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リーダーが組織文化に与える影響
1.組織文化は応募者が考慮すべき重要事項
最後に1つだけ質問があります。貴社の組織文化について教えてください。
面接中に応募者からこのような質問をされたことはありませんか?もしかしたら、あなた自身も同じ質問をしたことがあるかもしれません。これは、組織の仕事に対する考え方を明確に示すものであり、応募者が考慮すべき重要事項です。組織文化について尋ねることは、その役職が応募者にとって、仕事の責任や給与よりも大切だということを示しています。
今日、組織文化はあらゆる職場の原動力であり、従業員の満足度からビジネスの成功に至るまで、様々なものに影響を与えています。そして、これは見逃すことのできない重要な要素です。
本コラムでは、組織文化がなぜ現代の就業者に大きな影響力をもつのか、誰が組織文化に影響を与えるのか、そしてポジティブな文化を築くにはどうすればよいのかを探ります。
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2.組織文化の定義
では、組織文化とはどのようなものでしょうか?そして、誰がそれに影響を与えているのでしょうか?
組織文化とは、全従業員間で共有された行動指針や思考、規範、期待です。それは職場のリズムであり、行動や態度、ひいては組織自体を形成します。組織で何を行うかを決めるのが戦略であるのに対し、それをどのように行うかを決定づけるのが組織文化です。
しかし、組織文化は偶然生まれるものではなく、意図的に形成することができるものです。組織文化は時間の経過とともに自然に進化することもあります。また、人事部門や経営幹部が意図的に形成する場合もあります。適切な文化を維持するには、日々一貫した行動と価値観を示すリーダーと、その模範に従う従業員が必要です。
現在、職場の文化は世界中に公開されています。そして、それをうまく育むことができなければ、悪影響が及ぶ可能性があります。将来従業員になる可能性のある求職者から、投資家やアドバイザーまで、誰もが貴社の従業員が実際に経験したことについて、ホームページなどで閲覧したり、時には会社訪問などで見たりすることができます。従業員の行動や慣習が、貴社の主張する価値観や態度と一致しない場合、貴社は苦い経験をするかもしれません。その影響は、人材の採用や定着から、企業のイメージや評判の低下まで、多岐にわたります。
要するに、組織文化は良くも悪くも、価値観、態度、特性、行動など、職場の集団的アイデンティティを映し出す鏡のようなものなのです。
適切な組織文化を維持するには、日々一貫した行動や価値観を示すリーダーと、それに倣う従業員が必要です。
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3.ポジティブな組織文化のメリット
組織文化が従業員にとって重要であることは、データで明確に示されています。そして、ポジティブな組織文化を構築している職場は、より高い業績を上げています。
グラスドア社によると、求職者の半数以上が給与よりも組織文化を優先しています。MSC/DDIのグローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2023調査では、リーダー育成のためのベストプラクティスを実施している組織は、「働きがいのある会社」と評価される確率が3.4倍高くなります。また、ギャラップ社によると、組織文化を重視している組織では、最大33%の収益増加が見込めることが示されています。
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従業員のエンゲージメントと定着率を高めるには、ポジティブな組織文化が必要です。さらに、自社のミッションやバリュー、目標との結びつきを感じている従業員は、積極的に仕事に従事する確率が高くなります。このような目的とのつながりがあれば、仕事の満足度を高め、離職率を下げ、忠誠心を高めることができます。 また、組織文化は、成功に不可欠なコラボレーション、チームワーク、イノベーションといった行動を促進することもできます。従業員が共通の価値観をもつことで、効果的に協働し、オープンなコミュニケーションを図り、創造的に問題を解決する可能性が高まります。この相乗効果により、生産性、意思決定、業績が向上します。
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4.自社のビジネスに適した組織文化
しかし、ポジティブな組織文化も全ての状況に適しているわけではありません。ビジネスの重要な優先事項と整合させることが肝要です。たとえば、失敗を恐れない革新的な文化は、ソフトウェア開発の場合には創造性を促進するものかもしれませんが、人命が関わる病院ではリスクとなります。
では、貴社に最適な文化とはどのようなものでしょうか?まず、貴社独自のビジネス上の課題と目標に焦点を合わせます。これには、規制順守、グローバリゼーション、市場の変化などが含まれることがあります。
次に、これらの課題を解決するのに役立つ組織文化の要素を考えます。たとえば、倫理的で誠実、かつアカウンタビリティを重んじる組織文化があれば、従業員は規制ガイドラインや基準を遵守するようになります。グローバル展開を進める組織であれば、従業員は多様性を重視し、国境を越えて協力できる文化的能力を備えていなければなりません。不安定な市場や変化の激しい市場で競争する組織にとっては、適応性とイノベーションの文化が、従業員に実験的な試みを奨励し、変化を受け入れることを促すでしょう。
最後に、従業員が育む必要のあるスキルと、組織のバリューを結びつけなければなりません。リーダーが誠実に従業員を率い、コラボレーションを促進し、アジャイルな学習文化を醸成するためには、どのような行動が役立つでしょうか?
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5.ハイブリッド勤務やリモートワークの職場の文化
ハイブリッド型勤務やリモートワークの導入は、従来の職場文化に大きな影響を与えました。チームのコラボレーションやコミュニケーションの仕方が大きく変わり、結束力のある文化を育むための、特有の課題が生じています。
誕生日会や飲み会の代わりに、オンライン飲み会などが行われるようになりました。オフィス内の雑談やちょっとしたブレーンストーミングは、オンラインミーティングやチャットへと変わりました。物理的な職場では、かつては組織文化の一部として、意図的に作られた内装や装飾が重要でしたが、今では、バーチャル背景や自宅の環境に置き換えられ、個人の好みがより際立つようになりました。プライベートと仕事の境界線はこれまで以上に曖昧になっています。
組織はこの新たな日常に合わせて、文化的な慣習を見直し、適応させる必要があります。リーダーは意図的であり、創造的であり、インクルーシブでなければならなりません。物理的な職場を超えたポジティブな文化を醸成するためには、リーダーが非常に重要であるということは明白です。
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6.リーダーが組織文化を推進する
全従業員が組織の文化に寄与する一方で、リーダーは現状維持あるいは組織文化の変革を推進するうえで、非常に大きな役割を果たします。要するに、リーダーが物事の進め方を決める役割を担うということです。彼らの行動、価値観、優先事項は、従業員が模範とすべき指針となります。リーダーが望ましい行動を一貫して強化し、組織の価値観に沿った環境を整えることで、チームの行動や態度に影響を与えることができます。
結局のところ、組織文化に影響を与える人物としてリーダーほど重要な存在はありません。
では、このようシナリオを考えてみましょう。
例1:
組織文化:組織文化においてワークライフバランスは重要です。人事部門はウェルネス(健康維持)プログラムや有給休暇制度(Paid Time Off =PTO)を提供しています。
従業員エクスペリエンス:リーダーが急な仕事にも対応するため、納期を守るには夜間や週末、休暇中も仕事をしなければならないことがあります。
結果:チームは、リーダー一人のせいで、組織が大切にしているワークライフバランスを保つことが難しくなります。
例2:
組織文化:組織はダイバーシティを受容する環境を作り出すことを目指しています。経営幹部は、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)の責任者を任命し、ダイバーシティのミッション・ステートメントを発表し、トレーニングのための予算を確保しています。
従業員エクスペリエンス:あなたが協力するリーダーは、自分のお気に入りの人を特別扱いし、異なる背景をもつ人々からの新しいアイデアを受け入れていません。
結果:リーダーの個人的な偏見は、インクルーシブやイノベーションを損なう職場環境を生み出します。さらに、これは組織のDEI目標に反することとなります。
望ましい行動を一貫して強化し、組織のバリューに沿った環境を整えることで、リーダーはチームの行動や態度に影響を与えることができます。
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7.リーダーが組織文化を推進するための5つの方法
リーダーの言動が組織文化を形成します。ここでは、リーダーがポジティブでインクルーシブな組織文化を推進するための5つの方法をご紹介します。
模範となる:組織文化を直接反映するように話し、行動する。
伝える:文書または口頭で、活動や目標が組織文化とどのように関連しているかを一貫して伝える。組織文化がチームや組織の目標達成にどのように役立っているかを伝える。
実行する:具体的な目標と行動で、組織文化を実現する。
強化する: 組織文化を支える行動をとる従業員を評価し、そうでない行動には迅速に対処する。
再検討する:必要に応じて経営幹部が行動できるよう、実践的な視点を共有する。
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最終的に、リーダーにはコア・スキルと共通のリーダーシップ言語が必要です。これらが一体となって一貫した行動を促し、組織文化を形成するのです。
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8.リーダーは日々、組織文化を築いている
リーダーは日々の行動で組織文化を推進しています。彼らには、ポジティブな従業員エクスペリエンスを提供する大きな責任があります。組織全体で適切な文化を醸成するには、リーダーに明確な期待を示すことが重要であり、それを実現するためのトレーニングを行うことも同様に重要となります。
■執筆者:DDI社 リーダーシップ開発アドバイザー マーク・スメドリー
DDI社 コンテンツ戦略責任者 キャロル・ シュヴィーベルト
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9.マネジメントサービスセンター(MSC)のアセスメントソリューション
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11.会社概要
会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント
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