2022カタールW杯試合分析 大会3日目

グループC アルゼンチンvsサウジアラビア

大会優勝候補かつ注目選手のメッシ要するアルゼンチンのフォーメーション


中東開催ということくらいしかアドバンテージが思いつかないサウジアラビアのフォーメーション


前半からアルゼンチンが立て続けにサウジアラビアの4-4-1-1のブロックの背後を取りに行き、積極的に攻撃にでる。

しかし、何度かオフサイドにかかり、ゴールまでは至らない。

サウジアラビアは中盤の4-4ブロックがとてもコンパクトなのだが、前線の守備にスイッチをいれない(わざと?)のため、ライン間はやらせていないが、背後は取られ放題の印象。

序盤はオフサイドに助けられているイメージ。

打って変わって後半はHTでの修正があったのか、前線からプレスをかける。
試合後にSNS話題になったサウジアラビア監督のロッカールームでの檄も関係しているだろう、、、

守備陣形がコンパクトなままFWのプレスがはまったので、ショートカウンターで2点先取。前半からやりたかったことだろうが、体力がもたないから後半にとっておいたのかと思ったが、先述したSNSでのミーティングからすると、そんなことはなかった。(笑)

前半からこの展開をしていれば、もっと打ち合いのゲームになったのか?

ただ少しでもライン間を開けると後半28分のシーンのように、簡単にターンされ、背後をとられているので、体力的にもたない部分もあるだろう。

タイムマネジメントをしながら闘えていたとするのであれば、ジャイアントキリングは必然であったと思う。

MVPはサウジアラビアの国王である。国の歴史を変えた選手を国を挙げて祝った形にした。


グループC メキシコvsポーランド


最強の盾(オチョア)vs最強の矛(レバンドフスキ)と称された一戦は戦前の予想を覆す展開となった。

メキシコフォーメーション

後述するが④と⑲がカギになる

ポーランドフォーメーション


ポーランドはじっくりブロックを作って奪ったボールをレバンドフスキに預けてカウンターという狙い。

対してメキシコは4-3-3のBUから、主導権を握りゲームを優位に進めたい。

ポーランドは試合の中で4-2-3-1や5-4-1のような守備陣形を適宜使い分けている感じ。
そのポイントはメキシコのSBの立ち位置によるものだろう。

メキシコは2-3-5で相手を5バックにし、2CB+④のアルバレスで支配を強める。
アルバレスの落ち着きやボールの動かし方は上手くて所属チームを見てみると「アヤックス」の文字が、、、

そらうまいよ、、、

前半32分頃にあったメキシコのBUはCBに対してプレスが来ていないときのお手本のようなBUだ。

相手のCMFにドリブルで食い付かせ、出てきたところを空いたスペースに入り込んだ味方選手を使い、ワイドが潜ってサポート。

良い形の3人目でラインブレイクし、逆サイドに展開するというこれもメキシコの狙いだろう。

ただ、終始両チームとも決定機を生かせず、タイムアップとなった。

MVPは後半12分にPKストップをしたオチョアである。
結果としては矛に打ち勝った盾という印象だが、総合的にみるとメキシコはボール支配率を高めることによる”盾”(相手にボールを触らせない=攻撃させない)だったように感じた。


グループD デンマークvsチュニジア


W杯を全試合観ると宣言していなかったら、観ていないゲームだろう。

両国のサポーターに失礼のないように言うと、FIFAランキングで中堅国同士の試合だからだ。

ただ、このゲームを観て、私は考えが変わった。

日本も中堅国らしく見習うべき部分が多くあったからだ。

その点は後述する。

以下デンマークフォーメーション


チュニジアフォーメーション


デンマークもスタメンの数人はビッグクラブで活躍している選手なだけあり、その選手たちを活かそうとしながら試合運びをしているのが見て取れる。

特に3-1-4-2のBUではインテリオールのエリクセンが積極的にサイドSBとWBの間に顔を出し、受けて、WBの背後をとるというローテーションが多く見られた。

対してチュニジアは3-4-2-1のBUから打開を図るが、デンマークとの違いは、しっかりとブロックの中にボールを経由してから展開を試みていたとこである。

ブロックの外で回すだけになってしまうと、相手がボールを保持させるようなチームであれば恐怖感を与えることはできない。

デンマークも前半の終盤や後半にかけては、効果的に中央にくさびをつけ、1タッチで三人目を使い、前向きの選手をつくりながら背後がとれていた。

今大会は3バックのビルドアップを行うチームが現段階で多く、守備時には両WBが落ちて5バックになっているため、ボール保持の際にどこをチームの狙いとして共有しながら前進を試みているかというところに非常に違いが感じられる。

特にこの両チームは対照的であり、非常に見ごたえのあるゲームであった。

MVPはエリクセン。効果的なBUの出口になっていた。


グループD フランスvsオーストラリア




今大会優勝候補フランスのフォーメーション



Jリーグ勢も多いオーストラリアのフォーメーション

オーストラリアは㉓のグッドウィンがキーポイントとなると予想をしていたが、ビルドアップも左肩上がりの3-2-5のような形で、フランスの守備を混乱させていた。

守備の際はファジアーノ岡山所属の⑮デュークの脇からフランス2CB+VOピックアップをどう捕らえるかという問題があったが、あくまでもそこはフランスの持たせてOKという感じ。

実際オーストラリアは先制点を取ることが出来たので、その守備の形はチームとしても狙いが共有できていたように感じる。

ただその先制点が前回王者に火をつけた。

あくまでもボールを奪う姿勢をみせず、ゴールを守るという意志が強く感じるオーストラリアの守備は、フランスのボールホルダーに対してどうしてもプレッシャーが弱くなる。

ゴール前を固めるのであれば、わざわざ崩す必要はない。サイドからのクロスを効果的に利用したフランスは長身のラビオが合わせて先制。

失点も想定内だったオーストラリアであるが、攻勢を強めたフランスに成すすべ無し。

失点を重ね、敗退してしまった。

ただオーストラリアの闘い方は非常に強者に対する闘い方として見習うものがり、弱者としての振る舞いというわけではなく、BUの変形や試合時間帯に併せたゲームコントロールなどは日本も見習うものがあると感じた。

MVPはオーストラリアのムーイ。
要所でBUの出口になり、フランスのプレスをかいくぐろうと奮闘していた。


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