志賀高原100!!【初のロングトレイルランニングレース】
2023年7月に初開催された志賀高原100の100kmの部門に参加してきました。
今回はそのレースレポートです。
人生初のロングトレイルランニングレース。
そしてロードを含めても人生最長距離
個人的には終始胃腸トラブルに悩まされたレースでした。
初めてのロングレースで写真を撮る余裕もなく、記憶が曖昧な部分も多いので、
文字通りの"クソ"レポートになっていることをご了承ください。
志賀高原100とは
"志賀高原100"
開催日
2023年7月8日(土)、9日(日)
部門
100km/累積標高 約5500m/制限時間26時間
40km/累積標高 約1700m/制限時間10時間
北信濃トレイルフリークス(KTF)主催の大会です。
新設された大会なので公式HP以外の前情報はほとんど無し。
(コースの一部が他のレースの逆走とかあるみたいですがイマイチ分かってません)
ロングレースは100マイルレースをはじめとして以前から興味津々でしたが、私の大会実績が皆無なので参加資格を満たしていないことがほとんどです。
そんな中、今年初開催の志賀高原100は参加制限無し、公式HPには"ビギナー向け"と書いてあるではありませんか。
会場までも自宅から車で3時間程度で到着するのでこれは参加してみようと思い、玉砕覚悟でエントリーしました。
(100km走る山を走るビギナーっていう概念がわかるようでわからないけど)
そして友人のヤマムラも道連れに参加。
蓋を開けると、天気の影響もあったとは思いますが
どこがビギナー向けやねんというコース。
SNSの投稿を見るとその他のロングレースに出場している人たちも中々ハードだと感じていた様子です。
目標
そもそも出場することが自分にとってかなりのチャレンジなのでタイムは気にせず完走することを目標にしました。
一応の目安として切りのいい24時間以内で走れれば人に言うときに分かりやすいなとは思っていました。
・スタート前
駐車場が埋まってると嫌なので1時間前くらいには駐車場に到着。
駐車場はかなり広く、もう少しゆっくりでも良かったかなと思っていると土砂降りの雨。
車でしばらく待機して雨が落ち着いてからスタート地点に向かいます。
スタート地点ではNew-HALEのブースでテーピングを貼ってもらう予定がかなりの混雑。
さらに自分たちの後ろに並んでいたのが某招待選手だったので、申し訳なくなり列から離脱します。
ヤマムラとお互いのふくらはぎにテーピングをしているとスタッフの女性に「しっかり貼りなよ!ってかブースで貼って貰えばいいじゃん!招待選手?そんなの関係ないよ!!」と声をかけてもらい和みました。
慣れないテーピングにドタバタしてるとあっという間スタートの数分前に。
早く走るつもりは全くなかったのでかなり後ろの位置からスタート。
スタート時には奇跡的に晴れてくれました。
最初から土砂降りは萎えるのでラッキーです。
・スタート→1A横手エイド(23km)
*各エイドの距離はコースマップ上に記載してある距離です。実際は数キロ後ろにずれています。
最初のエイドまでは山岳セクション。
雨の影響もあり地面はドロドロ。かなり滑りました。
一部走れる箇所もありますが、基本的にシングルトラックなので抜かすことは難しいし、登りのたびに大渋滞。全然ペースが上げられません。
流石に渋滞がひどすぎてスタート位置をもう少し前にしておけばよかったと後悔しました。
しかも10kmにも満たない地点で腹痛に襲われます。ちゃんとトイレは済ませたのに!
この腹痛がこの先ずっと続くとはこの時は夢にも思っていませんでした。
途中でヤマムラのペースに合わせることが難しくなり先に行ってもらいます。
山岳セクションを抜け、一瞬ロードに出た際に横手山ドライブインの横を通り、トイレチャンスがありましたが一般の観光客がいる中に泥だらけの自分が行くのは…と思いスルー。
その後はゲレンデ激下り。腹痛が辛すぎてトイレをスルーしたことを早速後悔。
スピードが出せない様子を見て心配してくれた女性ランナーから声をかけてもらいました。
北海道から来た彼女も胃腸トラブルらしく、エイドまでお話ししながら一緒に走ってくださったので気が紛れて本当に助かりました。
エイドには関門より約1時間はやくに到着。(タイム5:50:41/到着時刻11:50:41)
渋滞、腹痛の影響もあり思ってた以上にギリギリに。
時間の余裕もあまり無かったのでトイレを済ませ、お腹に優しいことを願いつつボトルには麦茶を補充しました。
エイドには色々準備を済ませたヤマムラがまだいたので合流して必要最低限の滞在時間で次に向かいます。
・→2WA蓮池エイド(33km)
2WAまでの道は湿地帯やその上を通る木道などもあり景色も楽しめるルートでした。
また、2WA直前までは下り基調なので比較的走りやすいセクションです。
1Aでトイレを済ませたにもかかわらず腹痛復活。
歩行区間を過ぎた先に公衆トイレがあったのでそこにエスケープしました。
流石に腹が痛すぎて思い通りに走れないのでこのペースに付き合わせるのは悪いと思いヤマムラと一緒に走るのは完全に諦めて先に行ってもらいます。
その後もお腹のご機嫌を伺いつつ、
ゼッケンの高低図に書いてある「"ジャイアント"ってなんやねん」とイライラしながら基本早歩きで進みました。(スキー場のことだったみたい)
2WAにつくもこの時点で手持ちの補給食ほぼゼロに。1Aまでが思った以上に時間がかかってしまいそこで補給食を食べ過ぎてたのと、そもそも持ってきた補給食が少な目だったことが重なり大ピンチに。
このエイドの食べ物は少なめでしたがバナナやまんじゅうを無理やりお腹に詰め込み先に進みます。
一ノ瀬エイドにつけばドロップバックがある……
→3A一ノ瀬エイド(37km)
エイドを出て走っていると分岐にいるスタッフさんに「このあとは極上のトレイルですよ〜」って言われました。
2Aから3A間は激下りからの激登りなのはコースマップから一目瞭然なので「何言ってんだよ」と心の中でつっこみます。
案の定激下り。ここの下りは比較的早く走れました。下った先のスキー場施設のトイレが開いてたので念のため再びエスケープ。
気持ちとお腹を落ち着かせます。
トイレを済ませると次は覚悟していたゲレンデの登り返し。
ここの斜度が今回の全行程で一番大きかったみたいです。
人が歩いて登る角度じゃない…
何度も何度も立ち止まりながら登り続けました。
登り終えた先でスタッフさんに「もう少しでエイドですよー」と声をかけてもらいます。
絶対嘘だ・・と思いつつ「どれくくらいですか?」と聞いたら「200mくらい」との返事が。
「それなら頑張れます!」とダッシュ!
200mは本当ですぐにつきました。
本大会の距離関係で信憑性があったのはこのお姉さんだけですw
関門までの貯金は変わらず約1時間
(タイム08:51:51/到着時刻14:51:51)
エイドではゆっくり休憩してるヤマムラがまだいたので合流。
真っ先にトイレ休憩すませカップラーメンとシャリ玉をもらいました。
シャリ玉はしっかり酢飯でめちゃくちゃ美味しい。
今回の大会の各エイドではシャリ玉を1番食べました。
補給食不足は嫌だったので大量の補給食をザック詰め込みます。
次に一ノ瀬エイドに戻ってくる前には夜間パートに突入するので夜装備に切り替えて出発しました。
・→4WA剣沢(56km)
このセクションには上信越自然歩道が含まれており走りやすい区間。
基本的に下り基調なので走れる人はこの区間でタイムをかなり稼げた思います。
自分はというものの相変わらずのお腹絶不調で思い通りに走れません。
エイドでヤマムラと合流できたので少し一緒に走るもペースについていけそうになかったのですぐに別れました。
これ以降ヤマムラに追いつくことは出来てません。
この区間で100km1位の選手のすれ違います。
化け物すぎない?(12時間台でゴールしてる…)
熱平からは下りが終わりひたすら続く砂利道林道。
なんとか4WAにつくもトイレは無しで絶望します。
(コースマップにはちゃんとトイレ無って書いてあるので確認不足です。)
茂みでやってくれと言われるが流石に人がいすぎるし、まだ明るいし大する勇気が無いので我慢します。
ここから次のエイドまで13kmあり、走らないと次の関門に間に合わないとスタッフさんに言われ意を決して先に歩を進めました。
・→5A竜王(69km)
永遠に続く林道の下り。
自分の気持ちだけでは走り続けることは出来ないので、ちょうどいいペースで走っている人を見つけてはくっついていき、きつくなったら歩きに、回復したまたお腹の調子と相談しながらだれかにくっついて走る、を繰り返します。
時計の表記で13km経過したくらいでスタッフのお姉さんを発見。
エイドはどこかと聞くと後2キロくらい下った先だといわれ近くにいたお兄さんも悲鳴をあげてました。自分のお腹も悲鳴をあげました。
なんとか無事下りきってエイドに到着。
走ったことが幸いして貯金は微増。
(タイム14:36:41/時刻20:36:41)
まずトイレの位置を確認して速攻トイレに駆け込んだ後カップラーメンとシャリ玉を食べる。
メンタル的に一番キていたのはこの地点です。
リタイアする人をうらやましいと思ってました。
次のエイドがスタート会場近くの一ノ瀬エイドだったので関門は間に合わないかもしれないけどそこまでは行こうと思い補給を済ませて先に進みました。
・→6A一ノ瀬(84km)
5Aまでとは打って変わり、6Aまでのコースはずっと登り基調でゲレンデを経由してからの長い長いロード区間でした。
22時くらいにレース中初めて眠気に襲われるも仲間にお土産で頂いていたTRAIL HATのENERGY JELLY<COFFEE>のおかげで覚醒。
なぜか胃腸トラブルもこの時だけ回復したので数キロだけですが登りにもかかわらずいいペースで進めました。
この区間から雨が強くなり始めますが寒さには耐えられていたのでエイドまではレインを着ずに進みます。
エイドについたのは日が変わった直後。(タイム18:07:44/時刻00:07:44)。貯金50分弱です。
この時にはメンタルも回復していたので次の関門に向けて装備を整えます。
デポバックをあさっているとほかの選手がバックの中身をライトで照らしてくれました。
話を聞くと5Aのエイドで制限時間に少しだけ間に合わずにDNFなってしまい迎えの車を待っているとのこと。ありがたく準備させてもらいます。
流石に大雨だったのでTシャツを着替えてレインの上だけ着ました。
帽子とヘッドライトの相性が悪かったのでBUFFに切り替えています。
→7A奥志賀高原(92km)
一ノ瀬を過ぎると焼額山の登り
高低図みて勝手にゲレンデ直登だと思っていたらほとんどが登山道。
エイドにトレッキングポールを用意してたので付け焼刃で持っていこうか悩みましたが持ってこなくてよかったです。
夜の土砂降りで道は川になってたけど登山道としてはぜんぜん登りやすい。
ハイカー出身なのがかなり活きました。ゲレンデ直登より全然楽。
登りの方がお腹へのダメージも少なくてこの区間は後半で一番楽しめたかもしれません。
一方その後の下りは地獄でした。
ゲレンデの間を縫うような砂利の林道をひたすら下ります。
砂利の凸凹が限界を迎えてる足裏に響くし、歩きでも下りの振動が不調のお腹にズンズン響く。
登りではたくさん抜かせたのに下りで多くの人に抜かされていきます。
この区間でお腹が限界を迎え、我慢できずに横道に逸れて大自然にお世話になりました。
途中で主催のKFTの大塚さんの軽トラ私設エイドを発見。残りの距離が約5kmだとほかの選手に言っているのを耳にしてやる気が復活。
せっかくの私設エイドをスルーして先に進み何とか3時前に最終エイドに到着。(20:59:25/02:59:25)
登りでタイムを稼げたようで下りが遅かった割には貯金は2時間に増えてました。
エイドではコンソメスープを少しとシャリ玉を食べます。
お腹は超絶不調。このエイドで3回トイレに籠ました。
→ゴール
7Aと最後のトレイルまでを繋ぐロードが長く、そこで眠気がMAXに。
全然頭が回らなくて最後のトレイルに入る分岐を勘違いし、藪に突っ込もうとしてるのを女性の選手に止めてもらいました。
道端に生えている木々が建物に見えたり謎の立て看板に見えたりして
そろそろヤバいなと思いメダリストのコーヒー味で覚醒を試みるも変化なし。限界だったので一瞬寝ることを決意。
ロードの道端に座り込み5分アラームかけて寝ました。
寝ているときに後ろから来た選手に「大丈夫ですかー?」と声かけられた気ががします。その後寝ているのに気付いたのか、「エイドで寝ればいいのにねっ」て言われてる気がしました。自分でもそう思います。
無事にアラームで起きた後、夜中に道端で座り込むんで寝るとか危険すぎるなと思いました。事故ってもおかしくない。頭回らなすぎ。
5分だけでも寝たことが幸いし、頭がすっきりした状態で最後のトレイルに入りました。
ここは4Aに行くまでに走った上信越自然歩道の逆走なのでゴールまでは永遠に地味な登り基調。
高低図でわかってたことだけど最後が登り基調なの辛すぎます。
さらに夜中の土砂降り、100km,40kmの選手が走りつくした道は1回目に通った時とは変わっておりどろどろのズルズル。
時計とにらめっこして残りの距離と時間からゴールできるギリギリの速度は保ちながら歩きました。走ることは完全にあきらめてます。
トレイルを抜けてロードに出ると思いきやしっかり最後までゲレンデを横断させるではありませんか。地味な登りがあるため、終わりだと思ってたメンタルになかなかキマした。
いつもであればゴール前くらいはダッシュするところですがそれすらできないほど疲労困憊。
後ろからスパートかけてくる人もいなかったので一歩ずつゆっくりゴールに向かいました。
ゴール直前にさすがに感極まって泣きそうになりましたが今までのコースを思い返し、しんど過ぎてムカついてきて涙が引っ込みました。
ゴールゲートが見えてきたので、ホントに直前のレットカーペッドの上だけ走ってゴール。タイムは25:33:49、時刻は07:33:49。
会場では自分より1時間以上早くレースを終えていたヤマムラが待っていてくれました。2人とも完走できてほんとによかった。
出走620名/完走者335名(完走率54%)
リザルトをみるとゴールした人の後ろから9番目。
制限時間26時間のところギリギリでの完走でした。
ランニングを初めて約1年。よくここまでこれたなと思います。
カッコよく爽やかに走ってのゴールではなく、泥臭い時代遅れの根性ゴールでしたが、自分らしいなと思いました。
・反省点
自分のために反省点を残します。
〇胃腸トラブル怖すぎる
ロングレースの最大の敵は胃腸トラブルだと様々な媒体で聞いていたので
覚悟はしていましたが、終始腹痛と戦うことになるとは思ってもみませんでした。何か食べモノを胃に入れた瞬間にお腹がぎゅるぎゅる。食欲がなかったわけではないのがまたつらい。
漢方を用意してましたがうまく機能せず。即効性のある正露丸みたいな薬も常備しておこうと思いました。
〇事前準備は会場に行く前に。
前日受付を済ませて宿についたのが19時くらい。
そこから翌日の準備をして寝たのが結局22時くらいでした。
翌日はレースのため3時起きだったので正直もっと睡眠時間は取るべきだったと思います。直前にやる準備は必要最低限にし、自宅でもう少し荷物をまとめておくべきでした。
これはレース経験値の少なさもあると思うので、準備に慣れればまた違うのかなと思っています。
〇靴下も着替える
デポバックに靴下の履き替えを用意してましたが最初の靴下で最後まで走り切りました。
終わった後足の裏を見るとふやけにふやけて見たことないサイズの水ぶくれができてました。
レース後に1番ダメージが残ってるのがそこです。
靴もドロドロびちゃびちゃだったので靴下を履き替えたところでそんなに差はなかったかもしれませんが、次回は履き替えることでダメージが減るか試したいと思います。
・最後に
超駄文をここまで読んでくださった皆様ありがとうございます。
楽しかったというと語弊がかなりありますが、
充実感と達成感に満ち溢れてます。
本当に途中であきらめないでよかった。
次でるならもう少し開催実績があり、完走率が高い大会にしようかなというのが正直なところです。
100km走れば100マイルレース完走が近くなるかなと思っていましたが、
実際はプラス60kmと考えるとかなり厳しいなということをリアルに感じています。
走ってる間はひたすら辛い思いをしていたはずなのにどんどん思い出が美化されていくのどうにかしてほしいです。