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第5章<成長する>新たなリーダー階層への移行を加速するためのコーチング

1.リーダー職への大きな飛躍を経験する

2007年に行われたリーダーシップの移行(上位階層への昇格・昇進など)に関する調査で、上級管理職と経営幹部にとって、より重要な新たな役割への移行は、離婚や転職、ティーンエイジャーの子育て、健康問題といった人生におけるあらゆる難題よりもストレスが多いと報告された。リーダー職への大きな飛躍の準備を支援したり、速く、首尾よく飛躍できるよう支援することは、エグゼクティブ・コーチングの最も重要な分野のひとつだ。


コーチは偵察者の役割を果たし、経営幹部が移行に伴うよくありがちな地雷(階層間の大きな差異、役割の拡大、未経験の部署を率いること)に備えるのを支援する。複雑さと認知範囲、管理の範囲、多様な関係者、曖昧さ、失敗の代償などは責任とともに増え、コーチは、リーダーがその中をうまく乗り切っていくのを支援しなければならない。さらに、後継問題に取り組み、功績を残そうとしている経営幹部の支援もする。

この移行期におけるコーチングの主な利点は、経営幹部が立ち止まり、石橋を叩いて、自分のスキルやモチベーション、時間などを使って、どのように進むかを決めるのに大いに役立つことだ。 

この移行期におけるコーチングの主な利点は、経営幹部が立ち止まり、石橋を叩き、自分のスキルやモチベーション、時間などを使って、どのように進むかを決めるのに大いに役立つことだ。 

2.新たな任務の遂行を加速する

新たな任務に就いた幹部を適応させるのも、コーチングの効果的な活用法である。習熟するまでの時間を大幅に削減してくれるからだ。面談やチームの観察、新しいチームのニーズや期待に関連する診断を通して、新しい環境に関する情報を集める(主要なビジネスと人間関係の力学を含む)ことで、コーチは強力な偵察の役割を果たす。

経験豊かなリーダーであっても、コーチによる事前の調査は役立つだろう。新たな課題への新たな調整を鈍らせる可能性のある過去の強みや思い込み、見方に頼りすぎるのを避けることができるからだ。コーチングはまた、慣れない環境(新しい部署、地域、市場)に置かれたばかりで、迅速に適応し、判断力を認めなければならない経営幹部が、良い評判を得るのにも役立つ。幹部になりたて、あるいは経験はあっても予想外の職務に就いたリーダーである場合、社内と社外(出資者、競合を含む)両方の関係者から注目されるが、その際には過去の動向が重要になる。

例えば、新たに事業部担当になった幹部には、高い評価を受けていた前任者の跡を継ぐ中で、自身のリーダーシップ・ブランドを確立する特別なニーズが生じるかもしれない。

3.グローバルリーダーとしての職務に初めて就く

海外でグローバルリーダーとしての職務に初めて就くリーダーは、ビジネスやリーダーシップ、国際的な問題に対する見方など、さまざまなことに影響を与えかねない難しい学びを経験するだろう。だがここでも、個人の新しい役割への適応を速めるのにエグゼクティブ・コーチが活躍できる場はいくつかある。 

――異文化への洞察を与える:グローバルな対人関係の効果や意思決定スタイルを熟知しているコーチは、学習者のスタイルや方法が新しい環境でどのように他者と相互作用するか、予測するのに役立つ。
――グローバルなビジネス感覚を加速化する:初めてグローバルなリーダーになった人の多くは、自分の組織の意思決定スタイルや収益の上げ方が、場所によって大きく変わることを思い知らされる。市場によって異なる期待、規制、ビジネスモデル、競合、社会規範、経済などが違いを生む。
――家族や友人への影響を予測する:コーチは、海外に帯同する家族が新しい環境への準備を整え、慣れるまで気遣うようリーダーに促す。これは非常に大切なことである。海外で勤務するリーダーの成否は家族が地域に適応できるかどうかにかかってくるからだ。

4.ビジネスや個人の重大なニーズに応えるためのコーチング

🔶対象分野での能力開発を迅速に行う

多くのコーチングの目的はひとつ、対象スキルやコンピテンシーの開発を容易にすることだ。これはアクセラレーション・プールのメンバーに対するコーチングによく見られ、特に社内にロールモデルがいない場合はそれが顕著である。例えば、戦略的思考力と財務感覚の開発が必要なプールメンバーがいるとする。初めてのビジネス計画立案や予算作成の間は、コーチはそばに付き添って支援するだろう。 

🔶大きな戦略の変更や実施に関わる課題を支援する

コーチが強い影響力を持つ分野としてもうひとつ挙げられるのが、リスクの高い注目される職務に就いた比較的経験の浅いリーダーのアドバイザーとしての役割である。他のコーチング同様、こういったタイプのコーチングは、まずリーダーの準備度とサクセス・プロフィールに照らした脆弱性を全体的に評価するところから始めなければならない。その後で、戦略実施目標と、能力開発の適切な組み立て、振り返り、報告のバランスを取ることに焦点を絞る。次に挙げる項目は、そのようなコーチングを必要とする例である。

――大規模プロジェクトの実施
――世界的な変革の取り組みの統率
――細織の再編、合併
――新商品の市場導入
――革新の推進

🔶チームや同僚の問題に向き合う

コーチは、経営幹部と協力して、チームの効率を低下させている力学やビジネスに関連する変化に対処することもある。経営幹部がチームの亀裂や対立の原因を見つけたり、リーダーとして自身を持って危機に対処したり、チームが自分たちの課題に対応するようエンパワーするのを支援する。

🔶人間関係の課題を克服する

これは将来有望なのに、人当たりが良くない、社会性がない、政治力に欠けると見られているリーダーの行動を改善することに焦点を当てた従来型コーチングである。放っておくと、対人スキルにおけるギャップはキャリアの限界に結びついてしまう。人の話を聞かない、論争的、あるいは社会的に鈍感(自分の行動が他者にどのように影響するかを認識できない)な幹部の場合、その危険は増すだろう。だが幸い、対人スキルはモチベーションの高い個人なら大いに開発できる分野である。対人スキルに問題のあるリーダーも、課題と向き合い、新たなスキルを身につければ成功の可能性を大きく高めることができる。コーチは、リーダーがそのような将来を目指すのを支援するのだ。 

🔶多様性の問題に対処する

対象となる人々(女性、マイノリティー、特定の年齢層や文化集団)の職場進出を阻むものがいまだに存在している組織や業界の場合、コーチは、同質の人々(例えば、白人男性が多く占めていたり)が支配する経営陣の中で疎外感を味わっている人にとってのアドバイザー、あるいはロールモデルとなる。コーチとのセッションは自由に発言できる避難所となり、現実の障害と認識上の障害をバランスよく見る視点を提供する。

5.おすすめ人材アセスメントソリューション

6.DDIとは

DDIは、世界最大手の革新的なリーダーシップ・コンサルティング企業です。1970年の設立以来、この分野の先駆者として、リーダーのアセスメントや能力開発を専門としてきました。顧客の多くは、『フォーチュン500』に名を連ねる世界有数の多国籍企業や、『働きがいのある会社ベスト100』に選ばれている世界の優良企業です。
DDIでは、組織全体におよぶリーダーの採用、昇進昇格、能力開発手法に変革をもたらす支援をすることで、すべての階層において事業戦略を理解し、実行し、困難な課題に対処できるリーダーの輩出に貢献しています。
DDIのサービスは、現地事務所や提携先を通じて、多言語で93カ国に提供されています。また、同社の研究開発投資は業界平均の2倍であり、長年にわたる実績と科学的根拠に基づいた最新の手法を駆使して、組織の課題を解決しています。

◆DDI社の4つの専門分野

DDI社は、4つの専門分野を中心に、長年の実績と科学的根拠に裏付けられたソリューションと、より深い洞察を提供し、優れた成果を生み出しています。

7.会社概要

会社名:株式会社マネジメントサービスセンター
創業:1966(昭和41)年9月
資本金:1億円
事業内容:人材開発コンサルティング・人材アセスメント

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