成果主義の落とし穴 No.2 インセンテイブ強度原理の罠

【成果主義の罠 ―数字では測れない「価値」の行方―】
 理想と現実の狭間で揺れる職場

成果主義は、社員のやる気を引き出す特効薬として期待されました。
しかし、ある営業部の実態は、私たちの期待を裏切る結果となったのです。
過去最高の売上を達成すれば目標が引き上げられ、あえて力を抜く「ラチェット効果」。努力と運命の皮肉な巡り合わせで心が折れそうになる社員。

数字では測れない顧客満足度や社内協力度の評価に悩む管理職。
そして何より深刻だったのは、かつて活気に満ちていた職場から、情報共有や助け合いの精神が失われていったことでした。

ミルグロム教授の研究が示すように、真のやる気を引き出すためには、努力に見合った報酬、正確な評価、リスクへの配慮、そして仕事の裁量権が必要です。しかし、より本質的な課題は、数字だけでは測れない価値をどう評価し、人と組織の持続的な成長をいかに実現するか―その問いへの答えを見出すことなのかもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!