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経営幹部(エグゼクティブ)育成・選抜層アセスメント~次世代の経営を担うリーダーを見極め、強化する

1.経営幹部(エグゼクティブ)とは

経営幹部には、社会全体や世界レベルで自社の存在価値を再定義し、向かうべき方向を明示することが求められます。ピーター・ドラッカーは、エグゼクティブ(トップマネジメント)の3つの役割として、「事業の決定、組織としての価値観の決定」「資金配分の決定」「人材配置の決定」を挙げています。

日本においても、大沢武志が、経営者・経営幹部に求められる機能として「戦略的意思決定」の重要性を掲げ、エグゼクティブ(役員)への選任基準として「責任の能力」「シナリオの書ける能力」「業績貢献度」「アグレッシブネス」「視野の広さ・自己革新能力」「人望・人間性」の6つの要件を提示しています。

MSC/DDIでは、1970年代より人材アセスメントやリーダーシップ開発領域を中心に、多くの企業・団体と共に、エグゼクティブ層の要件再定義や能力開発に取り組んできました。本稿では、今日における、経営幹部を取り巻く課題や悩み、具体的な施策の検討に向けた目的を整理し、具体的なソリューションメニューをご案内します。

※参考資料:マネジメント[上]課題、責任、実践 P.F.ドラッカー:著 上田惇生:訳
※経営者の条件 (岩波新書) 新書 大沢 武志 (著)

2.経営幹部(エグゼクティブ)層を取り巻く課題・お悩み

①今、改めて求められる経営幹部(エグゼクティブ)の強化

環境や技術の著しい変化、地政学的リスクの高まり等により、経営幹部に求められる役割や能力は高度化・複雑化しています。併せて、コーポレートガバナンス・コードの強化、大手企業を中心とした社外取締役登用機運の高まり等もあり、これまで内向きであった企業の経営幹部にも、対外的な説明能力や存在感が求められるようになってきています。

経済産業省は2017年のレポートで、ビジネスとして稼ぐ力を高めながら、適切なコーポレート・ガバナンスを実施する役割を経営幹部に求め、「経営のプロフェッショナルを丁寧に作り込んでいく」ことの取り組みの必要性と重要性に関して提言を行っています。

②「自社の経営幹部が求められる水準に達している」と考えるCHRO(最高人事責任者)はわずか3割

では、グローバル・日本の経営トップは、自社の幹部の状況をどのように捉えているのでしょうか。MSC/DDIが実施した調査結果「CEOリーダーシップレポート2021」によると、経営幹部に求められる質が年々高まりつつあると同時に、自社の経営幹部がその期待水準に達していると感じているCHROは3割程度であることが報告されています。

世界的な人材獲得競争が激化している今日において、前述のMSC/DDIによる調査では、CEOの55%が経営の最重要課題として「次世代リーダーの育成」を挙げ、経営トップが捉えている経営課題の第3位が「人材の獲得・育成」となっています。日本における調査(HR総研実施)でも、「次世代リーダー育成」が最重要人事課題として挙げられており、今、まさに経営幹部候補人材の育成が求められていると言えるでしょう。

③リーダーに期待される能力、または 期待されるリーダーシップに基づく課題の特定からはじめる、経営幹部育成の重要性

前述した経済産業省のレポートでは、日本企業の経営幹部育成に向けた取り組みに関する定量調査を実施しています。現状の取り組みに関して、「選抜人材にとってタフ・アサイン機会の提供が十分にできている」と回答した割合は31%(まったく・どちらかと言えばその通りとの回答、以下同)」、「経営幹部候補人材として引き続き残すか否かの判断基準を明確にしている」と回答した割合は26%に留まることが報告されています。これらから、経営幹部候補者を特定できたとしても、その後の成長経験の付与や候補人材プールに対するマネジメントの難易度は極めて高いことがうかがえます。

経営幹部人材の継続的な輩出に向けては、ここまで見てきたように様々な困難な点や考慮すべき点が存在し、一筋縄ではいかないことが明らかになったと言えるでしょう。だからこそ、ビジネスや事業・機能戦略を踏まえて今後の経営幹部に求められる要件を設定し、対象者となる経営幹部・幹部候補者個々人の現状把握および能力・リーダーシップ開発上の課題を設定していくという、当たり前とも言える取り組みがやはり大きな鍵を握ると言えます。

※参考資料:MSC/DDI「CEOリーダーシップレポート2021」
※経済産業省「企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的育成についてのガイドライ ン」:https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/data/pdf/20170331001-1.pdf

3.経営幹部(エグゼクティブ)層アセスメント・能力開発の目的

ここで、経営幹部やその候補者の現状把握と課題設定に向けた、アセスメントや能力開発を考える際の目的を整理していきます。

①企業・組織にとって重要な、経営幹部輩出に向けた豊かな「人材パイプライン」を構築する

企業間の人材獲得競争が激化する中、今後の環境変化や自社戦略を踏まえてリーダーの要件を明らかにし、それらに沿った人材のパイプライン(供給源)を絶やさないことは極めて重要となります。また、将来を担う人材が次々と輩出されることは、潜在的な幹部候補者のリテンションやエンゲージメントの向上にもつながります。

②経営幹部に適した能力を有する人材を多面的に特定する

経営幹部を担える、もしくは将来的に担っていける人材が社内にどれほど存在するのかについて、要件に照らして見える化し、充足しているかどうかをはっきりさせることがすべての出発点です。その際に、社内のみの基準で行うと客観性を損なうこともありますから、外部のアセスメントやシミュレーションも取り入れて多面的に捉えることが望ましいと言えます。

③経営幹部もしくは候補者としての個々の能力開発課題を特定し、タフ・アサインにつなげる

成熟した経営・事業環境において、経営幹部(候補者)としての「修羅場」を踏む機会(例:海外法人の立ち上げ、大規模な新規事業のリーダー等)はそれほど多くなくなってきています。しかし、個々の能力開発課題を特定し、それを鍛える機会として経験をデザインしていけば、個々人にとっての「修羅場」となる可能性は高まります。求める姿に照らしたアセスメント等により個々の課題を特定することが、これら効果的な「経験のデザイン」の出発点になります。

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会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円 (令和 2年12月31日)
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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