給与も休養もどちらも大切
職場で「がんばり続けること」が当たり前になると、疲れたとか弱音を吐くことが許されず、そうした言葉を口にするだけで周りから冷たい目で見られることがあります。その結果、自分の状態を伝えられなくなり、黙り込んでしまうこともあるのではないでしょうか。しかし、このように過度な頑張りが求められる職場環境では、過労死のリスクが高まるのは明らかです。
そもそも、私たち一人ひとりは他者の心の中を見ることはできません。自分の疲労や体調について言葉で伝えることが必要だと思います。そして、疲労と病気の間には明確な線引きがあるわけではなく、どこからが疲労で、どこからが病気かといった基準は社会的にも存在しません。そのため、自分の状態をしっかりと言葉で表現することが大切ではないでしょうか。
私たちが接する小学生たちは、周囲の反応を気にせず、自分の気持ちを素直に口にします。「疲れた」「つまらない」「帰りたい」などと、率直に自分の感情を表現します。もちろん、仕事ではそれが難しいと感じる人もいるでしょう。しかし、疲れや不調を無理に隠して働き続け、結果的に仕事ができなくなるほど体を壊してしまうのは大きな問題です。そうならないためにも、日頃から自分の弱さを正直に表現できる環境づくりが必要だと思います。
言い換えれば、互いの脆さを共有し合える関係や職場環境を構築することが重要です。このような「無防備さ」を共有できるからこそ、職場でお互いに支え合い、より協力的で健全な関係が築かれていくのではないでしょうか。