空飛ぶ布団主宰 - 父に
インプロの「Yes, and…」ワーク
『LISTEN』で読んだのをきっかけに、
インプロのワークショップに参加してみました。
「Yes, and...」という、いったん相手の話を受け止めてから
話を発展させていく協働ワークをしたのですが…
ん?このワーク、なにやら懐かしい感じがする…
よく考えてみると、これ、
小さい頃、家でやっていた「空飛ぶ布団」遊びに似ている!?
「空飛ぶ布団」遊びの思い出
「空飛ぶ布団」は、幼稚園ぐらいの頃、
寝かしつけの際に父がしてくれた遊びです。
父と兄と私の3人で「空飛ぶ布団」に乗って
世界を飛びまわっていることにして、
みんなで言いたい放題、ストーリーを継ぎ足していくのです。
ストーリーといっても、特にすごい筋があるわけではないのです。
「あ、お城が見えてきた!降りて行ってお茶しよう!」
「あ~、美味しいねぇ、このお茶!
おっと、お庭にオレンジの木が!
飛んで行って食べよう!」
「むしゃむしゃ!おや、お隣は動物園だね!
飛んで行ってキリンにオレンジが好きか聞いてみる!」
という具合。
他愛ないですね。
でも、兄も私もこの遊びが大好きでした。
空飛ぶ布団が意味していたこと
子供を持つ前は、あの「空飛ぶ布団」は、
父がひどく疲れた日に、読み聞かせよりラクな寝かしつけ法として
思いついたのかしら、ぐらいに思っていたのです。
でも、育児を経た今は、
あれは父が役割や義務や常識といったものから
魂を解き放ち、素の自分に遊ぶ
貴重な時間でもあったのだろうな、と
想像できます。
と同時に、兄と私に対して、
思考の中に無辺の時空が広がっていることを伝える、
父親としての願いのこもった時間でもあったのかもしれない。
矛盾するかもしれませんが、
そんなふうに思います。
父がインプロを知っていたかどうかは分かりません。
ただ、十牛図の話を幾度となく兄や私にしてくれ、
「コンプレックスには、inferior complexだけでなく
superior complexもあるんだよ」と言っていた父。
インプロと同様に、とらわれを手放し、
ありのままながらに縦横自在に善である状態を
志向していたのかもしれません。
父に贈る最高敬称
そんな父に、インプロから刺激を受けた私が
今、贈りたいニックネームは、「空飛ぶ布団主宰」です。
いや、ニックネームというよりも、最高の敬称かも?
「国王陛下」の持つ領土や権力は、いつか奪われるかもしれません。
「社長」の持つお金や権限も、いつ失われるか分かりません。
でも、空を飛ぶ力(イメージする力)は?
それは、誰にも奪うことができません。
それは内から湧き出し続け、
無限の可能性を持っています。
親から子に贈れるものとして、
空を飛ぶ力以上の何があるでしょうか?