★★☆☆☆「グランメゾン・パリ(映画)」
この映画は観る予定は無かった。
木村拓哉は、木村拓哉でしかないから、全部が木村拓哉になってしまうのが嫌で、観ない予定だった。
が、通りすがりの映画館で、ちょうど今から始まる!というタイミングだったので、せっかくだからとレイトショーで観てきた。
前回の、★★★☆☆「うちの弟どもがすみません(映画)」 とは別の映画館だったけど、それにしてもシアターのクオリティが低い。
ちょっと古めな感じだから妥協するところは必要かもしれないが、スクリーンの修復跡が目立つ、空調のノイズが聞こえる、などなど。
せっかくならIMAXシアターで観ればよかった、と。
わざわざIMAXで観る予定もなかったけど。
ドラマは未視聴で、内容も学習せずにいきなり映画。
その映画は至って単調なストーリー。
いろいろが無茶苦茶でありつつ、ですよねー、、、、といった展開。
王様のレストランではバーテンダーだった鈴木京香は、グランメゾン・パリではスーシェフなのね、フェルマーの料理では美食家だった及川光博もシェフやってるし、とくだらないことを考えつつ。
木村拓哉は冒頭から怒ってるし。
パーティーでの、ソースの味がイマイチ、というのは、味覚障害が原因なのか、尾花夏樹がポンコツだからか、最後まで分からなかった。
制作者が視聴者を信じ切れてないのか分からないけど、丁寧にレールが敷かれている感じが、より平坦さを生み出している印象がある。
肉屋が親切になったのは及川光博が「僕が通い詰めた~~」と言うことで、それが倫子さんのお陰だと気付くし、パティシエがチーズショップから帰る様やカメラワークは、このあと家で事件が起こりますよ!!って明らかだし、最後の3人に料理を振る舞うシーンは、こんな忘れられない夜は無かった、みたいな冨永愛の台詞が最初に入る。
あぁそうですか、うまくいったんですね。と興ざめ。
最後の三つ星の授賞式も、そのスピーチに面白さがあるのかと思えば特に何もなく興ざめ。
いっそのこと、発表しないで終わらせるとか、三つ星になった壁のプレートを映すとか、そのくらいのほうが自分自身の中で味わい、消化できるのになーという気持ち。
それに、窪田正孝は一瞬しか出てこなかったし。
木村拓哉が好きなご年輩の方にはマッチする映画で、若者向けではない。
水戸黄門みたいに、ありきたりなストーリーの上をいつもの役者が歩いていることに満足する世代向けだ。
ただ、映画を楽しみたい!と思えば星1つ、ミシュランの星は3つかもしれないけど、僕の中は5段階の1。
とはいえ、年始に、何が何でもやってやるんだ!という気概や、僕自身が人にお願いをするにが、任せるのが苦手で今も苦労している、という。
自分を追い立ててくれる要素があったから、星2でもいいかな、と思った。
出てくる料理はどれも美味しそう。
美味しそうな見た目、音、画面越しの匂いなどは、IMAXで観るべきだと強く
思う。
田舎のへっぽこ映画館じゃダメだ。
それでもあの料理を観て、無性にハムサンドが食べたくなり、コンビニに寄ったのも事実。
美しい、しかし平凡でありきたり。