【映画感想文】松本優作監督2本「Winny」「ぜんぶ、ボクのせい」
配信で松本優作監督の映画「Winny」(2023年)と「ぜんぶ、ボクのせい」(2022年)を鑑賞しました。
感想を書いてみようと思います。
まず、なんちゃらプライムで「Winny」を観て
、作品に芯があるというか、何を見せたいのか意図がはっきりしているところに好感をもちました。
「Winny」は実話をベースにした裁判もののお話なのだけど、犯罪者扱いされて社会から追い詰められている主人公に優しい視線が注がれている。
また弁護士さんたちの志も立派で、背筋が伸びる。
「今の世の中どうよ?」っていう作り手の啖呵切ってるメッセージが嬉しかったんですよね。
それで監督の松本優作氏に興味を持って、その前作の「ぜんぶ、ボクのせい」を観ました。配信レンタル。
こちらの主な登場人物は3人。
母親に会いたくて児童養護施設を抜け出した中学生男子、子どもの頃に母親から虐待された過去をもつホームレス、あとは裕福な家庭に育つも父親からの理想と実際の自身とのギャップに悩む女子高生。
メインエピソードは中学生男子とホームレスの交流です。
全体的に彫りが浅い感じがしてイマイチ乗れなかったのだけど、この作品も社会の端っこに追いやられてしまっている登場人物たちに温かい気持ちが注がれてます。
これもまた作りたいものがはっきりしている印象。
Wikipediaによると松本氏は現在31歳で「Winny」を撮った時は20代だったそうです。
びっくり。とても20代の作品とは思えない落ち着きがあります。
両作とも結構有名な俳優さんたちが出演されているのですが、皆さん作品の方向性にあった芝居をしている。これは監督の演出力のたまものでは。
今後のフィルモグラフィが楽しみだなあ。