『短編小説』朝と一緒に。
目覚めると朝。
目覚めると夜。
人それぞれの朝があって僕は朝が大嫌いだ。
いつもの朝はいつも憂鬱で、お母さんが起こしてきたり、朝日が起こしてきたり、自分の中が起こしに来たりする。
目の前はいつも海だけしかなくて、ざーざーとうるさい。
いつもうるさいのに、夏の終わりはさらにうるさくて、海と風がたまにはしゃいで喧嘩しているの。
学校は休校。
電車は遅延。
いつも休校を願っているのに今日みたいな日は学校へ行って友達とおしゃべりをしたくなる。
携帯で連絡してみたりすると、早く会いたいねって言われてほんの少し嬉しい。
たぶん、嘘。
僕の心は波のリズムと一緒で、激しかったり、静かだったり、波のリズムと同じ。
ザーザー。
人が入ってくると、包んであげたり、押し返してあげたりする。
夏なんて生暖かいし、冬は冷たすぎる。
これを誰かに話しても理解してくれる人はいないから、いっつも風にだけ乗せるだけ。
今日の朝は、ちょっぴり好きかも
だって、一緒に怒ってくれる海がいてくれたから。
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