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卒業生・卒業生保護者からの贈り物は受け取って良いのか問題

こんにちは。走りに行こうとしたら右脚に痛みが・・・
原因は分かりませんが、きっと休めと体が言っているのだと、
勝手な言い訳をして、走りませんでした。
戦略的撤退とでも言いましょうか。
Mr.チキンです。
今日は、この季節に地味に教員を悩ませる、卒業生からの贈り物についてです。

卒業生からの贈り物

卒業シーズンですね。感染症対策は施しながらも、
少しずつ保護者を招いての卒業式ができるようになってきているようです。
私も卒業担任をしていたことがあるのですが、
卒業生や卒業生の保護者から、ハンカチなどのお心遣いをいただくことがあります。
一年間の縁を大切にしていただいたような気がして嬉しい反面、教育職公務員として勤務していることから、贈り物を受け取っても良いのか?という思いもありました。

卒業生からの贈り物についての判例

以前、こちらの本を読んでいたところ、次のような判例を見付けました。

国立和歌山大学教育学部付属中学校教諭が、生徒の保護者から12万円の贈答用小切手を受け取ったとして起訴された。(教諭は当時月収3万6000円)

受け取った小切手の内訳は二つに分けられます。

  1. 新規にその学級を担任することになった保護者から、贈答用小切手を受け取った。

  2. それまで2年間にわたって学級担任として教育指導を担当してきた保護者から、贈答用小切手を受け取った。

単純収賄罪にあたるかどうかということについて、この裁判は最高裁まで争われます。弁護側は「小切手が社交儀礼の範囲を出ないものである」こと、そして「一部は職務外の指導に対する報酬でもある」ことから、単純収賄罪を否定しますが、高等裁判所までは被告人に有罪判決を出しています

果たして最高裁はどう判断したのか?

最高裁判所は、高等裁判所に破棄差し戻しをしました。
内容については、簡単に言うと以下の通りです。
(詳しくはお調べください)

  1. については、かねてから教員に対しては季節の贈答や学年初めの挨拶を慣行していたものであって、社交儀礼を超えるものではない

  2. については、保護者からの特別の依頼要望に応えて私生活上の時間を割いて面倒を見ていた。それにたいしておのずからの敬慕と感謝の念を抱くことは人情の自然である。教員への謝恩的贈答は、形式こそ本件の場合と異なるが、一般的に見受けられる公知の慣習的儀礼として承認されている

以上のことから、単純収賄罪には問われないという判断でした。
このケースの場合は、社交儀礼や慣習的儀礼を逸脱しない限り、法に抵触しないということが言われています。

では、実際問題

と、法的には条件が整えば問題ないことが分かりました。
(さすがに月収の3倍近くはもらいすぎだよなぁと思いますけれど(笑))
実際問題どうするかは、各自の責任となりますが、
金銭的な贈り物だった場合は、私なら

お気持ちのみでありがたいですよ。今年一年私も幸せでしたので、私の方が感謝したいくらいです。

などと伝えてお返しするかもしれません。
ハンカチや花などについても同じですが、返されても却って迷惑かもしれませんので、思い出話を語りながらいただくこともあるかもしれません。
大切なのは”気持ち”であること、そして、思い出を語り合う時間をともに過ごしたいということかなと思います。
そんな卒業式が迎えられたら、幸せですよね。
では、またね~!

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