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【映画】SFアニメ「僕愛」と「君愛」はどっちから観た方がいいのか?

配信でアニメ映画「僕が愛したすべての君へ(僕愛)」と「君を愛したひとりの僕へ(君愛)」を鑑賞しました。
この2作品は並行世界を扱ったSFで、主人公の男の子が7歳の時に両親が離婚します。
で、母親と暮らす選択をしたのが「僕愛」、父親と暮らす選択をしたのが「君愛」。そこから分岐していった世界を描いています。
平たく言うと、「もしあの時あっちを選んでいたら、どうなっていただろう?」ってやつですね。

とはいうものの、2つにわかれたからといってその後の物語が全く別個のものかというとそうではなくて、微妙にリンクしながら進んでいきます。
なので、両作を観ないと全貌はつかめない。

この両作が公開されたのは2022年の秋なのですが、どっちから観た方がいいか?みたいな記事がネットに結構ありました。
自分もいざ観よう!となった時にどっちから観たらいいんだろう?と思いました。そりゃそうですよね。

なので今日はこの「僕愛」と「君愛」をどっちから観たらいいんだろうってことについて、1年半ぐらいたっててかなり周回遅れだけど、書いてみようと思います。
遅ればせながら参戦しまっす。
これから観ようと思っている方の参考になれば幸いです。

          ***

まず実体験を話すと、自分は僕愛→君愛の順番で観ました。
理由は、ひねくれてるから。。。
さてどっちから観ようかとネット記事をいくつか読んだところ、「君愛→僕愛」はハッピーエンドで終わるからおすすめっていうものが多かった。後味が良いと。
一方「僕愛→君愛」は切ないとのこと。

ただ自分はハッピーエンドにこだわらないし、SFで切ないってものにもひかれたので、「よし、僕愛→君愛でいこう!」と。
あと、記事にのせられてマジョリティに組みするのもなんか嫌だな(←ここがひねくれてる)と思ったのもあります。

で、結果どうだったか?
どっちがおすすめかと問われると、今回はマジョリティに1票。
あくまで個人的な意見ですが、自分は君愛→僕愛で観るのをおすすめします。
ひねくれなければよかった。。。

          ***

理由としては、「僕愛」の方が感情移入しやすかった。なので「僕愛」の方が面白く感じられたんですよね。
だから自分が観た順番、僕愛→君愛だと尻すぼみの印象を受けました。
2晩続けて観たのですが、観終わった後なんだか気持ちが盛り下がってしまった。。。

じゃあどうして「僕愛」の方が感情移入しやすかったかというと、自分が妙齢のおっさんだから。
「僕愛」と「君愛」では主人公は同じ男の子だけど、ヒロインが違います。
※ここからネタバレになってしまうので、気になる方は退避。

昨秋の日光東照宮の3猿。
ネタバレには🙈🙉🙊ですよね。


大雑把に説明すると、「僕愛」のヒロインは主人公が高校生の時に出会い、年齢を共に重ねていきます。
一方、「君愛」のヒロインとは幼い時に出会うのですが、高校生ぐらいの時に並行世界を行き来する過程で事故に遭い、SF的トラブルに巻き込まれ、幽霊化してしまう。簡単にいうと2人は同じ世界で生きられなくなってしまう。
主人公は年をとっていくけど、ヒロインは若いまま。

もちろんこれはあえてそういうふうにして、2作品のコントラストを明確にしているのだろうけど、妙齢のおっさんとしては、自分は年をとっていくのにいつまでも変わらない恋人を相手にできるのだろうかと。

将来の結婚を約束して並行世界に駆け落ちする2人はとても微笑ましいのだけど、オイラはその時分のウブな気持ちをとうに通り過ぎてしまった…というのが正直なところ。
ちょっとずつちょっとずつ関係性を変えながら長く過ごす方がいいなあと思う次第なのです。
ね、これって妙齢のおっさんでしょ?

「ロミオとジュリエット」は傑作だけど、もしあの2人が命を落とさずに一緒に暮らすことができたら、果たしてどうなっていただろうか?
ロミオってお話の序盤では、違う女性に熱をあげてたんだよな…なんてね。

というわけで、おっさんとしては「僕愛」の方がしっくりきたかな。
とはいえ月並みな表現だけど、「変わらない良さ」と「変わっていく良さ」と両方ありますよね。
「君愛」は結晶化された思いを大事にしているお話だから、薄汚れたおっさんと違って、ピュアな方や中高生なら「君愛」の方が泣けるってなるかもしれない。「僕愛」だるいよ、とかね。
なので、これから観るよって方はご自身のお考えを大切になさって順番を決められたらと思います。正解はないのだ!

最後に、SF作品なのでSF的なところでいうと、「僕愛」の並行世界からきたヒロインが「ずるい」という台詞があって、そこにハッとさせられました。
ある事件が起きて、「僕愛」のヒロインは自分たちの世界とは違う自分たちに「ずるい」と嫉妬する。
現実生活でうまくやっている他人に対して「ずるい」や「羨ましい」とかの感情を抱くのは理解しやすいけど、違う世界線の自分から「ずるい」と思われるとは。

「自身を大切にしよう」っていう言葉がありますよね。
もちろんそれはその通りなのだけど、この言葉を今回の両作に照らし合わせてSF的に解釈すると、「自分というものは、自分が選択したかもしれないあまたの世界線に支えられてるのだ。今の世界線の自分を抱きしめることが、あまたの世界線の自分を受け入れることなんだ」と。

え~っと、宗教の勧誘ではありません。。。失礼しま~す。



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