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【ワインレビュー】フロム ラ ストラーダ ピノノワール【ピュアな南島の一滴】

  • Fromm La Strada Pinot Noir

葡萄品種:ピノ・ノワール
アルコール度数:13.0度
国:ニュージーランド
産地:マルボーロ

生産者: Fromm Winery 
年間生産量: 約20,000ケース(240,000本)
所有ブドウ畑: 約12ヘクタールの自社畑を所有し、さらに契約農家からのブドウも使用
平均樹齢: 畑や品種によりますが、平均して15年から35年

フロム・ワイナリーは、1992年にスイス出身のジョルグ・フロム氏によって設立され、オーガニック農法を実践し、テロワールを重視したワイン造りで知られています。 

以下インポーターの情報です。

フロムの「ラ・ストラーダ」のシリーズは、樹齢の若いブドウを使用した、よりニューワールド的な側面を表に出した仕上がりのワインです!!ヴィンテージが2011年ということもあり、熟成し、味わいにまとまりが感じられます。

熟したプラムやブラックチェリーにブルーベリーのアロマ。丁子や甘草といったスパイシーなニュアンスに、スミレを思わせるフローラルさも混じり、土っぽい複雑さも感じられます。口の中ではよく熟した甘い果実味にストラクチャーを形作る熟したタンニン。洗練されたパワフルなピノノワールです。

https://winestore.jp/c/item200/item216/item217/53673

日本のサイトでは造りについての情報はほとんど見当たりませんでしたが、調べてみると以下の詳細が分かりました。

畑、栽培について

2015年より有機認証(例: BioGro)を取得しており、持続可能なワイン生産を実践しています。ピノ・ノワールは11種類のクローンを使用し、1ヘクタールあたり4,000~5,000本の植樹密度で栽培。収穫量は約5~6トン、もしくは30~35hl/haと非常に低収量です。

たまに記事などで出てくるクローンについてですが、上の写真の通りクラスターの形が違うのが分かります。ピノ・ノワールは遺伝的に不安定で変異が起きやすく、多数のクローンが存在します。これらのクローンは、果房の形状やサイズ、収量、風味特性などが異なります。例えば、シャンパーニュ地方ではスパークリングワインの生産に適した375、236などの多収量のクローンが使用されることがあります。一方、ブルゴーニュ地方では、質の高いクローンが選抜され、世界中の栽培地域に広まっています。現在需要の高いクローンの一例として、113、114、115、667、777、828などが挙げられます。これらは「ディジョン・クローン」と呼ばれ、小さな果粒で、複雑で控えめなワインが生まれるとされています。 こういった複数のクローンを同一の畑で栽培することで、ワインに複雑性をもたらすことができます。各クローンの特性がブレンドされ、より深みのある風味や香りが生まれます。これは、ワイン生産者が目指すスタイルや品質に応じて、クローンの選択や組み合わせを工夫することで実現されます。面白いですよね。

以前販売されていた「ラ・ストラーダ」は現在「フロム ピノ・ノワール」として提供されており、このスタイルの上に畑名付きキュヴェが存在します。

醸造について
 破砕を行わず、全粒果実(ホールベリー)で発酵を進め、25~30℃の温度管理のもとで2~3週間行います。この方法は、果実味を損なわず、タンニンを穏やかに抽出することを目的としています。

熟成:
 フレンチオーク樽で16ヶ月熟成され、そのうち新樽率は15%。「フロム ピノ・ノワール」はフロムのピノ・ノワールで仕込むラインナップの中で唯一、澱引きと濾過を行い、クリアで親しみやすいスタイルを目指しています。

このワインは若木を利用し、フレッシュで果実味あふれるすぐ飲めるワインとして作られています。一方で、畑名付きのキュヴェではホールバンチ(全房)発酵が採用されます。ホールバンチでは果梗も一緒に醸すため、梗由来のタンニンが抽出され、より複雑で構造的なワインに仕上がります。ホールバンチ発酵はピノ・ノワールやガメイのように、青臭さが少なくタンニンが穏やかな品種で効果を発揮します。

畑区画のキュヴェはホールバンチで仕込んでいます。綺麗なぶどうですね。皆さんは、ぶどうがタンクに入った写真みてワクワクしますか?私はブドウ食べたい!果汁飲みたい!育成前のワインをテイスティングしたい!!!ってなります。搾りたての果汁飲むのは、仕込み中のちょっと癒しのひとつです。

まとめ


フロム ワイナリーのピノ・ノワールは、ニュージーランド・マールボロ地方のテロワールを映し出したエレガントなワインです。自然と調和した醸造スタイルが際立ち、その味わいと香りに表れています。

テイスティングコメント
香り: チェリーのような甘酸っぱい果実香に、土っぽいニュアンスと白胡椒のスパイシーさが重なり、複雑で奥深いアロマを形成しています。

味わい: 口中では、熟した甘い果実のフレーバーが広がり、熟成したタンニンがしっかりとした骨格を支えます。全体に洗練されており、エレガンスと力強さが見事に調和しています。

評価: 3.9点

香りの魅力とバランスの取れた味わいが印象的で、ブルゴーニュとは違う複雑性が楽しめる一杯です。


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