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昨今の人事周辺の環境変化と人事データ

昨今の人事周辺の環境変化

中途採用が増えている。若手もベテランも価値観がバラバラ。社員は多国籍。意見は異なり、文句を言い合いながら働く人も少なくない。昔は違ったらしい。新卒が多く、似たキャリアプラン。今は多様性につぐ多様性。リモートワークなんてものも増えて、隣の人とも話せない。それは私だけか。同僚とは団結しにくくなっているのではないだろうか。

こんな状況だから、社員の声が届かない。どうにか踏ん張っているかもしれないが、耐えきれずに退職するかもしれない。人事が情報を拾い、行動を起こす必要がある。人事は忙しいことは分かる。給与計算、労務問題、評価業務、採用、労災、年末調整、インターン、制度企画、研修、入社式、問い合わせ対応、社会保険手続...。だが、それでも、今まで以上に能動的に情報を拾って、行動を起こす必要がでてきている。

ピープルアナリティクスとは人に関わるデータの分析のこと

ピープルアナリティクスというのは、カタカナで敬遠したくなるがが、優れモノである。企業の意思決定精度や従業員満足度を高める目的で、人に関わるデータを活用するというもの。社会があまり変化しなければ、勘やノウハウが大事だ。

だが、今は社会の変化が早すぎる。怖いくらいに。数年前と比べて、社員の性格も業務環境も、業務内容も違う。勘だけではダメだ。社員のニーズや不満をどのようにしてタイムリーに知ればよいのか。それが、ピープルアナリティクスとなる。

ピープルアナリティクスを活用すると、何がよいのか

人事施策に関わる考えや根拠、予想に数字を利用できるようになる。なので、数字によって、関係者のコンセンサスが得られる。全部じゃないが、従業員の情報の一部を可視化でき、その変化から未来を予測できる。

パルスサーベイや日報を活用すれば、モチベーション変化を検知できる。働き方と業務アウトプットの相関がわかれば、働き方をレコメンドできる。業務要件とスキルが見えれば、社員が就きたい希望ポジションに対する、獲得すべきスキルをレコメンドできる。

しかし、ピープルアナリティクスの導入は進んでいない

アッテル社が、2022年HR担当者300人にアンケートを実施。「あなたの会社でピープルアナリティクスをどの程度取り入れられているか」という質問の回答。6割弱が導入できていない。成果につながっているのは数%。

出典:日本企業のピープルアナリティクス現状調査2022 | 株式会社アッテルのプレスリリース

PwCコンサルティングの2022年の日本企業151社に対する調査結果では、人事データ活用の取り組みは微増、50-60%前後を推移。

出典:ピープルアナリティクスサーベイ2022調査結果(速報版)| PwC Japanグループ

なぜ導入が進まないのか。それはいくつか理由がある。データはあるが、分析しやすい状態ではない。人事システム、ファイルサーバ、紙、Excel、PDF、なんならフロッピーディスクも古い棚から出てくる。分析作業そのものも簡単ではない。営業データやマーケティングデータほど、データ数も少ない。人だから百人十色だ。ほんとに難しい。じゃあ、どうすればいいのか。

小さく始めるピープルアナリティクス

小さく始める。データサイエンティストを雇って、最新鋭のシステムを導入し、ピープルアナリティクスタスクフォースを形成、なんてことはずっと先でいい。徐々に大きくすればよい。まずはExcelで、手元のデータを使って、小さく始める。コツコツすすめる。

繰り返しになるが、人事は、今まで以上に能動的に情報を拾って、行動を起こす必要が出てきている。先日、Udemyでピープルアナリティクス導入ガイドを作成、リリースした。この記事で、コース内容について、書きすぎてしまった感がある。ミスった。でも少しはプラスアルファで参考になると思うので、もし興味あれば、無料公開部分からどうぞ。


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