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体当たりな不妊治療のおはなし

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不妊治療を通して、本当にいろいろと学びました。まだまだこんな経験ができて本当に良かった!とまでは言える境涯にはありませんが、人生って本当にドラマチックだなって思います。夫以外は知…
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7. 夫に別居を切り出した時のこと

散々現実逃避をした私は、もう一度「子供が欲しい」という気持ちに向き合いました。いろいろな事情が重なり、夫と別居することに。 別居の経緯ちょうどその頃、仕事で一年間、遠方の部署に異動する話があった。私の会社は良心的であり、通勤時間が極端に長くなる場合には断ることができた。しかし私はこの話に乗ることにした。そして、長時間の通勤ではなく、新しい職場の近くに部屋を借り、そこに住むことにした。 そうした理由には大きく2つある。 一点目に、純粋にキャリアアップのためだ。この仕事のポ

8. 紆余曲折後、漸く不妊治療へ

夫のフーナーテスト拒否、私の自暴自棄、そして別居と、紆余曲折ありましたが、今度こそ夫婦揃って不妊治療クリニックの門を叩くことに。  別居中の生活と体と心の変化別居中は夫と頻繁に連絡を取り合った。お互いの誕生日と年末年始だけは一緒に過ごした。 私は基礎体温を毎日欠かさず計り、ジム、ホットヨガ、英会話教室に通い、生活リズム、食生活を見直した。たまに吸っていたタバコもキッパリ止め、心身の体調管理に徹した。正直に書くと、お酒はやめられなかったが、頻度と量を決めて飲み、記憶をなくし

6. 自分に嘘をつかないこと

現実から逃れるため、浴びるようにお酒を飲むようになりました。全く楽になることはなく、苦しみは増していきました。そこで、もう一度自分の気持ちに向き合うことに。 心療内科やメンタルクリニックを調べるこのままではいけないとは思ってはいた。ただどうしたらいいのかわからなかった。気軽に誰かに相談できるような内容ではなかった。 お酒飲んでは自己嫌悪、記憶をなくす、夜になると涙が溢れる、お酒なしでは朝まで眠れない。普段何もないときでも涙が溢れるようになった。そしてまた飲みに行く。抜け出

5. 不妊治療と現実逃避

不妊治療ができない、子供を持てない、生きていても意味がない、と思いつめた結果、私は現実逃避に突き進みました。 ※引き続きとてもネガティブな内容ですのでご注意ください。 現実はなかなか逃してくれない日中仕事をしている間だけは、不妊治療のことを忘れることができた。しかし、それ以外の全ての時間を、不妊に思い悩むこと、幸せな人を羨むことに費やした。 このままでは本当に心の病気になると恐れ、できるだけ他のことを考えようとした。 おいしいものを食べに行った。何を食べても味がしない

4. 不妊治療できないノイローゼ

夫に不妊治療を断られたと思い込んだ私は、どんどん思いつめていきました。他人を羨み、この先生きていても仕方がないのでは、とさえ思うように。 ※かなりネガティブな内容ですのでご注意ください。 幸せ家族が羨ましい妬ましいそれまでの私は、街中で赤ちゃん連れや子連れの人、妊婦さんを見かけたとき、微笑ましく温かい気持ちに満たされた。よく言われているような、嫌な気持ちや複雑な気持ちになる不妊治療中の人のことが理解できなかった。というか、正直少し軽蔑していたのかもしれない。 夫がフーナ

3. 不妊治療ができず夫を責める

夫にフーナーテストを断られ、クリニックに怒られ、不妊治療を続けることができなくなりました。そしてだんだん夫を責めるように。 夫を責める私も既に高齢出産の年齢だったが、夫はさらに年上。結婚前、真剣に子供について話し合ったことはなかったが、当然欲しいという気持ちは持っていたと思う。 フーナーテストさえも拒否ということは、子供なんていらない、と言っているに等しいではないかと夫を責めた。若ければ、自然にできちゃったね!もあり得るだろう。私は夫に、子供は諦めろと言われたんだ、と思い

2. 始まる前に終わった不妊治療

結婚し、すぐに始めようとした不妊治療。 夫の思わぬ拒否により、本格的に始める前に終わってしまいました。 夫にフーナーテストを断られる 体外受精専門クリニックに何度か通い、私の方の検査はだいたい終了した頃、フーナーテストをする段階に来た。フーナーテストとは、指定された日の前日に性交渉を持ち、翌日来院して膣内の精子を調べる検査であり、当然夫の協力なしには不可能である。 夫は快く協力してくれるものと思い込んでいた。ところが、フーナーテストの説明をし、協力を依頼をすると煮え切ら

1. 不妊治療を開始しようとしていたときのこと

子供が欲しいという気持ちが強くなり、不妊治療を調べ始めて、手っ取り早く体外受精から開始しようと決めました。 子供が欲しいという気持ちが芽生え、強くなる 結婚する前は、正直子どもを持つことについて深く考えたことはなかった。人間誰しも、当然いつかは必ず子どもができるものと思いこんでいたのかもしれない。それよりも、目の前にある仕事、プライベートに夢中だった。 結婚してから、自分でも驚くほど私は子どもが欲しいという気持ちを強く自覚し、どんどん高まっていくのを感じていた。既に高齢出