貫井神社(東京都小金井市の縄文神社)
ここでは、縄文神社という言葉を「縄文時代の遺跡と神社が重なっている場所」という意味で使うけれど、これは武藤郁子さんという方がご著書の「縄文神社」(飛鳥新社)の中で使ってらっしゃるところである。
私はこれまで二宮神社(あきる野市)と谷保天満宮(国立市)を、自分がお詣りしたことがある縄文神社としてご紹介した拙文をしたためた。二宮神社は武藤さんも著書の中で取り上げておられる典型的な縄文神社だが、谷保天満宮は私が勝手に縄文神社ではないのかなぁ、と考えている神社である。
なにしろ、天神様だから神社として成立したのは平安時代の10世紀初めになるのだけれど、周囲には縄文遺跡もあるし、この神社周辺の湧水は縄文人の生活を支えてきたはずだと思う。
そして、本稿で取り上げるのは、小金井市の貫井神社なのだけれど、この神社も武藤さんが著書の中で取り上げておられるお墨付きの縄文神社と言えるだろう。さらに、貫井神社さんが、武藤さんと出版社の許可を得て、その内容を神社の由緒とともに紹介しておられるので、これ以上、私が何をかいわんやではある。
ただ、一言申し上げると、この湧水から形成された御池と拝殿が一緒に映える景観が素敵だなぁ、と感じている。二宮神社さんも、谷保天満宮さんも、それぞれ湧水から形成された御池がとても綺麗なことは言葉では言い尽くせない。ただ、この二つの御やしろの拝殿は御池から少し離れた高い土地にある(注:谷保天満宮の場合、御池には弁財天を祀った小社があるが天神さまの拝殿からは少し離れている)。
その点、貫井神社さんは御池の橋を渡って拝殿に赴くことになり、参拝すると、いやがうえにも自らが浄化された気分に浸れるのである(あくまで個人の感想です)。小金井市に住む友人によれば、小金井の語源=黄金の井を体現した神社とのこと。
ちょうど中央線の武蔵小金井駅と国分寺駅の中間地点に所在して、どちらの駅からも徒歩20分くらいかかったと思うが、とても素敵な縄文神社である。
ロケーションはJR中央線の南側で、国分寺駅と武蔵小金井駅のちょうど中間あたり。どちらの駅からも徒歩20分前後である。私は行きに武蔵小金井駅、帰りに国分寺駅を利用した。周囲は住宅や小さな商店など比較的静かな環境で、涼しくなった折に、軽く汗ばむ程度のよい散歩コースであった。