こころに響く作品に共通していたもの
子どもの頃、図工の時間が大好きで、さっきまで何もなかった空間に現れたものが自分の手から生み出されたことに感動した。
だからなのか作品(=生み出されたもののエネルギー)に敏感だ。
それは文字通り作品であることもあれば人が発する言葉やパフォーマンスも含まれる。
ずっと何をするにも義務感で生きていて、自分の欲するもののために生きていなかったことに気づいた。
それで私は何に感動するのかを観察してわかったことがある。
私はそこに『愛』を感じたときに感動するようだ。
プリキュアやアイカツ、ポケモン、ドクターストーンといったアニメ作品には根底に愛がある。
私は愛とは行動の動機が私欲ではなく純真さであるものだと思っている。
だからとても尊く、得難く、でも実はすべての人の心に存在していたものでもある。
愛を感じたとき、私はそこに美しさを感じるようで心が震え、涙として反応する。
昨日読み終わった青山美智子さんの小説、『月の立つ林で』もそれはそれは晴らしかった。
読後感がとてもすっきりとしていて、人間らしさも描かれつつも重くない。
ふだん光が当たらない側にいる人間の悲しみや嫉妬、悔しさ、苦悩などに光を当てた、どこにでもいる人たちの気持ちでもあり、少数派の気持ちでもあり、登場人物たちは人とのつながりの中で、自分を客観的に眺められるようになったり、悩みに覆われていて気が付けなかった周りの人たちの愛に気づくことができて、元気になっていく。
この物語もベースに作り手の愛があるのを感じた。
随所にさらっと核心をついた1文が織り込まれ、自分が言いたかった言葉や言ってほしかった言葉が詰まっていた。
子育てをしていると子どもの成績だったり、交友関係だったり、習い事だったりと、いかに自分の方が優秀であるかを競いたがる人たちもいて疲れてしまうからこそ、心が洗われる作品との時間に浸ることで忘れてしまいそうになる純真さを思い出そうとしているのかもしれない。