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誰もが依存症予備軍? 『のめり込む』から『依存』への境界線

依存症について最近読んだ本から学んだことを、皆さんと共有したいと思います。

依存症は、実は私たちの身近にある問題です。日常生活でよくある「はまる」「のめり込む」という経験が、時として依存症への入り口になることがあります。例えば、好きなゲームに夢中になったり、SNSを頻繁にチェックしたりする習慣は、誰にでもあるでしょう。これが依存症と異なるのは、社会生活への影響の度合いです。仕事や学業に支障をきたしたり、家族との関係が悪化したりするほど深刻化すると、それは依存症の領域に入ってくるのです。


依存症の根底には、必ずと言っていいほど「生きづらさ」が潜んでいます。これは氷山の一角のようなもので、表面に見える依存行動の下には、様々な心の痛みや孤独が隠れています。例えば、過去の人間関係で深く傷ついた人が、「裏切られない」ペットに過度な愛着を持つようになるケース。あるいは、職場でのストレスから、お酒に逃げ込んでしまうケース。これらは、つらい現実から目を逸らすための一時的な「麻酔」のような役割を果たしているのです。




松本俊彦さんは、依存症を「孤立の病」と表現しています。これは非常に示唆に富む指摘です。回復への道のりで最も重要なのは、実は「人とのつながり」を取り戻すことなのです。専門家による治療も大切ですが、それだけでは不十分です。家族や友人のサポート、自助グループでの交流など、人との絆を再構築していく過程が不可欠です。

回復において大切なのは、「強くなること」ではなく「賢くなること」だと松本さんは述べています。これは、依存症と戦うのではなく、上手に付き合っていく術を身につけることの大切さを示唆しています。再発の可能性も含めて、長期的な視点で自分の回復プロセスと向き合うことが重要なのです。

依存症は決して特別な人だけの問題ではありません。誰もが当事者になる可能性があるからこそ、私たちは偏見を持たず、理解を深め、支援の手を差し伸べる必要があるのではないでしょうか。​​​​​​​​​​​​​​​​

野中恒宏

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【参考文献】
松本俊彦「最強にわかる依存症」

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