グローバル・リーダーシップ・フォーキャスト2023〔日本特集〕~大規模調査から得た日本のリーダーの状況と日本特有の課題
グローバル・リーダーシップ・フォーキャス2023の一環として、過去最多となる2,158名の日本のリーダーと161名の人事担当者からの回答を検証し、日本のリーダーの状況や日本市場特有の洞察をまとめました。
1.概要
本レポートでは、日本の人事担当者が懸念しているリーダーシップ・パイプラインの脆弱化やリーダーが考えるビジネスの優先事項、リーダーに最も必要なスキルなど、日本のリーダーシップに関する10の所見を紹介しています。
本レポートにはグローバルと日本のリーダーの調査結果が記載されており、グローバルの結果と区別して表示しています。
日本の傾向を把握するとともに、グローバルとの比較を参考にしながら、今後のリーダーシップ開発の取り組みを検討する際にお役立てください。
2.調査所見
3.主な所見
●人材供給体制はパンデミック以降、回復していない
過去10年間のグローバル・リーダーシップ・フォーキャスト調査において、最も懸念される傾向の一つは、重要な役割を担うリーダーが不足していることです。
人材の供給体制に優れていると回答した組織は、グローバルで12%です。 一方、日本の値はさらに低く、わずか5%にとどまっています。この点について、リーダーの問題意識は日本とグローバルで共通しています。
●従業員は対人関係スキルが低いリーダーに寛容ではない
人材の定着に影響を与える要因はいくつかありますが、「1年以内に退職したい」と回答した人が考える理由の第1位は、リーダーが有能ではないことだと判明しています。上司の対人関係スキルが低い場合、「1年以内に退職したい」と回答した日本のリーダーの割合は11%でした。一方で、上司の対人関係スキルが高い場合は4%でした。リーダーの対人関係スキルに問題があると、1年以内に退職するつもりであると回答する確率が2.75倍になるのです。
●目的意識の明確化がエンゲージメントを促進
組織が人材の獲得に奔走する中、多くの組織が目的の重要性(パーパス経営など)を訴求しています。しかし、調査結果からは、それらの活動が成果やリーダー自身の実感にはつながっていないことがうかがえます。
「自分の仕事に意義や目的を見出している」と感じている経営幹部はグローバルで55%、日本では34%にとどまります。さらに、日本では、85%の初級・中級管理職が、自分の仕事に意義や目的を見出すことができていないと回答しているのです。
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