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『成瀬は天下を取りに行く』読んだ!

本屋大賞を受賞した作品、『成瀬は天下を取りに行く』だいぶ前に買ってちょっと前に読みました。

読んだ!

正直、本屋大賞を受賞するまでこの作品のことは知らなかったけど、表紙の絵と面白そうなあらすじに魅了されて買った。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。

『成瀬は天下を取りに行く』あらすじ

主人公の成瀬とその周りの人たちの物語なんだけど、「どういう話か」って人に説明するのが難しい。ただの日常を描いてるっわけではないけど珍道中ってわけでもない。「少し変わった女子中学生の成瀬と成瀬に魅了される人たちの日常」って感じかな。

主人公の成瀬は、なんでもそつなくこなして周りからは天才って呼ばれるようなタイプであり、どこまでも我を通して周りの目を気にしないカリスマって感じでもある。そういう人間だから周りの人間も惹きつけられるし、読んでいる僕も惹きつけられた。でも、正直実際に成瀬が自分の隣にいたらちょっと疲れそうだから、成瀬への関わり方は『読者』っていう形が1番良いと思う。

この本は章ごとに主役が変わっていくけど、その主役たちは色んな形で成瀬に関わっているっていう共通点がある。この本を読んでると自分も成瀬を見るうちの人になる、そうなりたいと思ってくる。そんな魅力が主人公・成瀬にはある。

成瀬の魅力はただ天才でカリスマなだけじゃなくて、しっかりと人間らしいところだと思う。天才でカリスマでヒーローみたいになんでもできる、わけではないのが魅力的。確実に色々な面で周りの人よりは優れてはいるけど、人間だから失敗もするしできないこともある。でも、その失敗も前向きに捉えて経験に変えることができるのがこの成瀬という人間。この本を1ページ読んだだけだと、『ちょっと変わってるすごい人』っていう印象の成瀬も読み終えた後だと『(変わってはいるけど)誰よりも前向きで強い人』っていう印象に変わる。それはこの本に出てくる登場人物も同じなのではないかと思う。

女子中学生の物語だけど、甘酸っぱい恋愛とか青春じゃなくて、かといって誰もが経験したり想像できるようなエモい物語ってわけでもない。ただ少し変わってる中学生の子の日常とその子に勝手に魅了されていく人を書いた本だけど、それが面白くて自分も魅了される一人になる。

感想の言語化が難しいし、解釈が合ってるのかも分からないけど、こんな感じで面白い本だった。続編も出てるから近いうちに買って読みたい。



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