AIへの向き合い方、芥川賞受賞作
先日、芥川賞の受賞作が発表された。読書量が決して多いとは言えないけど、自分も本好きの端くれ。一応毎回受賞作がどんなものかというのは気にしてる。(ほとんど読んでないけど)
今回の受賞作は九段理江さんの『東京都同情塔』という作品だった。
昨今なにかと話題のAIを題材とした小説らしい。今回の作品は気になったので購入しました。これから時間をかけて読みます。
本に対する感想は読んでからまた別の機会に書くとして、
今回気になったのは
作者の九段理江さんの発言とそれに対する世間の反応
九段理江さんはインタビューで
と発言したらしい。
自分的にはこれは素晴らしいし、良い事だと思う。
でも、どうやら世間の反応は違うらしい。
「AIに頼った作品は果たして自分の実力なのだろうか」
「生成AIを使った作品は芥川賞にふさわしくない」
「盗作だ」
そんな声がネット上で多く見られた。
(少数派の声が大きいだけかもしれないけど)
こういう声があることはちょっとショックというか、
「なんで??」
って思う。なんでそんなに批判的な意見があるんだろう。
自分的には今回みたいにAIを駆使して作品を作ることは全然ありだと思う。
全然ありだし、これからはそういう時代になっていくんだと思う。
生成AIというものが生まれてからそれに対する向き合い方を考えなきゃいけない世の中になって色々な問題が出て来てるのはもちろん知ってるし、危惧してる。
でも、今回の件は批判されるべきことじゃないし、なんなら賞賛されること
じゃないのか??
AIと協力して今まで人間が辿り着けなかった表現を作りだすことができ、
しかもそれが歴史と権威ある賞に選ばれるほどの作品に仕上がった。
これ以上ないほどAIの正しい使い方じゃないか、何が間違ってるんだ
これを批判してる人たちは一体AIに何を期待してる?
AIに対して何か質問をして、頓珍漢な答えが返ってきて、それが
SNSで話題になる。面白いね
それが生成AIの正しい使い方だと思ってるのか?
生成AIってのは人間には不可能な情報処理、情報収集、計算を行って、そこに人間がアイデアを見出して人間の能力を100%以上引き出すっていうのが正しい使い方だと思うし、AIの精度と人間の技術が発達してやっとそれが実現できた、それが今回の芥川賞受賞。
喜ばしいこと過ぎるでしょう。九段理江さんは小説を書く能力も最新技術に適応する能力も人一倍だったから受賞できたんでしょう。
どこに批判する余地があるんだろう
もちろん、生成AIに他人の作品を読み込ませてそれに則って書くように指示を出してたのだとしたら「盗作だ」という批判は真っ当なのかもしれないけど、仮に誰かの作風やアイデアを奪って書いた作品だとしたら審査員には分かるんじゃないかな。審査する方も毎年やってるプロ中のプロなわけだし、その人たちが「これは盗作ではない」って判断したなら、そこに素人の外野の意見が入る余地は無い。
まだAIが『新しいもの』として扱われていて、法整備とかモラルとかマナーとか、決まり事が追いついてない状況で何が悪くて何が良いのか判断するのはとても難しいことだけど、AIの力を使って成功を収めた人は賞賛されるべきだと思う
それを賞賛しない人は何が正しいAIの使い方だと思ってるのか教えてほしい
そこに何か考えがあるなら。
(このnoteを書いてる時点で『東京都同情塔』は半分くらい読み終わってるのですが、予想してた話と全然違って、今までに読んだことない本って感じがして面白いです!)