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新任経営幹部を育成する3つのアプローチ

経営幹部が直面する4つのプレッシャーを把握することで、経営幹部の失敗率を低減できる可能性があります。彼らの役割は気が遠くなるくらい困難なものですが、それ以上に憂慮すべきは、ビジネスにおいて非常に重要な役割に移行していく新任経営幹部を効果的に支援する方法を見いだした組織があまりに少ないことです。


ここでは、成功するための3つのアプローチについて説明します。実際には、複数のソリューションを組み合わせることが理想的であり、唯一の方法ではありません。しかし、これらのアプローチは、能力開発の課題に的確に対処し、効率的に対応して、新任経営幹部の効果性と成功へのスピードを高める方法と言えます。

1.アプローチ①~プレッシャー・ポイント・コーチング

新任経営幹部がより円滑かつ迅速に新たな職務に移行できるように支援する独自のコーチング

❓プレッシャー・ポイント・コーチングは何が違うのか?

プレッシャー・ポイント・コーチングは、従来のエグゼクティブ・コーチングとは大きく異なります。迅速で直接的なアプローチであり、長期的なキャリア開発ではなく、むしろ新しい役割に素早く適応することと、能力開発を目的としています。このコーチングは、経営幹部が直面する4つのプレッシャーと、それらのプレッシャーが個人にどのような影響を与えるのかを、新任経営幹部が早期に探究できるようにすることに焦点を当てています。

コーチは、個々人のプレッシャーを理解したうえで、「経営幹部の落とし穴」、つまり「戦術へのこだわり(細部にこだわりすぎる)」や「消極的な社内政治(政治的プレッシャーを避けるあまり、重要な組織力学を察知できない)」など、一般的で非効果的なプレッシャーへの対応や、新任経営幹部(および経験豊富な経営幹部)によく見られる対応について究明することを促します。

このようなコーチングを受けた参加者は、以前は漠然と理解していたようなことでも、言葉や定義を見つけると、「なるほど」と納得することが多くなります。

コーチングから得るべきものは何かを理解することが最も重要です。あらゆる参加者が、自分たちの具体的な課題に対処し改善するために、即座に実行可能な一連の行動を学ぶことができます。さらに、進捗状況をフィードバックし、重要な利害関係者を巻き込みながら得た洞察やガイダンスを活かす方法も身につけられます。

また、多くの経営幹部が陥りがちな落とし穴を回避し、優れたリーダーが最高のパフォーマンスを発揮し続けるために、実行可能な個別の能力開発計画も提供されます。このプロセスには、基盤となるコンピテンシーと能力開発ガイドが組み込まれており、リーダーは、曖昧な状況の中で最高の成果を出すために、どのように状況を見極め、取り組むべきかについて、的確な洞察を得ることができます。

2.アプローチ②~体験型シミュレーション

リアルな職務体験(シミュレーション)を通じて収集する洞察とデータ

❓体験型シミュレーションとは

体験型シミュレーションは、リーダーがまだ経験していない実際の業務状況を疑似体験する点で比類のない手法です。このシミュレーションは、対面またはオンラインで実施します。参加者は、彼らが目指す経営幹部のポジションであるかのように、仮想の組織内でその役割を体験します(例えば、最高経営幹部を目指して育成中のリーダーは、最高経営幹部向けのシミュレーションに参加することになります)。

そして、事業戦略の立案、組織変革の推進、主要ステークホルダーに対する影響力の発揮、優秀なチームメンバーへのコーチングなど、自身の役割における短期的および長期的な課題や業務をシミュレーションで体験します。このような実践的な体験は参加者を深く惹きつけ、体験中だけでなくその後も、自身のリーダーシップ・アプローチに対する考えを深める契機となります。この疑似体験には、ビジネスや組織の状況とデータが豊富に盛り込まれており、参加者はその情報を基に自分なりのアプローチで対処していきます。そのため、リーダーとしての反射的な行動や個人特性を観察し、彼らが新たに直面するであろう課題に照らしてフィードバックしたり、話し合いをしたりすることができます。

この体験を通じて、能力開発の観点から、次期/新任経営幹部の強みと能力開発が必要な領域を明確に示す包括的なデータが得られます。これに基づき、成長を加速させる機会や陥りやすい落とし穴を事前に予測して、個々人のニーズに合った能力開発計画を立てることができます。さらに、収集されたデータは、ビジネスの脆弱性や機会を生み出す可能性と現状とのギャップがどこにあるかなど、人材の供給体制を評価するのにも役立ちます。

これらのデータと洞察は、より綿密な後継者計画の基盤づくりに役立ちます。客観的なデータと行動観察によって、昇進の準備が整っている領域や、追加の支援が必要な領域が浮き彫りになります。重要な役職への昇進が検討される最終候補者に関しては、シミュレーションで得たデータから客観性と予測妥当性という重要な側面が担保され、確実に公平で偏りのない決定ができるようになります。

3.アプローチ③~グループでの能力開発体験

経営幹部が共に学び、互いに学びあう学習の場

❓能力開発をグループで行う理由は

経営幹部全員を一人ひとり育成するのは難しいことがあります。実際、最も印象深く、かつビジネスに関連性のある学びは、学習者同士が経験を共有することで生まれます。互いに学びあう学習は、人脈づくりや関係構築にも役立ちます。

当然ながら、こうした学習体験にはさまざまな形式があり、公式な学習コースに加え、前述のアプローチ(プレッシャー・ポイント・コーチングと体験型シミュレーション)の両方を組み合わせたソリューションが含まれることもあります。

例えば、大手化学メーカーでは、60人の次期経営幹部を15人ずつ4つのグループに分けて、能力開発を行いました。各グループは、オンラインのグループ研修とその後の能力開発を目的とした個別コーチングに先立ち、対面かつオフサイトで行われる2日間のセッションに参加しました。初日には、グループオリエンテーションと体験型シミュレーション、そして、シミュレーションのグループフィードバックが行われました。

2日目は、1日目のテーマを基にして、戦略の実行と組織のリーダー人材の育成に焦点を当てた2つのコース(人とビジネスにおけるリーダーシップのトピック)を実施しました。参加者には、対面研修終了後にオンラインで集い、学習の進捗状況を報告したり、各自の能力開発体験を共有したりする機会が何度も設けられました。

一見、一過性の取り組みのように見えますが、実際には、「ハッとひらめく瞬間」の共有の連続です。他の経営幹部が同じような課題にどのように対応したかという話や、あまり接点のない部門を代表するリーダーの話からは、多くの学びを得ることができます。

経営幹部が直面する4つのプレッシャーや、彼らが陥りやすい落とし穴を特定する一連の能力開発による考察・対話は、自分の役割を極めようと邁進している、あるいは新しい役割への移行の準備をしている経営幹部にとって計り知れない価値があります。「そんなこと考えもしなかった」「社内の他部署の人が同じ課題を抱えているとは思いもしなかった」といった感想がよく聞かれます。

4.次期/新任経営幹部の能力開発~リーダーにとってのメリットは何か?組織にとってのメリットは何か?

これらのアプローチには、組織と経営陣、そして個人のそれぞれにメリットがあります。リアルな職務体験は、リーダーが将来の役割においてどのような反応を示すかを知る手段となり、固定概念を払拭できます。経営側にとっては、昇進や特別な任務、能力開発の機会に関する意思決定を行う際に役立つデータが得られます。

プレッシャー・ポイント・コーチングは、経験豊富なコーチが多くの経営幹部から得た知識や経験を新任経営幹部に伝え、彼らの新たな(またはこれから担う)役割における複雑な状況を予測して、個々人のニーズに合った方法で支援するものです。プレッシャー・ポイント・コーチングは、新任経営幹部に他の方法では得難い専門知識を拡張性の高い方法で提供します。

グループでの能力開発は、リアルな職務経験とプレッシャー・ポイント・コーチングの両方の要素を取り入れることができ、新任経営幹部が同僚と共に魅力的な環境で学ぶ中で、短期間に人脈を強化するのを支援します。これは、組織にとって、特有のニーズをもつ新任経営幹部のグループを効果的に育成するための、より人脈を広げるアプローチとなります。

🔵プレッシャー・ポイント・コーチングのメリット

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🔵体験型シミュレーションのメリット

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🔵グループでの能力開発体験のメリット

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1.経営幹部の昇進後に必要な能力開発対策
2.経営幹部の失敗を避けるために必要な4つのプレッシャー対策
3.新任経営幹部を育成する3つのアプローチ

5.関連ソリューション

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7.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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