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多摩川歩けば鳥にあたる:恋の季節を迎えた野鳥たち

2月の日曜早朝。
この日も人の少ない所で探鳥したいと、多摩川を目指した。
最近月1回のペースで訪れている多摩川流域。
散歩しながら色々な鳥に出会える。

6時過ぎ、拝島駅到着
駅から朝焼けに染まる富士山が見える
多摩川河川敷に到着
ツグミ「あら、今日もいらしたの」

この日は‐3℃まで冷え込んだ河川敷。
着込んでいるとはいえ、外気に触れる鼻やカメラを押す指が痛い。
こんな冷え込んだ朝は、太陽の温かさが有難い。
有り難いのは彼らも同じようだ。

じっと朝日を浴びるカワラヒワ
同じくアオジ
まん丸ツグミに
まん丸ホオジロ♂
寒いのか動こうとしないキジバト

寒いとモフモフまん丸になる彼ら。
可愛い姿に会えるから、寒いのも我慢できる。

朝から元気に鳴いていたのが彼らだ。

外来種、ガビチョウ

と、少し大きめの鳥が枝に留まっているのが見える。

シメ♀でした(枝かぶり)

シメは今年初めてかも。
大きなクチバシを持つシメは冬に本州にやってくる冬鳥だ。
お久しぶり。

日が昇ってきた
オオカワラヒワがいた

カワラヒワより三列風切羽の白が目立つオオカワラヒワ。
カワラヒワの群れに紛れていた。

シジュウカラが早くもツツピーツツピーと春を告げている

川沿いを北へ歩いていると、少し先からココココとドラミングが聞こえる。
すぐ傍が住宅街だけど、こんなところにキツツキがいるのかな。
首を傾げつつ、音の主を探す。

こんなところ
アオゲラがいた
木の上で佇んでいる

アオゲラは木のてっぺんでしばらく佇んだ後、南の方へ飛んで行った。
アオゲラって森の中にいる印象だけど、こんな住宅街にも現れるんだ。
どこかへ行く途中だったのだろうか。
会えると思っていなかったから、ラッキーな気分になる。

この日の多摩川沿いは小鳥が次々に現れる。
その度に足止めを食らい、なかなか前へ進めない。

これだけカワラヒワが留まっていると私のカメラはピントを合わせられない
その近くにモズ♂がいた

さらに歩いていると、目の前にシュッと一羽の鳥が留まる。

ジョウビタキ♂

人懐っこいジョウビタキ。
ジョビ男さんは私の前でポーズを決めてくれた。
ありがとう。
ふと、近くにもう一羽いるのに気づく。

ジョウビタキ♀。留まる枝が痛そう

ジョビ男さんにジョビ子さん。
そういえばそろそろ繁殖の時期。
もしかしてカップルなのかな。
そうだとしたら、子育て頑張ってね。

キジバトが藪の上に集まっている

藪の上は温かいのだろうか。
冬は温かい地域に移動するというキジバト。
他の野鳥に比べて寒がりにみえる。

日が昇るにつれ、先ほどまでかじかむようだった寒さは和らぐ。
空は気持ち良い快晴だ。
足取りも軽くなる。

抜けるような空
梅があちこちで咲いている
黄色鮮やかなラッパスイセン

歩く私のすぐ横でジュリリ、ジュリリとエナガが枝を飛び回っている。

すばしっこいエナガ
シマエナガ並みにモフモフ
エナガ「僕らも可愛いんだぞ」

珍しく目の前でポーズを取ってくれたエナガに、私はキュン死する。
そんな私にかまわず、小鳥たちがどんどん出てくる。

あ、またシメだ
ホオジロ♀

この辺はスズメ以上にホオジロやカワラヒワがいる気がする。
彼らはスズメより歌が上手だから、耳でも楽しめそうだ。

ようやく散歩のゴール、羽村堰が見えてきた。

イカルチドリ

と、またも目の前に彼が登場する。

ジョビ男
はい、逃げられました

少し離れたところからヒッヒッと声が聞こえる。
誰だろう。

ジョビ子「わ・た・し」

彼女の声に反応したのだろうか。
すぐそばに先ほどのジョビ男なのか、狭そうに同じ柵に留まっている。

ジョビ男「僕と付き合おうよ!」
ジョビ子「いや!(頭にゴミつけてカッコ悪いし)」
ジョビ男「何で僕の事いやなの?(ショボン)」
ジョビ子「私、綺麗好きなヒトが好きなの!」



いかん、いかん。
また写真で一人遊びしてしまった。

別の場所で、こちらもオスとメスつがいで餌を探していた。

美人さんのモズ子さん
イケメンのモズ男

春の訪れを感じるこの時期。
野鳥たちはあちこちで恋模様を繰り広げているんだろうね。
命をつなぐために一生懸命生きている彼らが眩しく見える。

ようやく羽村堰に到着。
水辺を見渡してみる。

1羽、見慣れぬ白い鳥がいる
(拡大写真)ミコアイサ♂だ

初めまして、ミコアイサ。
パンダガモとも呼ばれ、恋の季節を迎えたオスは白い羽が美しい。
巫女の白衣装に似ているからミコアイサ。
冬にだけ見られるカモだ。

ミコアイサをもっと近くで見ようと急ぐ私の頭上から、美しい声が降ってくる。

イカル登場

ミコアイサを見たいが、イカルのトラップに引っかかる私。
同じくイカルを見つけた若者たち。
「ヤマガラだ!」「いや違うよ」と野鳥図鑑を覗き込んでいる。
イカルだよ、とカメラを覗きながら心の中でつぶやく。
彼らが野鳥に興味を持ってくれたのが嬉しい。

イカルを写真に収めた後にミコアイサのいた場所に急いだが、すでに彼は姿を消していた。
むむむ、残念。
また今度、近くに現れてくれることを期待しよう。

カンムリカイツブリは残っていた
低空飛行するトンビ

次々に現れる野鳥たちに夢中になり、気がつけば4時間以上が経っている。
この日出会った野鳥は、ライファー1種類を含む35種類。
普通に歩けば2時間の距離だが、あちこち寄り道して私の足は悲鳴を上げている。
今日はもう満足、帰ろう。
羽村堰を後にする。

最後まで気持ち良い天気でした