舟山貴士

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舟山貴士

http://mt-funa.com グラフィックデザイナー。お仕事募集中です。 photo= shoko hiraoka

マガジン

  • フォントのこと

    フォントや文字のことをあつかった記事をまとめていきます。

最近の記事

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『黒川紀章のカプセル建築』

黒川紀章のカプル建築が発売になりました。 この本は、一年ほど前からデザインをしてきました。 プレスリリース用に準備した文章をせっかくなので、ここでも掲載します。 自分が過去に勤めていた事務所でも、建築の書籍を手掛けることが多く、師匠も本を建築のように例えることもありました。 また、『編集デザインの発送法』(ヤン・V・ホワイト著、大竹左紀斗監修・訳、グラフィック社)でも紙面の構成方法として「建物の中を移動するように」(p.43)と実空間に例えた表現をしています。 著者の

    • SVGフォントをつくってみる。

      以前、「Glyphsでウェイト展開する」ことについて解説してみました。 「マニュアルを読めばわかる」というのが大正解だとしても、ひとまずやってみてからの方が飲み込みやすい、というのはままあるかと思います。 サッカーをやりたかったらルールブックを読む前にまずはボールを蹴ってみるのが先なのでは。(スポーツ苦手勢エアプ) というわけで、今回は「ひとまずSVGフォントを作ってみる」というものです。 簡単に言うと、パスで白黒を描画するフォントではなく、ビットマップやらの画像データを

      • 「OpenTypeをどう学ぶのか」という問い。

        「フォント制作ワークショップ」というのを夏休みにおこなっている。 ちなみに、単位は出ない。 「作字」という言葉も浸透し、文字のデザインに興味のある学生は一定数いるようだ。 1年ほど前、某SNSであるデザイナーの方が「足りない文字を作り足す用法でない、描き文字やレタリングを指して『作字』というのはいつ頃生まれたんでしょうか」と問うた方がいて、少し調べたことがあるが、大体2014年頃から徐々に広まっていったのではないかということだった。 そこから10年経っている。 元々、別の用法

        • 自己紹介2024

          以前、独立したときに自己紹介のエントリーを書きました。 独立したばかりで、ボスのアートディレクションのもとで制作したものしか載せられていないころです。 そこから約6年が経ち、環境も色々と変わりました。 会う人も少し変わってきたような気もするので、この辺で、すこし自分が何をやっているのかまとめます。 1、グラフィックデザイナー大学院の修士課程を出たあと、6年間、グラフィックデザインの事務所に勤めました。 いわゆる修行期間というやつです。 環境はよかったのですが、自分でできる

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        『黒川紀章のカプセル建築』

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        • フォントのこと
          21本

        記事

          Glyphsでウェイト展開をする話。

          Glyphsでざっくりとマスターを追加する方法です。 基本的にはマニュアルのほうが詳しくて正確ですので、そちらをご参照ください。 新しいソフトウェアを覚える際、「とりあえずやってみる」というのが重要ですが、「(いわゆる)マニュアル」では総合的に書かれている分、回りくどくなっている部分もあります。 その点、以下の説明は「ひとまず実装だけできる」というニュアンスで書いています。 できたらマニュアルを読みましょう。 1) おなじみの新規作成画面。この左上の「i」アイコンから設定

          Glyphsでウェイト展開をする話。

          OpenType Featuresの勉強中その2

          前回、「平野活版の4号続き仮名みたいなのがつくりたいなあ」などと寝言を言って取り組んで、またデータをいじっている。 調べてみると、すでに連綿のフォントをつくっている人がいた。 ダウンロードしてみたが、フォントの切替は手動だった。 語頭の文字と語末の文字そもそもなぜ「続き仮名(連綿)」の活字が広がらなかったかといえば、色々面倒だったからだと推察は容易に立つ。 「あ」を作ろうと思っても、以下の4つを作成する必要がある。 a)連続しない単体字/平野活版での「甲之部」/Ope

          OpenType Featuresの勉強中その2

          OpenType Featuresについて(勉強中)

          フォントを作っていると、字形が作るほかに、フォント周りのエンジニアリングについて興味が出てくる。というか、字形だけではどうしようもない部分が出てくる。 Glyphsでは、情報の「フィーチャー」のタブである程度自動生成してくれるのでよい。 例えば、「平野活版の4号続き仮名みたいなのがつくりたいなあ」などと思うと(大体の人は思わないだろうが)、ちょっとだけOpenType Featuresを書かないといけなくなる。 では、どう書けばよいのか。 人類の叡智として、まずは検索す

          OpenType Featuresについて(勉強中)

          自主制作のすすめ。

          年が明けた。 良い区切りでもあるので、なんか新しいことはじめようと思っている人もいるかと思う。 と、いうことで、主にデザイン系の学生向けに「自主制作のすすめ」をしてみたい。 ポートフォリオを作っている学生をみると自主制作をしているものもある。 大学の課題を載せるのもよいが、「なにをやりたい人なのか」が直接伝わるのでよいのではないかと思う。 とはいえ、いきなり「自主制作」と言われても何をしていいかわからないひともいるようなので、楽しげな事例を集めてみることにした。 ない本

          自主制作のすすめ。

          日本語組版について(の本の紹介)

          「#タイポグラフィ」とタグが付されているInstagramの投稿は、レタリング表現のものであったりする。 「タイポグラフィ」が「文字表現全般」を指しているのであり、本来の「組版」の話ではなくなってしまっている。 この用法が割と一般的になってしまったので、「広義のタイポグラフィ(文字表現全般)」と「狭義の(本来の/組版としての)タイポグラフィ」を分けるべきだとする意見も見られるが、言語の自然発生的な運用からすると(?)、「本来の用途から外れている!」と大声をあげても届かない状況

          日本語組版について(の本の紹介)

          さよなら2021年

          なんかもうあっという間に12月になったな、と思ったらもう月末。 今年も色々あったが、思いつくままちょっと書いてみようと思う。 2021年も、新型コロナウイルスに因る外出自粛などあり、イベントなどは縮小されるかオンラインでの開催も多い。 SNSや映像配信サービスを通じて、個人のイベントが試されている。 もちろん昨年からもその流れはあったが、Twitterでのスペースの開始や、オンライン会議ツールの普及でさらに流れは拡大したのではないか。 今年の中頃には「作業配信を見ながら」

          さよなら2021年

          作業配信をしながら

          「作業配信を見ながら」というのを書いて、相変わらずその後もいくつか配信を見ていた。 そこで気づいたのは、作業が捗る気がするということだった。 「大学でそれぞれ作業していた感じ」という人もいて、それにも共感したり。 『こちらから配信するのも面白そうだなあと思いつつ、特に予定もなく。』などと書いていたが、ものは試しにやってみることに。(30過ぎると新しいことをなかなか受け入れられなくなる、とか何かで見た気がしたので。) 「TwitCasting」というサービス。30分区切

          作業配信をしながら

          作業配信を見ながら

          ロゴをつくる機会があると、たいてい文字からつくることが多い。 というのも、結局フォントファウンダリによって商標登録できなかったりするからだ。プロジェクトのはじめでは登録予定が無くても、あとからできる状態の方がいいかと思っている部分もある。 だいたいは1案で終わることはないので、3案くらいつくることになる。ので、一部だけの字形とはいえ、拡張させればフォントにもなりそうなものが溜まってくる。データ整理をしているとそういうのがちょいちょい出てくる。 気まぐれにそういうネタを本

          作業配信を見ながら

          変数の理解2

          以前書いた記事の追加。 コーヒーの淹れ方にしても、グラフィックデザインにしても変数の理解をして操作できるようになることで理想を目指す、というようなことを以前書いた。「なにかがうまくなる」というのがどういうことか抽象的にたまに考えている。 ▼ ▽ ▽ 少し前にTwitterかなにかで「最近の学生はコンセプトが重要だとよく言うようになったが、もうちょっとどういうことか考えたほうが良い」というようなことを書いている人がいるのをみた。その人の発言がどういう文脈かきちんとはわから

          変数の理解2

          NICHE 07 地中海の中心に浮かぶ島 サルデーニャへ!

          今年もNICHEが発売となりました。工学院大学建築学部に編集部があり、毎号世界各地の建築や文化の紹介をする本です。舟山は「06」に引き続きブックデザインを担当しました。 今号はイタリアの「サルデーニャ」特集。あまり日本では紹介されることのない地域かもしれません。表紙に入れた地図のオレンジ色の部分、イタリアをブーツに例えるとしたらそのむこうずねの部分にある島がサルデーニャです。 四国の1.3倍ほどの大きさ、とのことですが、地中海の交易のポイントともなって様々な文化が混じり合

          NICHE 07 地中海の中心に浮かぶ島 サルデーニャへ!

          ここ半年くらいで環境が変わった話

          仕事でやることが変わったりする都合もあり、2020年のはじめに都内から都内に引っ越した。デザイン事務所を辞めて独立してから1年半ほど経った頃だった。自宅兼事務所でやっていたが資料やら機材やらが多くなって来ていて、広いところに引っ越さねば、と思ってはいたのでちょうどよかった。 そもそも住むことに対してこだわりもなく、学生が住むような6畳間で風呂トイレが一緒になったタイプの一人暮らしの最小限のところだった。朝から晩まで仕事もプライベートもごっちゃにしていたので流石に息が詰まって

          ここ半年くらいで環境が変わった話

          [メモ]フォントまわりで気になるYouTubeを集めてみた

          https://www.youtube.com/watch?v=AGR4-4R2lc8 【CC道場 スペシャル番組】フォントの日だよ〜文字っ子!全員集合〜 | Adobe Fonts - アドビ公式 2019/04/10 にライブ配信 https://www.youtube.com/watch?v=yzoqWSp2Y-M フォントができるまで | 24時間 Illustrator「愛(Ai)はクリエイティブを救う」9 西塚涼子 かづらき https://www.youtu

          [メモ]フォントまわりで気になるYouTubeを集めてみた