地域連携室
「今日からよろしくお願いします。」
新卒で病院に入職した。社会福祉士という資格をもって、MSW(医療ソーシャルワーカー)となった。
これは、今でも未熟な私の、MSW日記。
まず、MSWという仕事を知っている人はどれくらいいるのだろうか。
地域連携室という部署に所属し、患者や家族、他の医療機関や施設、ケアマネと情報共有し入退院調整を行うのが主な仕事であるが、その業務内容は病院によっても様々である。
「病院の何でも屋」などと言われることもあるようで、いつぞやかの研修で「何でも屋でもいいじゃない!頼られてるってことなんだから!」と講師が言っていた。正直、宗教みたいだなと感じた。
どこに頼んだら良いかわからないことは、とりあえず地域連携室へ聞いてみよう。みたいな風潮はどこの病院でも少なからずあるようだ。
さて。入職時の地域連携室のメンバーは看護師1名、事務員1名、社会福祉士1名
看護師は前方支援といって新規の入院患者の調整(ベッドコントロール)を行い、社会福祉士は後方支援といって入院患者の退院支援を行う。
病床は100床、一般病棟と回復期リハビリテーション病棟が概ね半分ずつ。当時の上司はこれを1人で回しており、酷く疲れていたのをよく覚えている。
私が入職した時点で、地域連携室の看護師の退職も決まっていたようで、それも相まって毎日ため息ばかりついていた。
私は金魚のフンみたいに上司の後をついて回っていた。主に病院と病院外の連絡調整を行うので、仕事は電話が多いのだが、上司が電話で話すのを隣でただじっと見ていた。それに意味があったのか分からないが、患者によって立場も状況も違うことを教えていくのは難しかっただろう。
ただ、最初のうちは上司や事務員の話し方を見て、社会人の話し方や電話のメモの取り方を学んでいた。
私の上司は習うより慣れろ、の教育方針だったので、働き出して数週間ほどで病棟を少しずつ担当していくことになった。私自身も、とりあえずはやってみないと分からない人間なのでその指導方法が性に合っていた。
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