読書感想文『鳥はなぜ鳴く?ホーホケキョの科学』
本を読んだので、感想を書きたい。
今回読んだ本はこれ
『鳥はなぜ鳴く?ホーホケキョの科学』(著/松田道生 絵/中村文)
ずっと前にアウトレットで買って、ずっと積読状態だった本をやっと読めた
鳥って良いよね、鳥が結構好き。実家の庭によく野鳥が来てて観察してたし、外を歩いてる時もよく鳥を見てしまう。鳴き声とかに関する知識があるわけではないので、詳しいことは分からないけど、いつかバードウォッチングとかもしてみたい。
そして、科学系の本も好き。理系だからかもしれないけど、本のジャンルの中では小説に次いで好きかもしれない。自分が持ってない知識というものにとても惹かれてしまう。読んだからって全部覚えてるわけじゃないけど。
そんな自分にとってこの本はタイトルに自分の”好き”が詰まった本だったのでついつい買ってしまった。結果的に面白かったので買って良かった。
この本は題名にもある通り、「ホーホケキョ」と鳴くウグイスについて様々なことが書いてある本
ただ『ウグイスについて書いてある本』と言うと、あまり内容が無いように感じるかもしれないけど、この本のボリュームは222ページ、ほとんどウグイスについて書いてあるのにこのページ数。内容が薄いわけはない。
自分もこの本を買った時は、
「鳥全般の鳴き声について書いてあるのかな」
と思ってたけど、全然違う。
思った以上にウグイスに関しての情報が書いてある。完全予想外。
でも、それが面白い。
ウグイスほど身近な生き物でもここまで自分の知らないことがある、ここまで深い歴史と研究があるんだということ思い知らされる。
自分がこの本を読んでまず初めに自分が驚いたことは、
『自分がウグイスの見た目を知らなすぎる』
ということ。
「ウグイスってどんな鳥?」
って聞かれた時に、大体の人は
「ホーホケキョって鳴くやつでしょ?」
みたいな返答をすると思う。そして、それが大体の人に通じる。
でも、
「ウグイスってどんな見た目?」
って聞かれた時、答えられる人はどれだけいるだろう。
少なくとも、この本を読む前の自分ははっきりと自信をもって
答えることはできなかったと思う。
もちろん今までの人生でウグイスの写真を見る機会は何回もあっただろうしもしかしたら、実物も何回も見てるかもしれない。でも、あんまり印象に残ってない。「ホーホケキョ」という鳴き声は外を毎日聞いててもおかしくないし、「ホーホケキョ」という鳴き声は「ウグイス」ということはほとんどの人が知ってると思う。
それほど身近な生き物であるウグイスの見た目は全然印象に残ってない。
何故なのか。
この本を読めば分かります。
鳴き声はこんなにも知られているのに、何故見た目はわからないのか
そこにはウグイスの生態や行動、形質が大きく関わっている
「自分の無知はこれが理由だったのか」
と思える。それが知れたことが一番の衝撃だった。
もちろん、タイトルの通り、『鳥は何故鳴くのか』ということにも十分
言及されてます。だから、この本は面白い。
この本の特徴は、1つのものに対して多角的な情報が書いてあることだと
思う。
『ウグイス』という一つの題材に対して、生態、鳴き声とその意味という科学的な面と歴史、人との関わり等の民族学的な面まで。
生物行動学、生態学、音響学、民俗学、歴史学、社会学……
『ウグイスとホーホケキョ』を様々な面から取り上げることでウグイスに対する解像度が極限まで上がっている。ウグイスに対する圧倒的な情報量があり、そのボリュームがそのまま面白さに直結している。そんな本だと思います。
鳥好きの人、科学好きの人、ウグイスのことをよく知ってる人、逆に全然
知らない人まで。様々な情報を載せているからどんな人が読んでも面白い
と思えるような本。それがこと『鳥はなぜ鳴く?ホーホケキョの科学』と
いう本だと思います。
あくまで個人的な感想ですが、とても面白かったです。
ここまで読んでくれた方、また、この本を作ってくださった方、
ありがとうございます!
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