✓無人島のふたり
▽あらすじ
思いがけない大波にさらわれ、夫とふたりだけで
無人島に流されてしまったかのように、
ある日突然がんと診断され、
コロナ禍の自宅でふたりきりで過ごす
闘病生活がはじまった。
58歳で余命宣告を受け、
それでも書くことを手放さなかった作家が、
最期まで綴っていた日記。
▽印象に残ったフレーズ
▽感想
ある日、余命宣告を受けて、
死が目の前に来るまで日記を書けるだろうか。
10年や1年などではない。
4か月、3か月、なのだ。
今度これしようね、これ見たいね。ができない。
山本さんもずっと書いていたけど、
この漫画の発売日、このお菓子の発売日
今自分が手掛けている本の出版、
ドラマは見れない、母より先に死ぬ。
そんな事ばかりなのだ。
自分が思い描いていた最後ではなかった。と。
それを自分にあてはめてみたら
涙が止まらなかった。
死ぬ恐怖、娘を置いていく恐怖
1番に娘のことを考えた。
いつまでも健康なんてきっと
この世で一番普通で贅沢なことなんだ。
旦那さんの様子も書いてあったけれど
ある日突然、栓が外れたように
泣き出してしまったり、
先のことを話していると涙が出たり、
1人になりたいと飲みに出かけたり
(この旦那さんの飲みに行く断り方は
夫婦の信頼あっての断り方だなと思った。
普通というか、最期が迫っている病人を前に
その人の最期を思って泣いたり
1人で飲みに行くことはなかなかできないなと)
闘病している本人もだし
それを支えいる旦那さんも次に辛い。
こんな知り方も悲しいけれど
この作者の山本文緒さんの代表作
『自転しながら公転する』も
読んでみようと思った。
無人島のふたり-120日以上生きなくちゃ日記/山本文緒/新潮社
↳試し読みもありますので、ぜひ