15年近く続いていた爪噛みをようやくやめられました
現在23歳。物心つくころには爪噛み癖がついていました。人前では絶対に噛みませんが、ストレスが溜まった時、何となく手持ち無沙汰な時、人と交流して気を遣った時……あらゆる場面を経験したあとには爪を噛み、いつの間にかほとんど伸びなくなっていました。爪噛みが原因で病気にかかり、出席停止に至ったこともありました。
爪噛みをやめるために、苦いトップコート、絆創膏でぐるぐる巻き、あえて爪をこまめに切る、深爪矯正……色々試しましたが気づくと爪がボロボロになっており、日中は何とか気をつけても、寝ている時に無意識に噛んでいることもありました。
当時の爪はこんな感じ。
爪の大きさは赤ちゃんとほとんど変わらず爪の周りもささくれだらけで、バイ菌が入って腫れたり膿んだりを繰り返していました。爪噛み特有の白斑も見られます。人前では指先をなるべく見られないよう、握り込むなどして隠していました。
現在、爪噛みを克服して3ヶ月ほど経ちました。「爪を噛みたい」という欲求が抑えられており、今のところあらゆる方法を試す中での最長記録。今の爪はこんな感じです。
まだまだ伸びしろ(爪だけに)はありますが、爪周囲の腫れは引き、形も少しずつ整ってきたと思います。
大人の爪噛み癖に悩む方に届けばと思い、私がこれまでに試した方法、克服できた方法をすべて記録します。
(失敗その①) 爪噛み防止トップコート
小さい子どもの爪噛み防止にもよく用いられるものです。Amazon等で購入できます。
強烈な苦味がするトップコートで、爪噛みを避けられるのですが、口に入れても安全な素材で出来ており、爪の美容成分も含まれています。
私もこれを購入し使用しましたが、耐えられる苦さで効果がありませんでした。
それよりも「爪を噛みたい」という欲求が勝り、最終的にトップコートを剥がしてしまいました。苦味耐性は個人差がありますが、あくまで爪を噛み始めたばかりの子ども向け商品だと個人的に感じています。
(失敗その②) 絆創膏で爪を隠す
最も手っ取り早く、簡単な方法で「爪噛み 対策」で検索しても必ず出てきます。しかしこれも爪噛み防止トップコートと同様、何年も爪噛み癖がついている私には効果がありませんでした。
爪噛みはストレスや不安など、ネガティブな感情を解消するための行動です。私は小さい頃からストレスの対処方法を爪噛みに依存していたため、絆創膏ですべての指をぐるぐる巻きにすることは逆にストレスでした。
(失敗その③) こまめに爪を切る
爪が長いと噛みやすくなってしまうことから、あえて白い部分を切ってしまい、噛む部分を無くしてしまう方法です。文字に起こすだけで痛々しいのですが、私は白い部分がなくても爪をいじったり噛んでしまうので、これも効果がありませんでした。むしろちまちま爪を切り続けていたことで、二枚爪など爪そのものへのダメージが余計大きくなってしまいました。
(失敗その④) 深爪矯正
深爪矯正を専門とするネイルサロンに行き、半年いかないぐらいの期間、施術を受けました。甘皮処理や保湿の方法をプロの方に教えて頂き、自爪のケアを施しながら歯では噛みきれない硬い特殊なジェルを使って自爪をコーティングしました。さらに正常な長さの爪の生活に慣れるよう、同じジェルで長さ出しをしてもらっていました。見た目は全く自爪と変わらず、むしろ形がとても綺麗なので爪を噛みたいという欲求は少しずつ減っていました。また、甘皮処理やネイルオイルの使用など、爪に対する適切なケアを教えてもらったことで深爪でもできるケアがあるのだと自信がつきました。
正直あのまま続けていれば克服出来たかもしれないのですが、学生の私には値段が高く続けづらかったこと、施術を受けた翌日うっかり転倒してしまい、手をついた際に長さ出ししたばかりのジェルネイルが折れてしまったことで、通うのをやめてしまいました。
以上が、これまでに試して上手くいかなかった爪噛み癖防止対策です。これ以外にもネットで調べて出てくる方法はあらかた試しましたが、どれも上手く行きませんでした。
続いて、現在続けている爪噛み対策と、克服できたきっかけを紹介します。
長年続いた爪噛みを克服した方法
それは、セルフで行うジェルネイルでした。
元々爪噛み対策と関係なく、マニキュアを使ってネイルすることが好きでした。爪噛み対策としては全く効果がなく、剥がれてきたところから噛んでいました。ジェルネイルを始めたのは、マニキュアはせっかく塗っても乾燥しきらないと台無しになってしまうからです。実際、ジェルネイルはライトに当てればすぐ硬化して崩れないのでかなり便利です。
ジェルネイル自体は失敗その④であげた深爪矯正と変わらないように見えますが、費用が安く済んだこと(百均やネット通販で材料を揃え、初期費用は5000円程度)、自分で好きなデザインを色々試すことが出来たことで爪を綺麗に保つモチベーションができました。
さらに、ネイルチップを使用して長さ出しを行ったことも大きいです。深爪矯正では自爪と同じ見た目のジェルを自爪の先端に塗り、長さ出しをしていましたが、セルフネイルではプラスチックのつけ爪を自爪の上から貼り付け、カラーをしていました。「爪になにか付けている」場合、それが簡単に取れないと私は爪を噛みたい欲求が起こらないので、ジェルでしっかり覆って綺麗に飾ったことで、爪噛み欲求が起こりにくくなりました。
生まれて初めて自分でジェルネイルをした時は、とにかく楽しくて可愛い、嬉しい!という気持ちでした。初めてのデザインはこんな感じです。
プロのネイリストさんみたいにはいきませんが、個人的には物凄く好みのデザインに仕上がりました。
さらに私はピールオフジェル(削ってオフする普通のジェルネイルではなく、オイルなどを垂らしてぺろんと剥がすタイプのジェルネイル)を使用していましたが、何度か練習するうちに2週間ほどネイルをキープできるようになりました。すると、自爪も保護されたままニョキニョキ伸びてきます。元々は赤ちゃんのように小さかった爪から、硬くて白い部分がしっかり伸びてきたことで達成感を覚え、せっかく伸ばした爪を噛みたくないという気持ちが強くなっていきました。
今思えば、ガタガタでボロボロの爪の時ほど「もっと綺麗にしたい」という感覚でガタガタ部分を噛むことが多かったように思います。爪が伸びて綺麗になっていくことでその気持ちも落ち着き、気づけば爪を噛もうという欲求はほとんど無くなっていました。
しかしジェルネイルはかなり爪に負担がかかります。続けていくうちに自爪が薄くなり、硬化熱に耐えられなくなってきたので現在はポリッシュ(塗って乾かすタイプのマニキュア)に切り替え、保湿をこまめにしながら休憩中です。以前はマニキュアを塗ってもすぐ剥がしてしまい爪を噛んでいたのですが、自然と禿げてきても噛みたい欲求があまり起こらず、成長を感じています。
爪を噛まないために
とはいえ、今でもたまにどうしようもなくストレスが溜まった時や、何気ない瞬間に爪を噛もうとすることがあります。自爪のままだとその傾向が強くなるため、特別な用事がある時以外は常にネイルをしています。
これまであらゆる方法を試してきた中で、個人的に爪噛みを防ぐためによかったことをまとめます。
まず、先述したように爪の形を綺麗に保つことです。
私の場合はジェルネイルで自爪を覆い隠すことで噛みたい欲求を抑え、綺麗に保つためのベースを作ることが出来ました。今まではここに辿り着くことがそもそも出来なかったので、1番の難関だと思います。はじめて爪の白い部分が長くなって、爪切りを使ってパチンと切った時の感動は忘れられません!(長すぎるから爪を切るなんてことは今までの人生でなかったので)
さらにそこから少しでも爪がガタガタだと噛んでしまうので、ヤスリがけをしたり甘皮処理を行って形を整え、毎日ネイルオイルで保湿をしています。ささくれが出来ても噛みそうになってしまうからです。自分がどのような爪の状態で噛むか、噛まないかを分析して、それに合わせて形を綺麗に保つようにしました。
次に、爪噛み以外のストレス発散方法を見つけることです。ストレスを感じた時に爪を噛むといっても、具体的にどういう時に爪を噛みたくなるのかを知るのは大切だと思います。私の場合、特に人と話したり関わったあとに爪噛み衝動が強くなることに気づきました。これは友達や家族も含まれていました。気を許しているか許していないかは関係ないようです。おそらく、気遣いや周りに見られているという感覚が疲れやストレスとなって、無意識のうちに溜まっているのだと思います。そのため、人と話したあとは自分一人の時間を十分にとる、モヤモヤしたことや嫌なことがあったら日記に書く、一人の時間を過ごす時はSNSや他人の動向を見られるコンテンツを完全にシャットアウトする、など自分の気持ちを落ち着けられる方法をいくつか見つけました。自分をいたわる方法、ストレス対処法をこれらに切り替えたことで、爪を噛みたいという欲求が抑えられました。
以上、これらの方法を使って私は現在、長年続いた爪噛み癖をなんとか克服できています。あと3ヶ月、トータル半年爪噛みをしないようにして、ネイルサロンのお手本のような縦長の美しい爪にすることが目標です。
とはいえ、まだ完全に克服できたわけではありません。ただ爪が長くなってきたから噛みたくないというだけで、ボロボロの爪に戻ったらやはりまた噛んでしまうと思います。克服というよりは、爪噛み癖から少し距離を置けるようになった、という方が感覚的には近いです。
それでも爪噛み以外のストレス対処法を学んだことや、爪を隠さなくても堂々と手元を出せるようになり、以前のようなコンプレックスは無くなりました。
今回紹介した方法はあくまで私が上手くいったものであり、全ての人がこの方法で上手くいくとは限りません。
それでも、爪噛み癖に悩む方がいれば、同じように悩んでいる人間が他にもいるということ、癖と上手く距離を置く方法が見つけられるかもしれないということで、この記事を書きました。
爪噛みに悩む大人は深爪矯正サロンの方曰く、かなり多いようです。年齢も性別もあまり関係なさそうです。
それでもいつか、この記事を読んだ方が爪噛み癖を克服できるように。まだ克服途中の私ですが、心から応援しています。