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おすすめ絵本・児童書

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年間300冊以上児童書を読む中で、素敵!と思った本をご紹介します。
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記事一覧

『”弁当の日”がやってきた!!』

学校に「弁当の日」がやってきた。 お弁当の日のコースは ①チャレンジコース:すべて自分で作る ②親子でコース:親と一緒に。自分の役割でできるだけ増やして。 ③おにぎりコース:自分でおにぎりを作って、おかずを弁当箱に詰める。 ④エンタメコース:作ってもらった弁当を完食してありがとうと伝える。 小学3年生のケンタくんのはじめての挑戦はどんなお弁当になるのかな。 お腹も心も満たす素敵な物語。 自分で選べる4つのコースがまずは秀逸だと思います。自分では作らないけれど、作ってくれた人

『こどもべやのよる』

こどもべやに夜がきました。 おきているのは、いっちゃんだけ。 夜に飲みこまれないように息をひそめる「こどもべやのよる」。 天使のおにんぎょうと空を飛ぶ「てんしちゃん」。 2段ベッドの船で4姉妹が海にでる「おとなはたちいりきんし」。 どきどきたのしい、いっちゃんの夜のおはなし3つ。 少し不気味?で可愛くて、「NHKみんなのうた」にあった『メトロポリタン美術館』を思い出させてくれる作風です。 子どもにとって夜が特別なものであることが見事に描かれています。 想像の世界はどこまでも

『みらいのえんそく』

今日は月面への宇宙遠足の日。 生徒たちは地球が眺められるクレーターへ。 ところが一人の生徒が地球の絵を描いているうちにうっかり眠ってしまい、目が覚めると、クラスメートと宇宙船がいなくなっていた! ひとり月面に取り残された生徒が出会ったのは…。 月面着陸成功50周年記念イヤーの年に発行された本書。 すごく”今”っぽくて、古くから読み継がれる名作とは一味違った面白みがあります。 出かけた先でお絵描きしていて、出逢った子たちはクレヨンに興味津々。 良いよ、貸してあげるよ。そんなや

『うそみーるめがね』

さとちゃんは空き地でねこのごーぐると出逢います。 地下の町でめがね屋さんをしているごーぐる。 お店のめがねはかけると不思議な景色が見えるものばかり。 さとちゃんが作っためがねも同時にかけると、 なんと嘘が見えるようになります。 悪いきつねの詐欺商売を見破ってしまい 追われるさとちゃんの目の前は真っ暗になりますが… 1972年に刊行されたいわむらかずおさんの初期作品。 当時は装丁もご自身が担当されたそうです。 いわむらかずおさんと言えば『14ひきシリーズ』や『かんがえるかえる

『なかよくなれるかな』

れなは、小学1年生の女の子。 小学校の飼育小屋にいるウサギのチュロが大好きです。 だけど飼育小屋には、いつも怒鳴ったり、怒ったりしているこわい6年生のお兄さんが。同じクラスのたけちゃんは、優しいお兄さんだっていうし、ママも友だちになれるといいねって言うけど、絶対に無理。 そんなある日、チュロが飼育小屋から逃げ出した! チャイムも鳴って慌てているれなの前に、お兄さんが現れて…。 知らないこと、言えないこと、聞けないこと…こわいと思ったあの人は、本当にこわい人?おとなでも難しい

『のりたいな』

町で見かける“はたらく車”がたくさん登場! 路線バス、郵便車、ゴミ収集車、ミキサー車、パトカー…。 なんとすべて繊細な貼り絵で描かれます。 お気に入りの車がきっと見つかるはず。 語りかけるような文も温かな、乗り物絵本です。 とにかく美しい! モザイク画のような貼り絵の細かさに、大人もぐっと引き込まれます。 オレンジに見えるバスにも、影が落ちたり汚れがあったり、 色のバリエーションが隠れていることに気づかされます。 ちょうど我が子はハサミブーム。 一緒に見ながら、ハサミで紙を

『ぼうし とったら』

カウボーイのぼうしをとったら? コックさんの帽子をとったら?? 何が出てくるのでしょう。 しかけをパッとめくる度に、驚いたり笑ったり。 いろんな帽子が登場します。 「やさいさん」「くだものさん」に続く、 いないいないばあ遊びのしかけ絵本シリーズの3作目。 我が子が乳児の頃にケタケタ笑いながら見ていたのが昨日のことのよう…。 とくに”たんけんか”のぼうしが好きで、 「ドッカーン!」 と言う度に喜んでいました。 プレゼントにも最適です。 図書館で大型本で読むのも迫力があっておす

『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』

夜、眠りにつく前のひととき。 男の子はぐっすり眠れますようにと、 しきぶとん、かけぶとん、まくら、の寝具たちにそっとお願いをします。 「しきぶとんさんかけぶとんさんまくらさんあさまでよろしくおねがいしますあれこれいろいろたのみます」 彼らは「まかせろまかせろおれにまかせろ」と 男の子を優しく、暖かく、包み込んでくれるのです。 夢見心地な挿絵が魅力的な一冊。 子どもの頃の”夜”は今よりも特別だった気がします。 今日が終わってしまうことに対する漠然とした不安や、暗闇に対する抵抗

『りっぱな うんち』

ライオンのうんちはシマウマうんち。シマウマ一頭食べたから。 ミミズ、恐竜、そしてぼくのうんちは?人気作家のうんち本決定版。 3歳半になった我が子が、おしっこ・うんちでゲラゲラ笑うようになったので、ここぞとばかりにこの一冊。 色んな生き物が、何を食べて、どんな排泄をするかが、シンプルに描かれています。ちょっとファンタジー味があるのはご愛嬌。 とにかく、汚い・臭い・面白いで終わらせまいと母は必死です。笑 きたやまようこ・作 ページ数:24ページ 対象年齢:3歳から 2010年

『ゆりの木荘の子どもたち』

ゆりの木荘は、100年以上も前に建てられた立派な洋館。 いまは有料老人ホームになり、サクラさんやモリノさんたち、6人の老人が住んでいます。 春風が吹くある日、サクラさんはだれかが歌う手まり歌を耳にします。モリノさんにいわれるまま、サクラさんがその歌を口ずさんでみると、ふたりは突然、子どもになってしまいました。 そう、87歳のおばあさんではなく、10歳ばかりの女の子に。 それは、77年前の約束のために、「あの子」がサクラさんたちを呼び寄せたからでした。 SFミステリーの入り口

『ねこひげ ぴぴん』

22匹のネコちゃんが皆さんをお出迎え。 おどったり、さんぽにいったり、ゆめみたり。 みんなでゴロニャーゴ! さあ、いっしょにあそぼーにゃ! ユーモラスで愛らしい個性的なネコちゃんが順々に登場します。 クレヨンで描かれた猫ちゃんたちはみんなキラキラ。 どんなネコちゃんかな?何してるのかな?どんな気持ちかな? 子どもと一緒に読みながら、想像が膨らみます。 こんなとき、私たちもあるよね。ネコちゃんたちといっしょだね。 そんな風に話しながら読みました。 これは我が子のお気に入りネ

『わにが わになる』

楽しい語呂合わせの傑作集。 「ぱんだのきゅうしょく ぱんだ」 「ばったとばった ばったりあった」など、 声に出して読むとおもしろいことばがいっぱい。 それぞれのことばには、ユーモラスな絵がついています。 ダジャレの本は数あれど。こちらもおすすめの一冊です。 リズムが気持ち良く口に楽しいので、我が子とも盛り上がります。 普段の会話で出てこないような言葉と出会えるのもgoodです。 ところで、特に男性が年齢を重ねるごとにダジャレが上手くなっていくあの現象はいったい何なのでしょう

『わすれていいから』

はじめておれがこの家にきたとき、 生まれたばかりのおまえがいた。 ここは、おれたちのなわばり。 おれがどんどん大きくなって、おまえはゆっくり大きくなった。 お気に入りの場所も、遊びも、ご飯の時間も一緒。 嬉しい時も、悲しい時も、おれはそばにいる。 おまえは少しずつ家にいないことが多くなって、 すっかり大きくなった頃……。 成長のスピードは違うけど、”なわばり”は一緒。 どんな時も気持ちの良い距離感で同じ時間を過ごしてきたおれとおまえ。 賢く悟ったおれは言います。 それまで

『すごいぜ ほんの ちからって! モーリスの おうちは ライブラリー』

モーリスは思いついた。 ネズミたちに本を読んで、聞かせて、おびき寄せ、 集まってきたところを食べちゃおう! でもいざ本を読みはじめたら、みんなで一緒に笑い、一緒に泣き、一緒に感動し、一緒にドキドキしているうちに、 ネズミを食べよう、というと気がなくなってしまい…。 ネズミのおかげでマドレーヌと出会い、自分で物語を書くようになる最高のエンディング。 とにかくかわいい! ネコもネズミもかわいいです。 物語には食い意地を凌駕する魅力があることを感じます(大げさ)。 とモーリスは