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「科学革命の構造」(トーマス・クーン)を読んでみた

死ぬまでには読んでおきたい本。

今回は、
「科学革命の構造」(トーマス・クーン)を読んでみた。

何かのきっかけで買ったままだった、この本。
いわゆる「パラダイム」という言葉を広めたといわれている。

おそらく、この漫画を読まなかったら、ずっと「科学革命の構造」は本棚に刺さったままだったろう。
その、漫画とはこちら。

「チ。ー地球の運動についてー」(魚豊)

地動説の証明をバトンリレーのように後世へ繋いでいく人たちの物語。
めちゃくちゃ面白くて、刺激的だった。
あっという間に全巻読み終えた。
読み終えてしばらくたっても興奮していた。
もっとコペルニクスや地動説、なにより科学における「コペルニクス的転回」について知りたいと思った。

そこで、手に取ったのが歴史に残る名著といわれる「科学革命の構造」。

自分の身に引き寄せて読むと、かなり怖い本ではある。
わたしがいる映画業界では次々に若い才能がデビューしていく。
同時にベテラン映画監督はその席を追われていく。
なぜ、新陳代謝が進むのか。
ベテラン勢は既成概念の中で次第に充足していく。だけど、既成のやり方に疑問を持つ新しい人は枠組みを破壊し、新たなものを生み出す。
かつてわたしが『SRサイタマノラッパー』を自主映画で作った時も近かったと思う。
その経緯について、詳しくはこちら。

さまざまな分野での新陳代謝やイノベーションは、科学におけるパラダイム変革と近いものがある。インターネット革命についても同じだろう。

本の後半はけっこう難解だったけど、前半部だけでも十分読む価値がある。
訳者の中山茂さんによる解説も胸が熱くなる。

「科学革命の構造」
(著:トーマス・クーン、訳:中山茂、みすず書房)
2022年9月読。


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