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純粋経験 - 分断を乗り越える可能性

1. 西田幾多郎の「純粋経験」概念

西田幾多郎の「善の研究」を読み、その中の「純粋経験」という概念に非常に興味を持っています。純粋経験とは、私たちが思考や言語などで物事を認識し、善悪や価値などを判断する以前の状態での体験を指すそうです。


2. 純粋経験の体現者たち

特に、天真爛漫な子供たちや宗教家、芸術家、音楽家はこの純粋経験をより洗練された形で体験し、表現するようです。


3. 日常に潜む純粋経験

しかし重要なのは、こうした純粋経験は特別な人だけが体験する特殊な体験ではなく、実は私たちが日常生活の中であまり意識していないだけで、誰でも毎日体験しているということです。


4. 純粋経験の具体例

例えば、思いもかけず美しい光景に出くわした時や、突然愛の告白を受けた時、朝目が覚めた時など、確かに私たちの思考や言語以前の段階が存在します。その世界は、思考や言語で捉えられる世界とは比べものにならないほど広大で深遠なものなのです。これは多くの人が確認できるのではないでしょうか。


5. 純粋経験の現代的意義

では、なぜこうした純粋経験が今日重要だと考えるのでしょうか。それは、今日世界的な傾向として見られる様々な分断や対立に対して、一つのアンチテーゼ、あるいは解決の方向性を示す可能性のある視点だと思うからです。




野中恒宏

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