がくっきりとしていて、「まるで夢の中みたいだ…」と友人と言い合った光景が上の写真だ。2024年に見た景色の中でも、忘れられない景色のひとつである。

貴船神社

鞍馬寺から貴船神社までは、登山道で繋がっている。体力のないわたしにとってはかなりしんどい行程だった。やっとのことで貴船側にたどり着いた頃にはへとへとになっていて、とにかく早く座りたかったのを覚えている。

人が多すぎて載せられる写真があまりないのだが、新緑の背の高い木々に彩られた神々しい空間に心が洗われた。
壬生寺

この旅最後の訪問地は壬生寺だった。壬生寺といえば新選組の屯所があったことで有名で、新選組が大好きだった学生時代に訪れたことがある。今回数年ぶりに行ってみて、雨の中の短い滞在だったがとても楽しかった。
10月
千本釈迦堂

10月、琵琶湖一周ドライブ旅(以前記事に書いた)の翌日、一日だけ京都で過ごした。友人に仏像の素晴らしさを知ってほしかったので、京都内で仏像といえばここ!という千本釈迦堂へまず連れて行った。
千本釈迦堂はけっこう街なかにあるのにスゴイお寺である。国宝の本堂は洛中最古の木造建築物。霊宝殿にある木造六観音菩薩像は今年2024年、国宝に指定された。一目で感動するのは横6体並んだ姿の完璧な保存状態の良さ。木のぬくもりと、魅入ってしまいそうになるしなやかな曲線。細部の細やかさ。他にも、重要文化財十大弟子像も素晴らしい造形。友人も感動してくれたみたいで良かった。
太秦広隆寺

もう一か所の仏像スポットである広隆寺にも久しぶりに足を運んだ。かの有名な国宝の弥勒菩薩を拝むことができる。ゆっくりと座って眺めることもできて、時間を忘れて鑑賞していた。学生のころ、この仏様の美しさに圧倒された日を思い出していた。弥勒菩薩の他にもたくさんの仏像があり、この場にいるだけで幸せだった。
等持院

最後は、わたしがいちばん大好きなお寺へ。室町幕府将軍足利氏の菩提寺である等持院は、足利尊氏のお墓や、足利歴代将軍の木造が所蔵されているなど、足利好きにはたまらないお寺だ。そして人が多くないのが良い。心地いい空間でお抹茶をいただきながら、まったりとお庭を眺める。尊氏のお墓と木造にご挨拶をして帰る。そんなルーティンを、もう8年も続けている。今年も最後にお参り出来てほんとうに良かった。来年もこれたらいいな。

今回は2024年に何度か訪れた京都について振り返ってみた。好きな神社仏閣への再訪も、初めての神社仏閣との出会いもバランスよく経験できたと思う。京都はいつでもわたしに癒しと活力を与えてくれる。
京都よ、ありがとう。そして、旅の時間を共有してくれた友人たちにも感謝を。2025年も新しい京都に沢山出会えますように。