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14.【MSI主要コンセプト8-8】局所の相互依存性
このブログは、MSI(Movement System Impairment)について解説することを目的としています。
MSIについては、こちらをご覧ください。
MSIでは、身体の動きがきっかけで生じた痛みの原因を解明し、改善するプロセスを学ぶことができます。
はじめに
今回はMSI主要な8つのコンセプト、最後の「局所の相互依存性」についてご紹介します。
臨床において、一つの関節へアプローチをしても身体の動きに反映されないことを経験した方は多いと思います。
その原因は、身体は多くの関節がつながっていて、お互いに影響しあっているからです。
「局所の相互依存性」を理解することで、多くの関節がつながっている身体の動きを効果的に修正することができます。
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「局所の相互依存性」とは?
身体は約260個の関節がつながって出来ています。
1つの関節が動く場合、他の関節は動かないように固定する必要があります。
例えば、下の写真のように肘関節だけを曲げようとします。
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この場合、上腕が動かないように肩関節の周囲の筋肉が働きます。
それに伴って肩甲骨が動かないように肩甲骨の周囲の筋肉が働きます。
このように、一つの関節が動くときはその周囲の関節に影響を与えます。
関節は隣接した関節の影響を大きく受けます。
股関節は腰椎の動きの影響を大きく受け、腰椎も股関節の動きの影響を大きく受けます。
これが「局所の相互依存性」です。
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画像は筋骨格系のキネシオロジーから引用
膝関節で「局所の相互依存性」を考える
膝関節は上にある股関節と下にある足関節の影響を受けます。
特に膝関節は前額面(内反、外反)を直接動かす筋肉がないため、上下の関節の動きに大きな影響を受けます。
膝関節前額面の動きにおける「局所の相互依存性」を考えます。
前方に踏み込むフォワードランジの動きで
① 股関節の内旋が大きい場合
この場合、膝関節は外反位になりやすくなります。
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② 足関節の回内が大きい場合
この場合も膝関節は外反位になりやすくなります。
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膝の外反アライメントを修正したいと考えた場合には、膝関節のみへのアプローチだけではなく、その上下の関節からの影響を考える事で効果的な修正が可能になります。
まとめ
今回は、MSI主要な8つのコンセプト、最後の「局所の相互依存性」についてご紹介しました。
身体は多くの関節がつながっていて、お互いに影響しあっています。
上下の関節からのお互いに影響し合う、「局所の相互依存性」を理解することで、多くの関節がつながっている身体の動きを効果的に修正することができます。
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