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エッセイ

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街、旅、暮らしのエッセイ。ちょっと豊かになる、がモットーです。
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#日記

【エッセイ】#13 親子で過ごせる時間は3年

【エッセイ】#13 親子で過ごせる時間は3年

ふとなにかの広告で「人生で、親子で過ごせる時間は3年」というコピーが目に止まった。たしかリモートワークを推奨する広告だったと思う。

リモートワークをすれば、もうちょっとだけ親子の時間を引きのばせますよ、と言いたげな内容だったと思う。

それはいいとして、「そうか、親子で過ごす時間は 3年 なのか」とシンプルに思ったわけです。

「親子で過ごす時間」というのはどうやら、寝る時間は除いてお互い意識が

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【エッセイ】 #12 月の爆撃機

【エッセイ】 #12 月の爆撃機

良い曲には3種類ある。

音がいいか、声がいいか、歌詞がいいかの3つだ。

そうはいっても個人差がある。
自分は歌詞が好きな曲と遭遇すると、とことん聴いてしまうタイプという自覚がある。

歌詞がいい曲を創る筆頭といえば、ミスチル。大ファンである。

なぜミスチルが好きなのか。
それは「直接的ではないが心に触れる」歌詞を書くからだ。

ミスチルは「日々わかったつもりでいて、わかっていない」「もやもや

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【エッセイ】#10 父が猫を抱いた夜

【エッセイ】#10 父が猫を抱いた夜

心に残る父との思い出はそんなに多いものなのだろうか。

決して父と仲が悪かったわけではない。
ただ、父はあまり自分のことを話すタイプでなかった。

父親として以外の父を知る余地がなかった。
唯一知っているのは釣りが好きだということ。

若い頃は毎週末レガシーに乗って釣りに勤しんでいたことは知っている。
平日の夜、外房の漁港に連れられて一緒に釣りをしたことも覚えている。

やけに星が綺麗で、少し湿っ

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【エッセイ】 #9 遠藤周作に学ぶ、どうしようもない夜の過ごし方

【エッセイ】 #9 遠藤周作に学ぶ、どうしようもない夜の過ごし方

張り詰めた糸が、プツンと切れた。

そうやって職場に顔を出さなくなった人を度々見かけてきた。

真面目そうにしていたあの人。
いつも笑顔でいたあの人。

張り詰めた糸は、緩められなかったのだろうか。

そんな当たり前でしょうもないことを考えてしまう夜が誰にでもあるのではないだろうか。

今回は人生にたびたび訪れる、どうしようもない夜に読み流して欲しいようなことを書いてみる。

どうしようもない夜に

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