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50回経験して見えてきた、テレビ取材対応を成功に導く6つのポイント

おはようございます。Gaudiy広報のマーティン(@mrtn)です。皆さん、今朝の「がっちりマンデー!!」は見ました? note社ががっちり紹介されていましたね~!!!

広報としては、よく知る企業のサービスがテレビで紹介されると、その裏側の取材対応に思いを馳せてしまいがちです。

追記(2023/12/24):noteのあべさんが「がっちりマンデー!!」提案の裏側を回てくれました。これはめちゃ知見です。ありがた〜!

テレビ取材は放送された際のインパクトが非常に大きいけど、機会は限られています。また取材対応にはマニュアルがないため、はじめて対応する広報担当者にとっては難易度が高い仕事です。

私も過去に何度もテレビ取材を経験して失敗から多くを学んできました。
その経験を生かし、取材対応時に気をつけているポイントがいくつかあります。そこで、アドベントカレンダーのテーマとしてテレビ取材に関する記事を書くことにしました。実際にあったエピソードも交えて紹介していきます。

そう、このnoteは #PRFunho Advent Calendar 2023 の12月3日の記事です。毎日PRのエントリが発信されていくのでお楽しみに!


過去のテレビ取材対応で失敗を重ねてきた

私がこれまでテレビ取材を対応してきたのは50回くらい。主に報道番組が中心でしたが、noteが登場した「がっちりマンデー!!」やテレ東のビジネス特番「激動ビジネス 令和の変革」など、報道番組以外もいくつか対応してきました。

報道番組の場合は、問い合わせが来た翌日に取材が入り、撮影当日に放送されるようなスピード感で進みます。それ以外の番組の場合は、事前の打ち合わせや数回の取材を経て、数ヶ月に渡って対応する場合もあります。

テレビ取材の対応をしてきて感じるのは、広報業務の中でも特に不確実性の高い仕事だということ。

これまで、問い合わせの初期対応が不十分で取材を逃してしまったり、事実と異なる内容が放送されてしまうミスもありました。事前準備を忘れてたせいで、必要な小道具が手に入れるために早朝からスーパーを駆け巡ったこともありました。数え切れないくらい失敗を積み重ねてきています。

ここからは、私が失敗から学んだ取材対応のポイント3つ、事前準備のポイント3つを紹介していきます。

🍀 🍀 🍀

取材対応の3ポイント

問い合わせ対応から事前告知まで、取材対応時に気をつけていることを3つのポイントに分けてお伝えします。

①問い合わせには即反応、スピードと調整力を示す

テレビの取材対応はとにかくスピードが求められます。
私の場合、PR TIMESのプレスリリースや記事を見て、広報窓口に問い合わせをいただくことが多かったですが、報道番組は翌日や場合によっては当日の放送のための取材依頼を受けることもありました。

番組側からすると取材が断られたり、想定する映像が撮れない場合もあるため、放送に間に合わせるために複数の取材先に連絡しています。そのため問い合わせの時点では、取材が確定しているわけではありません。

そこで大事なのは、問い合わせを確認したらすぐに電話をすること!
初回の電話でなるべく取材を確定させるべく、取材可否はもちろん、取材対象の候補(ロケ地候補、インタビュー候補)を事業部と確認した上で、10分以内には電話するようにしていました。電話がつながらない場合でも、留守番電話にメッセージを残し、取材の可否をメールで送るようにします。SMでも良い。

また問い合わせ対応では、スピードだけでなく、相手にこちらの調整力を示すことも重要です。電話では企画内容や撮影したい映像を聞き出しながら、内容に合致する取材対象の候補をいくつか提案していきます。

番組スタッフにとっては、初回の電話で意図を理解した上で取材対象まで提案してくれれば、不確実な要素が一気に減ります。取材も決まりやすくなるでしょう。他の取材対象も調整可能な旨を伝えておくと、他の企画が落ちた場合など予定よりも映像の尺が伸びることだってありえます。

とある番組で20分近くの放送が実現した際は、初回の問い合わせ時に盛り上がって取材対象をこれでもかと提案しました。これが功を奏し、10日間にわたり15箇所で数十時間に渡る撮影が行われました。ディレクターからは「貴社が最も早く、最も多くの取材場所を提案してくれたから企画を通しやすかった」と言っていただけました。

そんなわけで繰り返しですが、問い合わせ対応にはスピードと調整力を示すのが大事です。

②番組側も会社側も納得する均衡点を見つける

番組ディレクターと広報は、一緒に映像を作っていく協力関係にありながら、それぞれ異なる目的を持つ関係です。時には利害が一致しないこともあります。

ある番組特集のサブコンテンツとしての取材の際のことです。
取材当日、事業担当者に対するインタビュー中、番組ディレクターが特定の競合サービスに関してどう思うかをしつこく引き出そうとしてきたので、何か怪しいぞ〜と感じてました。

その時、インタビューを行っていたディレクターが後ろ手に持っていた台本が見えたので、バレないように覗いたところ「●●を打倒する!みたいなコメントを引き出す」とか「バックにバトル風のBGMを流す」といった内容が書かれており、なるほどそういう思惑か!って分かりました。

思惑に乗せられてコメントを撮られてしまうと対立軸を煽るような映像をつくられてしまう。それは避けたかったため、やばそうになったら即止めようと構えてました。その事業担当者は普段から他社に関する言及を避ける人だったので、質問を巧みにかわし、インタビューは無事に終了しました。

そのような事があったため、どのような映像になっているのかと、放送当日をやや憂鬱な気持ちで向かえましたが、対立軸を煽るような内容にはならなかったので安心しました。でも事業担当者のインタビューは全カットでした 笑(撮れ高がなかったんでしょうね)

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また、別の番組では、視聴者に事業成長を分かりやすく伝えたいから売上のグラフを見せたいという番組からの要望に対し、会社としてはグラフでも売上実数は出すことはできませんでした。成長を分かりやすく視聴者に伝えたいという番組側のニーズは理解できます。そこで、成長割合のグラフを提供することで、番組側と会社双方が納得して着地しました。

このように番組によって企画の方向性や思惑があり、時にはこちらの意向と異なる場合があります。このような状況において、番組側も会社側も納得できる均衡点を見つけ、両者と調整することは、広報担当者としての重要な役割の一つです。

③テレビ露出を最大限活用するための事前告知

取材対応が大変すぎて事前告知まで頭が回らなかったりするんですが、効果を最大化するためにも、燃え尽きかけた心を奮い立たせて最後のひと踏ん張りです。

通常は見せることがないサービスの裏側や、事業担当者の熱意が込められたインタビュー、利用者の笑顔など、テレビ露出は多くの人に見てもらい、より多くのファンを獲得する絶好の機会です。

社内での告知はもちろん、パートナーやクライアントなどの取引先企業にも事前に情報を伝えることが重要です。これにより、自社の魅力がより強く伝わり、良好な関係構築に寄与する可能性もあります。

また、この機会を活用し、SNSでの告知も行いたいところです。ただし、テレビ番組の場合、放映内容の詳細が掲載されているページがないことも多く、効果的な告知が難しいことがあります。

映像の切り出しはタイムラインで目立ち、番組を観たくなるような内容でした。noteの広報担当者によると、番組側と事前に連携していたそうです。

告知のタイミングや、どの程度具体的な情報を伝えるか、放映予定時刻など、事前に番組側に確認すると良いでしょう。

noteのような告知映像が用意されない場合もあるため、例えば取材時に自社のカメラを使用して撮影し、SNS告知用の素材として活用するなどの工夫が考えられます。取材当日に番組ディレクターと相談するのも良いでしょう。

他にはテレビ放送に合わせてキャンペーンを仕込んだり、プラットフォームだったらパートナーがテレビ露出をツイートするような施策なんかを企画するのも有効です。せっかくのテレビ露出を最大化するための企画を立てましょう。

ただし、ここまでやるのはそれこそ「がっちりマンデー」なんかのような番組です。報道番組は事件や災害で飛んだりするのであまり仕込みすぎると逆にリスクを招いてしまうため注意してください。

事前準備の3ポイント

テレビ取材はいつも突然訪れます。そして大抵の場合、時間をかけて調整する余裕はありません。「本当はあれを撮影してほしかった」「あのクライアントのインタビューを実現したかった」と思っても、事前準備がなければ良い取材は成立しません。

ここでは、事前準備について3つのポイントでお伝えします。

①広報案件の重要性を伝え、事業部との協力体制を築く

テレビ取材は映像の撮影が必須となるため、大抵の場合は事業部側の協力が必要です。調整含めてスピード感が要求されるのは前述の通りです。

そのため事業部との日頃の関係構築が非常に重要です。取材依頼が来てから「なぜテレビ取材を受けるのか」なんてやってたら遅いわけです。

理想的なのは、「●●テレビから取材依頼がありました。おそらく■■■店舗での撮影になるので、確認をお願いします」と営業担当に連絡し、5分後には取材OKの連絡が返ってくるくらいのスピード感です。

そういう関係値を作るためには、日頃から広報の重要性やテレビ取材のメリットを伝えることが大切です。メディアに出ることで利用者増加につながる点はもちろん、新規営業時の説明コストが下がるなど副次的なメリットも伝えます。

私が担当していたサービスも、テレビで紹介されたことで新規営業時に「テレビで見たよ!」と好印象で話を聞いてもらえたり、概要を知っていてくれることが増えて、営業しやすくなったそうです。こうした事業部側が嬉しいメリットもちゃんと伝え、協力体制を築くといいでしょう。

メリットに合わせて大事なのが、テレビ取材特有の事情。
急な依頼が来ること、取材中に何かと負担がかかること、取材の可否を確認した後でも取材が実現しないことがあること、場合によってはパートナーの偉い人のインタビューを撮影したけどカットされてしまった。なんてこともあります。(これは実際にあって営業担当から勘弁してよ〜!!ってめちゃ詰められました。)

また、これもテレビあるあるですが、特に報道番組の場合、大きな事件や災害があると予定していた放送が無くなったり、尺が短くなることがあります。無くなる場合も、延期するならまだしもそのままお蔵入りすることも。とても悲しいですが、致し方なし。

私はカルロス・ゴーンで放送が2回飛びました。

そういったネガティブな可能性も前もって説明して期待値調整しておくのはお互いのためにも非常に大切です。

②取材対象のリストアップと事前の取材交渉をする

事業部との協力関係を築いた次は、いつ取材が来てもいいように、取材対象のリストアップを行います。例えば取材対象となるパートナー企業が複数社いる場合は、どの企業は取材がOKで、どこはNGか。また、即日取材許可がおりる企業もあれば一週間前に申請が必要な企業もある。そういった細かい事情も含めて事前に把握しておくことが大事です。

また、以前はA社を取材したため次はB社、またはC社のプロジェクトを強調したい場合はC社を選ぶなど、営業担当と連携して取材対象を選定することも有効です。

そもそもどんな取材対象をリストアップするか、公式サイトやサービスなどで伝えきれない、映像じゃないと伝えられないシーンが撮れると良いです。例えばサービスの良さが伝わる裏側の仕組み、生産地がある場合は、生産地や生産者のインタビュー、パートナーやクライアントのインタビュー、利用者が実際に使っているシーンなどなど。

そしてリストアップするだけでなく、営業担当とも協力して、テレビ取材が来た場合に協力してもらえるか事前に取材交渉をしてしまいましょう。そこまでやってスプレッドシートなどにまとめておけると急な取材にも対応できます。ぜひやってみてください。

③取材可能なユーザーリストを事前に準備する

「サービス利用者の映像を撮りたい」もよくある話です。
利用者のシーンを撮影することで、映像としての説得力も増すし、シーンのバリエーションが増えれば、それだけ放送時の尺が長くなる可能性も高まります。そのため、可能な限りお客さまの撮影を実現したい所です。

実店舗がある場合など、常にお客さまがいる環境であればよいですが、ウェブサービスなどですぐにお客さまの撮影できない場合もあります。

そういった場合にも取材可能なお客さまのリストを事前に準備できれば、取材依頼が来た時にメールや電話ですぐに相談できるため、お客さまへの取材が実現しやすくなります。

リストの作る方法として、事業部が実施するサービス利用者向けのアンケート調査などに「テレビ取材の際に出演しても良い」みたいなチェック項目を用意してもらい、チェックを付けてくれた方のみリスト化する方法は有効ですし、実際にやっていました。

また、場合によってはオンラインやオフラインのユーザーインタビューを実施している場合もあると思います。実際にお話している姿が見れている安心感もあるため、そういった方にも相談してリストに加わってもらうのが良いと思います。

まとめ

そういうわけでこれまでの経験を思い出しながら、テレビ取材対応を成功に導くためのポイントをまとめてみました。たかだか50回程度の取材対応経験で何を偉そうに書いてるんだろうって思うけど、ざっと調べたところネットに有益な情報が出てこないので、私の経験でも役立ててもらえそうなので書きました。

テレビ取材対応した後はどっと疲れるし、思い出して「もっとこう動けたな〜」とか反省することも多かった。それでもテレビ取材は楽しいし、映像を見ると疲れも吹っ飛ぶ。(場合によっては真っ青になるけどw)

ぜひ広報の皆さん一度は経験してほしいし、このnoteが役に立ったら嬉しいです。参考になったらnoteのスキやシェアしてもらえると嬉しいです。

そして、皆さんのテレビ取材対応あるある、成功させるためにやってること、おもしろいエピソードなんかも教えて欲しいです!

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